7月18日（月） 2011 J2リーグ戦 第21節
愛媛 0 - 2 京都　（19:04／ニンスタ／2,213人）
得点者：5' ドゥトラ（京都）、77' 駒井善成（京都）
スカパー！再放送 Ch182 7/19（火）後09:30〜
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台風6号の接近によって時折、激しく雨が降ったニンジニアスタジアム。しかし、ピッチのコンディションは上々で、風もプレーに大きな影響を与えるものではなかった。むしろ、台風によるその風は肌寒さすら感じさせるほど、夏の暑さを吹き飛ばしていた。その中で、立ち上がりから愛媛のゴールに襲い掛かった京都。3トップのドゥトラや伊藤優汰、中山博貴ら前線の選手が積極的に仕掛けると、愛媛の選手たちはそのスピードと勢いに圧倒された。すると、わずか前半5分でゴールが生まれる。伊藤が突破を図ると、中山を経由したボールはゴール正面に飛び込んできたドゥトラの元へ。その瞬間、迷わず放たれたシュートは綺麗にサイドネットへと吸い込まれた。

複数失点が続いている愛媛にとっては、守備から入ってゲームを落ち着かせたかった立ち上がり。しかし慎重に入ったその姿勢が裏目となり、受身に回って先制を許してしまう結果になってしまった。勝利から遠ざかり、思うように試合を運べない愛媛。ただ、失点のあとは次第に京都の勢いにも対応、「点は取れたがあまり動きがある試合ではなかった」と大木武監督が指摘したように、その後は京都も愛媛を崩し切れていなかった。

そして後半に入ると、その膠着した状況に動きを与えたのがバルバリッチ監督の選手交代。「計画外の変更で、田森（大己）が怪我をしてしまいフォーメーションを３−５−２にしなければならなかった」と監督は振り返ったが、DF高杉亮太が投入されて3バックになると、愛媛の攻撃が勢いづいた。「普段はナベさん（渡邊一仁）がディフェンスラインに入って（センターバック2人と）3枚でボールを動かしているので、特に問題はなかった」とDF前野貴徳が語ったように、愛媛は両サイドを使って反撃開始。後半17分には杉浦恭平が右サイドを抜け出してミドルシュートを放つと、続く21分にはFWジョジマールのスルーパスに前野が抜け出し、ゴール前に飛び込む齋藤学へラストパス。いずれもゴールには至らなかったものの、前半にはなかったスピードに乗った攻撃で同点ゴールを目指した。

しかし、勝負を決めるゴールは京都に生まれる。「前に出たところで裏を取られたが、防げない失点ではなかった。いつもの繰り返しだが、流れが来ている時にしっかり決めないと…」と関根永悟は声を振り絞ったが、京都はDF森下俊が愛媛の右サイドを攻略、クロスから駒井善成のJ初ゴールをお膳立てした。これで、5試合ぶりの勝利を手にした京都。「後半ゼロで抑えられたところは成長していると思う」と駒井は手ごたえを語ったが、京都は勝点3と無失点という最高の結果を手にした。この日は宮吉拓実がおよそ2ヶ月ぶりに復帰、久保裕也も2試合ぶりに途中出場を果たし、さらには先制点に絡んだ伊藤ら10代が躍動。京都はシーズン序盤の出遅れを代償にはしてしまったが、才能ある若手が実績を積み、結果を残してきたことは後半戦に向けて大きな収穫。いよいよ、京都の反撃が始まりそうだ。

その一方で、3連敗と苦境に立たされ続ける愛媛。ただ、「決して悪い状態ではないので、やってきたことの繰り返しだと思う」と関根が試合を振り返ったように、勝点3を重ねていた時期と何かが大きく変化しているわけではない。しかし失点の場面を振り返っても、付くべき相手に対して体をぶつけられなかったり、攻撃では逆に失点を恐れるが故かサポートが遅れて厚みのある攻撃がなかなか仕掛けられていない。「アリバイ作りのようなプレーがあった」とバルバリッチ監督は表現したが、逃げの姿勢で現状を変えることは難しい。次節も愛媛はホームで戦える。今季初のホーム連戦。しかも観客動員1万人を目指す大一番。次節の東京V戦では大勢のサポーターの前で、自ら勝利を手繰り寄せようと戦うアグレッシブな姿勢をみせて欲しい。

■この試合のCOOL BALLER：駒井善成（京都）

以上

2011.07.19 Reported by 近藤義博