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【J1:第3節 柏 vs 仙台】レポート:柏と仙台が真っ向からぶつかり合った好ゲームは、澤昌克の決勝弾で柏が劇的な勝利を飾る!(11.07.10)

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7月9日(土) 2011 J1リーグ戦 第3節
柏 1 - 0 仙台 (19:05//10,324人)
得点者:90'+4 澤昌克(柏)
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攻撃の核であるレアンドロ・ドミンゲスを出場停止で欠く中、あの堅い仙台の守備をいかに崩すのかは柏にとって最大のポイントだった。しかも前節のC大阪戦は0−5というまさかの大敗を喫しているため、同時に守備も立て直さなければならない。

したがってネルシーニョ監督は布陣を大幅に変えてこの一戦に挑んだ。「左右に広く揺さぶって、あのように守備の堅いチームを動かす」(ネルシーニョ監督)との意図から、展開力に長け、ミドルパスを得意とする兵働昭弘と、無尽蔵の動きでハードワークができる澤昌克を2列目に置く日本人のみの新布陣を組んだ。ただ、「柏は守備のところから来るだろうと予想していた」という手倉森誠監督は、さらに「我々がボールを持った時には確実に外から攻撃をする」と付け加えたように、柏に対し綿密なプランを立て日立台へ乗り込んだ。

両指揮官の意図が真っ向から噛み合ったかのように、両者は立ち上がりから拮抗した試合を繰り広げる。柏はサイド攻撃のみに固執することなく、北嶋秀朗に縦へのクサビのパスを入れる、あるいは兵働の展開力を生かして揺さぶりをかければ、仙台も梁勇基を起点に巧みにサイドを使い、ボールを奪った後は切れ味鋭いカウンターで柏のゴールへ襲いかかった。25分、梁勇基の際どいシュートシーンはサイドを使ったカウンターから生まれ、32分の澤のヘディングシュートは、兵働のサイドチェンジから逆サイドの橋本和がクロスを放ったものだった。前半のシュート数は互いに2本ずつと、ともに相手の堅いブロックをどう崩すのか、そんな展開が続いた。

後半の立ち上がりは仙台に流れが傾く。3分に柳沢敦がDFの背後へ抜け出す。柏DF酒井宏樹が決死のクリアでゴールには至らなかったが、その直後のコーナーキックでも柳沢のヘッドが柏ゴールポストをかすめる。そして手倉森監督は、57分に関口訓充を投入し、「相手のサイドが空いてきたからそこを攻めてほしい」と勝負に出た。
一方の柏は、やはりレアンドロ・ドミンゲスの不在が影響してか、攻撃の形を見出せず、前線へのフィードが増え始める。流れを変えるため、69分に水野晃樹という個の力を持つ選手を送り込むネルシーニョ監督。しかし、「ラインを下げるのが早い」「サイドバックが絞ってくるので隙間がない」と田中順也が振り返ったとおり、仙台の守備ブロックには破綻の気配はなく、クロスボールが2度ほどバーを叩く場面こそあったものの、柏が意図的に作り上げたチャンスは31分に田中が仙台DFに囲まれながら突破を図り、左足シュートを狙った場面ぐらいだろうか。
柏GK菅野孝憲に好セーブが飛び出せば、仙台GK林卓人もクロスボールの対処と飛び出しのタイミングが良く、両者攻撃の構築では若干ミスは見られたが、守備面ではボランチ、最終ラインを含めて集中を切らさない。まさしく一進一退の攻防。ピンと張り詰めた緊張感が漂い、その緊張をほんのわずかでも切らした方がゲームを落とす、そんな雰囲気を感じさせた。

梁勇基は「3人で見合ってしまいカウンターを受けてしまった」と、そのプレーを「ミスだ」と悔やんだ。つまり、仙台にしてみれば、それまで保ち続けた緊張がわずかに途絶えた一瞬の隙だったのかもしれない。ただし、柏にとっては「僕たちの方が勝ちたいという気持ちが強かった」(酒井)という表れなのだろう。後半アディショナルタイム、菅野のクリアボールがピッチ中央、仙台の3選手の真ん中にポトリと落ちると、仙台の波状攻撃が察した日立台のスタンドからは溜息が漏れた。だが、そのボールに対し、前線から戻って必死に守備をしたのは北嶋である。ルーズボールを水野が拾い、「キタジさん(北嶋)がああいうプレーをしたから僕も足が動いた」という酒井は右サイドを駆け上がり、水野からパスを受けた。田中、北嶋、澤がゴール前へなだれ込む。抜群の距離間を維持していた仙台の守備組織が、この時だけはバランスが崩れ、ゴール前でのマーキングがルーズになった。そして酒井のファーへのクロスを、澤がヘッドで合わせてネットを揺らす。昨年12月に誕生した長男に捧げる親指をくわえた“おしゃぶりポーズ”で喜びを表現する澤。このゴールからおよそ1分30秒後、試合終了を告げるレフェリーの笛が鳴り響き、勝鬨の波がうなりを上げて日立台を飲み込んだ。
以前の柏ならば、前節のようなショックな敗戦を喫した後はズルズルと下降線を辿ることが多かったのだが、「大敗を無駄にはしない」(菅野)との言葉どおり、あのショックから立ち直り、それをすぐに生かせるあたりはチームの成長を多いに感じる部分でもある。
また、「痛い時間帯の失点だったし、悔しい」と敗れた仙台・手倉森監督は本音を露わにした。しかし、仙台の持ち味も十分に発揮された試合であり、この敗戦で彼らの評価が下がることはまずありえない。それどころか、柏の選手たちが「仙台の守備は本当に堅い」と舌を巻き、勝利を喜びつつも今月末に控えるアウェイでの2連戦に向けて気を引き締めたように「仙台強し」というイメージは選手のみならず、柏サポーターにも強く焼き付いたのは間違いない。柏と仙台が、ともに強い気持ちを持ち、互いに正面からぶつかり合ったゆえに生まれた好ゲームだった。

■この試合のHOT BALLER:澤昌克(柏)

以上

2011.07.10 Reported by 鈴木潤
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