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【J1:第3節 広島 vs C大阪】レポート:自分たちから崩れ、ホームで完敗を喫した広島。数的不利に陥り、C大阪の迫力をはね返せず。(11.07.11)

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7月10日(日) 2011 J1リーグ戦 第3節
広島 1 - 3 C大阪 (19:04/広島ビ/11,615人)
得点者:2' 李忠成(広島)、33' 倉田秋(C大阪)、49' 清武弘嗣(C大阪)、51' 小松塁(C大阪)
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広島の自滅である。自分たちから崩れていった試合だった。
もっともそれは、試合開始早々にはC大阪側に突きつけられそうな雰囲気だった。試合開始わずか2分、丸橋祐介のバックパスを李忠成にかっさらわれ、強烈にたたき込まれる。さらにその3分後、焦って前に出てくるところを森崎和幸のロンクパスで裏をつかれ、ミキッチのクロスに飛び込んだ李忠成が再び決定的なシュート。ボールはGKキム・ジンヒョンの正面に飛び、C大阪の選手たちは胸をなで下ろした。
ここから、C大阪が前への圧力を加速する。それは、広島側も予測されたこと。ただ、本来の広島であれば、相手のプレスをかわし、すかしながらパスを回し、焦らすことができる。それによって対戦相手は前からのプレスを諦めざるをえなくなる。体力を消耗するだけだからだ。
ところが、この試合の広島にはプレスをいなしきるだけの余裕がなかった。互いの距離感が悪く、パスの出し手と受け手の関係しかなくなって3人目・4人目の関係が生まれないため、ボールを持った選手にとっての選択肢がない。そのため、ボールを自分たちから失う機会が増えた。

この日の試合で広島の選手たちは、対戦相手であるC大阪ではなく、他の誰かと闘っていたように見えた。苛立ちがピッチを支配し、紫の戦士からサッカーを楽しむ心のゆとりを奪っていった。笛が鳴る度に、プレーが止まる度に、選手たちの苛立ちは増していく。
33分、森崎浩司のバックパスを小松塁が猛然と狙う。西川周作もダッシュし交錯したそのこぼれ球を、倉田秋に押し込まれた。小松のプレーがファウルかどうか、その判断は微妙。ただ、広島のミスがなければ、こういう場面は生まれ得なかった。
ではそのミスが生まれた要因は、何か。フィジカルやタクティクスというよりも、メンタルが最大の原因だろう。広島の選手たちは、ピッチの上で冷静さを失っていた。「審判の笛も含め、それがサッカーというゲーム」という中島浩司の言葉を試合中も全員が反芻できればいいのだが、彼らはロボットではなく人間だ。なかなか、理想どおりにはいかない。

39分・41分に森崎和幸が連続して2枚の警告を受けた。今季、広島を牽引してきた背番号8の退場は、そこまで「様々なことがあった」(ペトロヴィッチ監督)中での必然。その動揺がおさまらないまま、またもミスから清武弘嗣のゴールを許し、さらに美しいパス回しで完全に崩されて小松の得点でトドメを刺された。この流れもまた、偶然ではなく必然であった。その後、ムジリ・横竹翔の投入で広島は反撃を試みるも、逃げ切りを図った桜軍団に太刀を浴びせることができなかった。

「前からのプレスは、相手が広島を怖れていることの証明」と中島は言う。本来、前線からのプレスは、その後ろに大きなスペースを与えることになるため、仕掛ける側もリスクがある。しかも、気温27度・湿度76%という酷暑。実際、時間が経つにつれて、C大阪の選手たちの動きは急激に重くなった。スタミナ切れの怖れも顧みず、彼らは試合開始時から前に出たためだ。
そういう危険性を認識しながら、なおかつこの戦術が広島攻略の最善手であるとレヴィー・クルピ監督は決断した。体力面でも戦術面でも難しい選択ではあったが、選手たちは見事にミッションをやり遂げた。マルチネスやホドリゴ・ピンパオンといった主力不在の中でも、チームとして意志統一された質の?い闘いを見せたC大阪の勢いは、間違いなく本物だろう。

広島が自滅した最大の要因はメンタル。だが一方で、つなぐべきところを蹴ってしまう判断やパスの精度、受けた側のファーストタッチなどに問題を抱えていたことも事実だ。G大阪戦や山形戦のように絶妙の距離感を保っていた試合もあれば、大宮戦やこの日のように、難しい状況に陥る場合もある。「(チームが)うまくいっているとは言えない」と李忠成は試合前に語っていたが、それは決して彼だけの証言ではない。
本来なら練習で状態を修正したいところだが、その時間もない。広島サッカーは、繊細なコンビネーションを身上とするだけに、シンプルかつハードな練習の積み重ねによって常に修正を施す必要がある。だが連戦と暑さの影響もあり、本来チームに必要な質・量の練習を積み重ねることができていない。

水曜日、ショックが癒えきれぬまま、首位の柏を相手に森崎和不在で闘わねばならない。広島にとって、今季最大の危機が訪れた。このピンチを全員で乗り切れるかどうか。タイトルを目指す紫戦士たちの真価が、問われる闘いが続く。

■この試合のHOT BALLER:小松塁(C大阪)

以上

2011.07.11 Reported by 中野和也
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