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リーグ序盤で苦しんだ名古屋だが、ここ８試合で負けなしと好調を続け、現在は８位と好位置をキープしている。ただ、GK楢崎正剛が前々節の浦和戦でケガを負い、小川佳純と玉田圭司も前節の仙台戦では痛みを押しておしての出場と不安材料がない訳ではない。とはいえ、ロンドンオリンピック２次予選の疲れが見えたU-22日本代表の永井謙佑が復調するなど、選手層の厚い名古屋がチームバランスを崩すことはなさそう。現在６得点のFWケネディを軸に、玉田、小川、藤本淳吾が絡む多彩な攻撃は試合を追う毎に精度を増している。ゴールを奪われても奪い返せる今の名古屋に勝つのは、どのチームにとっても至難の業だろう。
そんな好調の名古屋とは違い、７戦未勝利と苦しんでいるのが神戸だ。前節の磐田戦では不運もあったが０−３の大敗。しかも、センターバックの河本裕之が鼻骨骨折を負うアクシデントまで起こった。フェイスガードを装着しての試合出場は可能とのことだが、視野が狭まるなど多少の影響はありそうだ。
とはいえ、前節の磐田戦もしかり、ここ数試合で完全に最終ラインを崩されたシーンは少ない。勝機を逃している原因は、決定力だ。２試合連続でビッグチャンスをバーに嫌われた左サイドハーフの小川慶治朗は「僕が外して負けている。でも、（ゴールの）イメージはつかめて来た。そろそろ決めないといけない」と反省を口にする。だが、裏へ抜けるスピードやタイミングの良さで、相手チームの脅威となっているのも小川である。特に今節の名古屋戦では、神戸生え抜きの18歳が勝敗のカギを握る可能性は高い。
というのも、名古屋の唯一のウィークポイントと言えるのが、相手カウンターへの対応だからだ。前節の仙台戦で先制点を許した場面も唯一とも速いカウンターからの失点。敵陣で枚数をかけてポゼッションする名古屋のスタイルは、ボールを奪われた後の対応にほんの一瞬だけ隙が生まれる。神戸としては、ボールを奪ってすぐに２トップの吉田孝行や大久保嘉人にボールを預け、シンプルにはたいて小川が裏へ抜けるような展開が理想。このパターンが次々と生まれれば、神戸のペースになるはず。つまり、小川のスピードがキーになる。
また、小川にとってはこの名古屋戦と次節のアウェイＧ大阪戦は結果を残しておきたい試合でもある。７月４日に新加入したDF相馬崇人（元コットブス＜ドイツ２部＞）とポジションが重なる可能性があるからだ。相馬が試合に出られるのは選手登録の関係で16日のC大阪戦以降。和田昌裕監督が「（相馬を）左サイドバックなのか、（小川と同じポジションの）もう一つ前なのかはまだ考えていない」と語っている以上、小川にとってこの２試合は結果が必要になるだろう。本人も「ライバルが増えた。でも、負ける訳にはいかない」と重要性を認識。08年以来６試合連続で負けている難敵・名古屋戦で今季初ゴール、そして勝利に導けば、最高のアピールとなるに違いない。
■この試合注目のHOT BALLER：小川慶治朗（神戸）
以上
2011.07.08 Reported by 白井邦彦
