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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J1:第19節 仙台 vs 柏】レポート:今季4度目にして中3日の再戦は、互いに“やりづらさ”全開の90分。お互いが長所を消し合った試合はスコアレスドローに終わる。(11.08.01)

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7月31日(日) 2011 J1リーグ戦 第19節
仙台 0 - 0 柏 (19:04/ユアスタ/15,315人)
スカパー!再放送 Ch181 8/2(火)後09:00〜
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手倉森誠監督が「手の内の探り合い、読み合い、分かり合い」と言えば、ネルシーニョ監督もまた「相手の手駒、手の内がお互い分かる」と述べる。仙台と柏は7月だけで3度対戦し、しかもヤマザキナビスコカップ第2戦とJ1第19節は中3日での再戦を強いられた。そんな稀有な連戦終えたばかりの両指揮官の表情に「やれやれ」と言わんばかりの苦笑が浮かぶのも無理はない。

サッカーには自分たちが優位に試合を進める時間帯、一方で相手にリズムを引き渡す時間帯があり、静かな立ち上がりを見せていたゲームでも、何か拍子に突如動き出すことも、内容が活性化するケースは頻繁に見られる。だが、この仙台と柏のゲームだけは90分間を通じ、ほとんど同じリズム、同じ空気のまま過ぎていった。鎌田次郎が「(無敗だった頃の)戦い方が戻ってきた」と評するとおり、相手ボールになった瞬間の仙台の選手たちの切り替えは非常に早く、瞬時にコンパクトな陣形を作り上げて相手にスペースを全く与えない。さらに柏が後方で回している時には焦れずに待ち構え、サイドやクサビのパスを放った時に連動してプレッシャーを仕掛け、各ゾーンにいる選手が囲い込みに入る。対する柏も仙台のスピーディーなカウンターを警戒し、大きくリスクを冒さないとともに素早い切り替えで陣形を整え、仙台ボールになった途端にすぐさまブロックを作る。互いに知り尽くしている者同士。よってどこを最初にケアすべきか、どう守備をすれば相手の長所を効果的に消せるのか、そんな展開が立ち上がりから続く。仙台は梁勇基のセットプレー、柏はレアンドロ ドミンゲスのクリエイティブなプレー、この両10番が絡んだプレー以外からは得点の匂いはさほど感じられなかった。

確かに選手の言う通り「チャンスはあった」(赤嶺)。だが、攻撃側が相手の守備を完璧に崩す、あるいは守備側のミスから綻びが生まれるような場面はなく、1試合を通じてこれほどまでに決定機が少ない試合も珍しいのではないか。強いて挙げれば、仙台は15分の梁勇基のフリーキックと30分の角田誠のミドルシュートが枠を捉えたのみ。柏にいたっては、21分にコーナーキックから橋本和のヘッディングシュートをGK林卓人が処理したのが唯一の枠内シュートである。
普段であれば、的確な選手交代でガラリと流れを変えてしまうネルシーニョ監督も、この日ばかりはさすがに手を打つタイミングを見出せなかったのか、水野晃樹と北嶋秀朗の投入も機を逸した感すらあった。「今までの3回の試合よりも落ち着いた展開だった」という角田誠の言葉は、彼のみならずおそらく全選手に共通した思いだろう。過去3度はアディショナルタイムで決着がついてきたが、そういった試合の経験により両者の集中力は最後まで途切れることがなかった。シュート数は、仙台の9本に対し柏が7本。枠内シュートは仙台が2、柏が1。ネルシーニョ監督も「0−0というのは正しい結果」と認めざる得を得ないスコアレスドローだった。

しかし、双方にとってこの引き分けは最悪の結果というわけではない。先ほども述べたが、仙台は「(無敗だった頃の)戦い方が戻ってきた」(鎌田)というように、水曜日の劇的な逆転勝利をきっかけに、ここまでの続いた“6戦未勝利”からは復調の兆しにあることを感じさせた。柏もこのところは失点が目立っていたのだが、仙台戦では4試合ぶりに完封し、しかも守護神・菅野孝憲を負傷で欠きながら、ミドルシュートやクロスボールに対して危なげないプレーでゴールマウスを守った桐畑和繁の存在など、間違いなく収穫のひとつであろう。

次節、柏は横浜FMとの首位攻防戦を迎え、仙台は7月23日に行われた第6節で不甲斐ない試合をして敗れた大宮が相手となる。両者、今回のスコアレスドローを生かすも殺すも、次節の戦い方次第だ。

■この試合のHOT BALLER:桐畑和繁(柏)

以上

2011.08.01 Reported by 鈴木潤
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