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【J1:第3節 大宮 vs G大阪】レポート:ポゼッションの老舗と発展途上チームの対決は、ともにリードしてからの拙攻で逆転を許し、最後はガンバが試合巧者ぶりを見せての勝利。(11.07.11)

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7月10日(日) 2011 J1リーグ戦 第3節
大宮 2 - 3 G大阪 (19:03/NACK/11,982人)
得点者:5' イグノ(G大阪)、45' 石原直樹(大宮)、59' 石原直樹(大宮)、75' 中澤聡太(G大阪)、77' キムスンヨン(G大阪)
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大宮とガンバのポゼッション対決は、予想通り激しい点の取り合いとなった。試合後の会見場では、勝ったガンバ・西野朗監督は終始苦虫を噛み潰したような顔で「内容はネガティブだった」と吐き捨て、敗れた大宮・鈴木淳監督もいつもの淡々とした表情ながら「満足できる内容ではない」と厳しい口調。両監督が特に不満としたのはシーソーゲームの、お互いに自チームがリードしてからの戦い方だった。

開始5分に先制したガンバは、そのまま25分過ぎまでゲームを支配した。しかし大宮が徐々にペースを取り戻す。それまではガンバの守備ブロックの外でのボール回しが多かった大宮だが、危険なゾーンへの縦パスが通り始め、前半終了直前に上田康太の縦パスを東が触ってつなぎ、石原がいったんボールを下げながら振り向いて左足を一閃し、豪快にガンバゴールに突き刺した。
遠藤は「攻撃的に行って『取られてもまだ同点』という気持ちでやるのか、(引いて)チャンスをうかがうのか、ちょっと曖昧なところがあった」と振り返る。もちろん攻撃サッカーのガンバが、開始5分の先制点を守り切って勝つサッカーを選択するはずがないが、前半をそのまま終えられれば、この日の酷暑を考えるとそのゲームプランも現実味はあった。その意思統一が取れないまま、「ただボールを保持している時間が続いて、悪い取られ方をして相手に攻撃権を与えた」(西野監督)ことが同点ゴールと、西野監督の怒りを呼んだ。

一方の大宮は、後半開始後もペースを保ち、59分にまたもや石原が上田康太からのクロスにアクロバティックなバックヘッドをゴールに流し込んだ。その後も石原のアグレッシブな前線のチェイスからコンパクトな守備ラインを高く保ち、前がかりになったガンバの背後を石原とラファエルが脅かした。この時間帯、NACK5スタジアムを埋めつくした大宮サポーターたちも、ホーム初勝利を確信したに違いない。

ところがその石原が65分に負傷交代すると、様相が一変。前線の動きが減ったことで大宮のDFラインが下がり、ガンバに主導権を渡してしまう。もちろん前線にラファエルと李 天秀を残し、後ろは引いてカウンターをねらうというのも考え方としてはアリだ。しかしそのサッカーは鈴木大宮の目指すところではないし、引いた相手を崩す引き出しと、それでできた隙から一発で仕留める精度もガンバは備えていた。75分、加地亮のオーバーラップに誰もついて行かずフリーでクロスを上げさせ、最終ラインからボールを持ち上がった流れでゴール前に侵入した中澤聡太にフィニッシュさせてしまう。動揺が焦りを生み、その2分後にはカウンターからキム スンヨンに裏へ脱け出され、逆転ゴールを許した。

面白いことに、大宮の選手も「相手がビハインドの場面で前に出てきた時にしっかり守るのか、攻めるのか」(上田康太)の意思統一ができていなかったと、遠藤と同じように振り返る。そして鈴木監督も、「守備で引いてしまったことより、攻撃の仕方に問題があった。怖がってバックパスが多くなり、全体的に下がり、またミスして攻められてしまった」と、西野監督と同じ趣旨のコメントを残した。
再びリードした西野監督は、宇佐美に代えてCBの高木和道を投入し、5バックで逃げ切りを図る。最初のリードを守れなかった選手たちへの、ベンチからのメッセージは明確だったが、試合後の会見でその交代の意図を聞かれて「理由ですか?」と一瞬気色ばんだ辺り、西野監督にとっても不本意な措置だったのだろう。その心中はともかく、大宮が焦りからミスを連発したこともあり、ガンバは指揮官の意図通りにゲームを終え、勝点3を手にした。

広島、ガンバ大阪と、攻撃的なパスサッカーの先達との連戦で、大宮は真っ向からポゼッション勝負を挑み、一つの勝点も手にすることはできなかったが、広島・ペトロヴィッチ監督には「我々は決して相手よりベターではなかった」と言わしめ、西野監督にも苦虫を噛み潰させたことは評価していい。
足りないものは分かっている。「ガンバは1本のクロスで1点を取れる。大宮もその精度を高めていかない限りは得点できない」(鈴木監督)。広島もガンバも、ラストパスの出し手と受け手が相手にとって一番危険な場所を見極めてそこをピンポイントで狙ってくるが、大宮はその狙いがまだまだ曖昧だ。ポゼッションサッカーというのはそのレベルに達して初めて有効になるのかもしれず、一朝一夕で改善できる部分ではないだけに、熟成まで道はまだまだ険しい。

それでも、上田のクロスに石原が飛び込んだ2点目は、まさに相手にとって一番危険なところにピンポイントでねらいが一致した、希望を感じるゴールだった。今シーズンは切り札としてベンチスタートが多かった石原。この日は前線で攻守にわたって起点となり、今季初得点を含む2ゴールを挙げただけに、あのケガは本人も無念だろうが、大宮にとっても実に痛い。鈴木監督はおそらく彼の『代役』という考え方はしないだろうが、どういった選手起用で攻守を構築していくのか、チームの総合力を問われる戦いが続きそうだ。

以上

■この試合のHOT BALLER:石原直樹

2011.07.11 Reported by 芥川和久
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