7月10日(日) 2011 J2リーグ戦 第20節
鳥取 0 - 1 北九州 (18:03/とりスタ/3,390人)
得点者:55' 池元友樹(北九州)
スカパー!再放送 Ch185 7/12(火)後00:30〜
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東日本大震災による中断明け初戦となった8節に北九州のホームで対戦し、鳥取が2-0で勝ってJ2初勝利を挙げているカード。2カ月半ぶりの再戦は、今度はアウェイの北九州が借りを返す勝利を飾った。
前回は鳥取が立ち上がりから主導権を握り、多くのチャンスを作ったが、要因となったのは鳥取の前線からの守備だった。北九州は最終ラインからのビルドアップの際、両サイドバックが高い位置に張り出し、2人のセンターバックの間にボランチの桑原裕義が下がってきて、3人でボールを動かしていく。そうした傾向を読み切っていた鳥取は、そこに狙いを定めて3トップがプレッシャーをかけ、何度もボールを奪ってチャンスを作った。しかし、再現を狙った今回は「高い位置から守備をしたかったけど、うまくはまらなかった。そこがゲームを優位に運べなかった要因」と松田岳夫監督が試合後に語ったように、相手を追い込む動きが空回りしてしまう。
右ウイングで先鋒役の一人となった実信憲明は「相手は3人で(パスを)回す時と、4人で回す時があって、誰が頭(最初にプレッシャーをかけていく選手)になるのか、というところで戸惑いがあった。そこが明確にできていれば、守備もはまったと思う」と振り返ったが、そうした違いに加え、北九州のチーム状態も影響していただろう。桑原が「前回は、確かにプレッシャーもかけられたけど、自分たちでミスをしてしまい、自分で自分の首を絞めた、こちらから崩れてしまった感じだった」と語ったように、当時の北九州は昨年3月以来の未勝利が続いていた。しかし、鳥取戦の翌節に愛媛から久しぶりの勝利を挙げると調子を上げ、自信を深めた現在は、今や上位をうかがおうかという位置につけている。その自信が、桑原が「プレッシャーをかけてくるのは分かった上で、パスをつなごうとしている」と語るチーム戦術の遂行につながっていた。
だが、守備で主導権を握れないながらも、前半の鳥取は何度かチャンスを作った。今季初先発で左ウイングに入った住田貴彦のスペースを突く動きや、ドリブル突破でサイドを崩すものの、パスの乱れや消極的なプレーもあってシュートに持ち込めない。28分には美尾敦のFKを、前回対戦で2得点を挙げた戸川健太がヘッドで中央に折り返したが、詰めてきた加藤秀典と服部年宏が、わずかに間に合わなかった。
一方の北九州も、鳥取の高い位置からのプレッシャーはかわすものの、その先で鳥取の守備網を崩せず、決定機を作ることができない。2トップの一角で躍進を支えてきた長野聡が警告累積のために出場停止で、代わりに入ったレオナルドがスピードを生かして攻め込む場面はあったが、厚みのある攻めが見られたシーンはわずかだった。
鳥取は右サイドバックの丁東浩に代わって尾崎瑛一郎、北九州はセンターバックの宮本亨に代わって川鍋良祐と、負傷による想定外の交代が両チームにあった前半を0-0で終え、迎えた後半、北九州が均衡を破る。55分、鳥取陣内に少し入った位置での美尾のパスをカットすると、冨士祐樹‐森村昂太と素早く縦パスを繰り出し、レオナルドが左サイドのスペースへ。戸川のカバーよりも早くレオナルドが中央へ折り返すと、完全にフリーとなっていた池元友樹が「最高のボールが来たので、決めるだけ」というシュートを難なく決め、鮮やかなショートカウンターでネットを揺らした。
その後は鳥取も反撃に転じようとするが、ボールホルダー以外の動きが止まっていることが多く、横パスをつなぐだけになってしまう場面が頻発。水曜日にアウェイで札幌と対戦して中3日の北九州に対し、鳥取は中7日でコンディションのアドバンテージはあったはずだが、前述の通り、高い位置からプレッシャーをかけていく守備が機能しなかったことで、少しずつスタミナを奪われていた。リードした北九州が落ち着いてパスをつなぐようになると、さらに運動量が落ち、それに比例してミスも目立つようになる。
鳥取は76分、岡野雅行とハメドを同時に投入し、「相手の守備を破壊する、1対1で(相手のマークを)はがせる」(松田監督)2人の突破力に期待をかけた。86分には狙い通りにハメドが右サイドを突破し、ニアサイドに入っていた岡野が、軸足の外側を通すテクニカルなシュートを放ったが、北九州の関光博にクリアされ、最後まで1点を奪えず。守備で主導権を握れなかったことに加え、スローダウンさせられるとシュートまで持ち込めない、攻撃面の課題も露呈し、最近4試合は1分け3敗と失速。松田監督は「いろいろチームを活性化して、次のゲームにうまくつなげていきたい」と語っており、次節に向けては、選手起用やシステムなどに変化が出てくるかもしれない。
北九州にとっては、チームとしてはもちろん、選手個々にとっても、鳥取に借りを返した勝利となった。桑原は前回対戦の前半、自分がマークしていた戸川に先制点を決められていたが、今回は中盤でゲームをコントロールして勝利の立役者の一人となった。決勝点を決めた池元は前回、調子が上がらないまま、前半だけで交代させられた。「ホームで悔しい負けをして、個人的にも悔しかったので、何とか結果を残したいと思っていた」(池元)という熱い思いとは裏腹に、ピッチ上ではあくまでも冷静に、COOL BOOLERとして落ち着いてゴールを決め、リベンジを果たした。
これで北九州は、最近4試合を3勝1分けと好調を持続。首位・千葉と勝点7差の7位に浮上し、今季のJ2をかき回す存在となる可能性を感じさせている。
■この試合注目のCOOL BOOLER:池元友樹(北九州)
以上
2011.07.11 Reported by 石倉利英
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