スカパー！生中継 Ch182 後06:20〜
☆豪華賞品が当たる！totoリーグに投票しよう！｜HOT6特集
----------
ここ4試合では失点をわずか1点だけに抑えて2勝2分と、戦い方が安定してきた清水。そのホームに乗り込むのは、勝ったり負けたりを繰り返して今ひとつ戦い方が安定しない新潟。ただ、新潟はアウェイで鹿島に逆転勝ちする爆発力を持ったチームであり、清水にとっては、その相手に主導権を与えず、ホームで今度こそ良い戦いを見せられるかが注目される一戦となる。
前述の通り、守備が安定して4試合負けなしの清水だが、現状にけっして満足しているわけではない。ゴトビ監督は7月の戦いが始まる時点で「6試合で勝点15」という高い目標を掲げており、すでに2引き分けしているため、目標のクリアは不可能になってしまった（ここから3連勝しても勝点14）。また、ホームで良い戦いができていないのも大きな課題のひとつで、前回の鹿島戦も内容的には負け試合だった。
そうした中で、今の大きな課題となっているのは、前線からDFラインに厳しくプレッシャーをかけてくる相手に苦しんでいることだ。大敗した第11節・神戸戦でも、鹿島戦でも、プレスをかけられたDFラインがズルズルと下がり、前線との距離が遠くなって縦パスが通りにくくなるという現象が現われ、その中でボランチも中継役として機能できなかったため、結局バックパスするか大きく前に蹴るしかなくなるという悪循環に陥っていた。当然、そうなるとやりたいサッカーがまったくできず、サポーターにとっても非常にストレスがたまる展開になってしまう。
ここ2試合は、甲府と仙台があまりDFラインにプレスをかけてこない相手だったため、後ろから確実にビルドアップしてポゼッションで上回ることができていたが、新潟はその2チームよりも前からのプレッシャーは強い。新潟としても、清水の課題は十分にわかっているはずで、水曜日に試合がなくコンディション面で有利な条件を考えても、前線からのプレスの意識をいつも以上に高めてくる可能性は十分にあるだろう。
そうなったとき、清水がどれだけ課題を克服できるのか。新潟の出方しだいではあるが、それがこの試合最大の見どころとなる可能性は高い。またその意味では、ケガ人が出ている中でボランチに誰を起用するか、1ボランチなのか2ボランチなのかという点も注目される。平岡康裕と村松大輔の2ボランチで臨んだ鹿島戦では、「（ボランチが）ゲームを作るという面で問題があった」とゴトビ監督は振り返っており、ビルドアップのカギを握るポジションだからだ。
水曜日に仙台と戦った清水は、木曜日をオフにして、ゴトビ監督と小野伸二、高原直泰らが被災地（岩手県山田町）を訪問。中2日の新潟戦に向けては、金曜に一度非公開練習を行なっただけで臨むことになる。ハードな日程のうえに長距離移動も重なり、コンディションを整えるのが精一杯で、戦術的な練り込みを行なう余裕はない。
したがってスタメンの予想も難しいが、DFの岩下敬輔が先発復帰するのか、仙台戦からどの程度メンバーを変えてくるのか、ボランチがどうなるのか、気になる部分は多い。どんな形であってもぶっつけ本番の戦いにはなるが、その中で前述の課題を克服できるか、清水の選手たちにとっては本当に頑張りどころのゲームと言える。
一方、新潟のほうは、ここ2試合はホームで甲府に敗れ、アウェイで鹿島に勝っており、清水のゴトビ監督も「予想できないチーム」という印象を持っている。ただ、ブルーノ ロペスがここ4試合で3得点と好調（今季6得点）で、韓国代表のチョ ヨンチョルも前節にケガから復帰。昨年アウスタでゴールを決めているミシェウも含めて、一発の恐さはさらにグレードアップしている。
したがって、清水が主導権を握れたとしても、カウンターやセットプレーには大いに注意が必要となるだろう。昨年は清水に2勝しているという自信もあり、アウェイでも勝点3を全力で取りにくるはずだ。
さまざまな要素を考えても、清水にとっては非常に難しい戦いになりそうな一戦。チャンスの数も限られてくるかもしれないが、その中で勝ちきるためには、決めるべきところを勝負強く決めきれる選手が必要だ。そう考えると、仙台戦であえて10試合ぶりに先発を外れ、この試合に備えてきた高原には大いに期待したい。
ここ5試合ゴールから遠ざかっているが、プレーの調子がけっして落ちているわけではなく、本人もゴールに飢えているはず。その高原に加えて、小野やアレックス、また調子を上げてきた小林大悟といった経験豊富な選手たちの試合を決める働きが、清水の勝利には欠かせないだろう。
■この試合注目のHOT BALLER：高原直泰（清水）
以上
2011.07.15 Reported by 前島芳雄
