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７月のちょうど折り返しとなる第３週末に開催される第２１節。札幌厚別公園競技場では勝点２２で９位の札幌が、同１９で１１位につける水戸をホームで迎え打つ。また、今シーズン２度目の登録ウインドーが１５日に開始しており、ここ最近に加入した選手の出場が可能となる最初の試合。このカードで対象となるのは水戸のＦＷ鈴木隆行だ。
ホームの札幌は前節、愛媛とのホームゲームを３−１のスコアで快勝。今シーズンの札幌は最終ラインを中心に固い守備を披露する一方で、得点力不足が目立ちなかなか勝点を伸ばせずにいた。しかし、愛媛戦では内村圭宏が先制点を挙げ、横野純貴が２得点を奪うというＦＷ陣の活躍が勝利を引き寄せたとあって、この勝利が持つ意味は大きいはず。また、守備的ＭＦに負傷者が重なったこともあって、開幕からセンターバックでプレーしてきた河合竜二が守備的ＭＦとして先発出場。充実したプレーを見せたとあって「誰が欠けても、チームレベルがあまり変わらなくなってきた」と石崎信弘監督が好守両面での手応えを口にする。
また、前節の勝利は札幌にとって今シーズン初の逆転勝ち。昨年もそうだったが、ここ最近の札幌はいいリズムでゲームを進めながらも、ちょっとしたミスから失点をしてそのまま押し切られてしまうことが多かった。しかし、愛媛戦では相手に一瞬の隙を突かれて先制点を奪われてからも積極的に攻撃を仕掛けて同点、逆転、そしてダメ押しと力強い試合運びを見せている。１６日の試合は日程変更の影響により発生したホームゲーム３連戦の３試合目。「サポーターの力を借りて、連勝したい」と石崎監督が意気込むように、チームは地元での連勝を契機に流れを生み出そうとしている。
対してアウェイの水戸は前節、ホームで横浜FCに０−１で敗戦。試合の大半を優勢に進めながらも得点を奪いきれず、逆に後半のアディショナルタイムにＰＫを献上して敗れるという内容だった。柱谷哲二監督も「我々にとって不運なゲームだった」と悔しがる。勝点３を得て然るべき試合を、みすみす落としてしまったということだ。
しかし、パフォーマンスに目を向けると十分に胸を張れるものだと言っていい。西岡謙太、村田翔で組む守備的ＭＦを中心にしっかりとパスを動かし、遠藤敬佑、岡本達也といった前線の選手も中盤の選手とうまくポジションをローテーションしながら動きまわる。チーム全体としても出来るだけ高いポジションを取ろうとしており、攻撃的でアグレッシブなサッカーを演じることができていた。結果が出なかったことは残念だが、「確実に選手たちは進歩していると思います」という柱谷監督の言葉通り、チームとしてのクオリティは高まっている様子だ。ここまでの成績が５勝４分６敗と黒星が先行している状況だが、内容が高まっているだけに、ひとついい形で勝つことができれば、勢いに乗ることもできそうである。
さて、そんな両チームの対戦だが、勝敗を分けるポイントとなりそうなのはフィニッシュの部分だろう。どちらのチームもしっかりとボールを動かすスタイルで戦っており、夏場が近づくにつれてそのスタイルが着実に形になってきている。チャンスを作るところまではできているため、それを得点さらには勝利へと結実させる仕上げの部分をいかにうまくやり切るか。「最後のシュートを入れるか入れないか。そういう競技なので。ポゼッションをいくらしても、勝たないとダメ」と柱谷監督は自チームの内容に手応えを感じつつも、厳しく言い切っている。
そうしたなかで札幌は前節にＦＷ陣が得点を挙げての勝利を果たしており、果たしてその勢いを持続できるのかどうか。対する水戸はベテランＦＷ鈴木がこの試合から出場ができる見込みで、同じくＦＷの吉原宏太も怪我から復帰しつつある。勝負の厳しさを知った元日本代表ストライカーが、大きな流れを引き寄せる可能性も十分にあるだろう。
両チームがアグレッシブに攻め合う、白熱したゲームを期待したい。
■この試合注目のCOOL BALLER：宮澤裕樹（札幌）
以上
2011.07.15 Reported by 斉藤宏則
