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【J2:第20節 千葉 vs 熊本】レポート:高い守備意識を組織として見事に体現した熊本。千葉は攻撃の組織としての完成度や柔軟性が足りず、追いつくだけで終わる。(11.07.10)

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7月9日(土) 2011 J2リーグ戦 第20節
千葉 1 - 1 熊本 (19:03/フクアリ/9,646人)
得点者:5' 長沢駿(熊本)、9' 竹内彬(千葉)
スカパー!再放送 Ch181 7/10(日)後02:30〜
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今節は、前節(第19節)終了時に東京Vと並んでJ2リーグ最多の26得点の千葉の攻撃力と、J2リーグ最少の9失点の熊本の守備力の対決だった。ただ、千葉の得点奪取は例えばFW深井正樹のゴールのように個の能力の高さが目立ったのに比べ、熊本の失点阻止は一対一の局面の個の強さもあるにしても組織力の強さが大きいと思う。今節の内容と結果には、千葉の攻撃と熊本の守備のチームとしての完成度の高さの差が出ていた。

千葉は、体調不良のMFファン ゲッセルが試合メンバーから外れ、右サイドハーフでの出場が続いていたMF伊藤大介がダブルボランチの一角に戻り、右サイドハーフにFW林丈統が入った。熊本は、MFエジミウソン(ポジションはボランチ)とFW長沢駿(ポジションは2トップの一角)がスタメンに戻り、MF原田拓を左サイドバックに戻した。ただし、最近の布陣とは違い、中盤の形はトップ下を置いてワンボランチのダイヤモンドではなく、ダブルボランチのボックス。千葉のFWオーロイにロングボールが入った後のこぼれ球に対応し、「真ん中をしっかり閉じる」(熊本のDF福王忠世)守備のためだった。

それ以外にも熊本の高木琢也監督は随所に対千葉策を講じてきた。後半に千葉サポーター側のゴールに向かって攻める時の千葉の迫力やスタジアムの盛り上がりを警戒してか、千葉が第2節で対戦した湘南と同様に前半キックオフ時のエンドをホーム側にした。この試合の最初のCKでは、キッカーの原田が千葉のオーロイの前(ニアサイド)にボールを入れ、長沢がオーロイの背後から前に走り込んでヘディングシュート。今季の千葉の失点シーンの再現のように熊本が先制点をゲットした。また、FW深井正樹を基本的にはDF市村篤司が、そして深井同様にドリブルが得意な林にも対面の選手が「試合中に深井とも話したけど、仕掛けにくい間合い」(林)でマークした。ただし、深井がスペースに突破できなかった分、第14節で何度も攻め上がりを見せた市村のオーバーラップも少なかった。

同点に追いつくまで時間がかかると、千葉には焦りが出て熊本の思うつぼにはまる可能性が高かった。だが、失点のわずか4分後に千葉がゴールを奪う。ゴール正面のミドルレンジのFKを林が蹴り、無回転のブレ球シュートを熊本のGK南雄太がセーブしたが前に弾いてしまう。こぼれ球にいち早く反応したのは千葉のDFの竹内彬とマーク ミリガン、オーロイの3人。熊本の選手の出足は遅く、竹内は難なくボールをゴールに蹴り込んだ。

それでも、千葉が同点にした勢いで逆転ゴールを奪えず、前半はむしろ熊本が優勢だったのは、熊本が高い守備意識を組織として体現できたからだ。熊本は千葉にサイド深くまでは突破させず、伊藤のスルーパスを守備網にかけた。この組織守備への貢献度がひときわ高かったのがMFエジミウソンだった。豊富な運動量と読みのうまさで、危険になりそうなゾーンやDFが動いたあとのスペースをカバーし、前に出てくる千葉の選手をマークした。MF片山奨典が2度の警告で退場したあと、熊本は守備になると長沢を1人前に残し、DFの4人、それ以外の4人が2ラインを作って中央を固めた。フクダ電子アリーナの記者席はアウェイ側ゴールに近いのだが、筆者の目の前の2ラインは綺麗で見事だった。

千葉はドワイト監督の指示通りにサイドからボールを入れ続けたが、決定機は南の好守にも阻まれて逆転ゴールは奪えなかった。試合後にDF青木良太が攻撃面で「ワンランク上に行くために」と中央からの攻撃とミドルシュートの必要性を語ったが、千葉には組織守備を崩す組織攻撃を状況に応じて柔軟にできるようになることが求められる。

■この試合のCOOL BALLER:エジミウソン(熊本)

以上

2011.07.10 Reported by 赤沼圭子
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