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【J2:第20節 水戸 vs 横浜FC】プレビュー:「向上心の塊」の水戸。前節の劇的勝利の勢いに乗って連勝を目指す。横浜FCは再び水戸で“きっかけ”をつかむことができるか。(11.07.08)

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7月9日(土)J2 第20節 水戸 vs 横浜FC(18:00KICK OFF/Ksスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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「僕の中では3歩進んで2歩下がるイメージ」。柱谷哲二監督はこれまでの水戸の歩みをそう評す。「着実に選手たちは成長しています。大敗したり、逆転負けしたり悔しい思いをして後退はするんだけど、それを糧にさらに大きな成長を遂げている。結果、1歩ずつちゃんと進んでいるんです」。

まさにその言葉通りの歩みを水戸はしてきた。第14節鳥栖戦で0対5の大敗を喫した後、チームは日々のトレーニングから常に高い意識を持って取り組むことができるようになり、ハードワークや球際の強さなど「気持ちの部分」で相手を凌駕することができるようになった。また、前々節東京V戦では2点を先制しながらも、3点を入れられるという屈辱の逆転負けを喫した。しかし、前節草津戦では1点のリードを追い付かれながらも、終了間際に決勝点を挙げて劇的な勝利をおさめた。「鳥栖戦と東京V戦での負けはこれからずっと先まで生かしていかないといけない」と村田翔が力を込めるように、選手1人1人が1つの敗戦をとことんまで突き詰めており、「同じ失敗をしてはいけない」(村田)という強い気持ちで戦うことができている。選手たちのそうした思いがチームの成長につながっているのだ。

しかし、満足している空気はない。「僕らは向上心の塊のチームだから」(村田)。今週も各所で火花が散るような激しい内容のトレーニングが行われていた。前節劇的な勝利をしたといえども、内容に課題がなかったわけではない。「もっと自分たちでポゼッションできないといけないし、ゲームコントロールもできるようにならないといけない」(柱谷監督)。草津戦、1点リードしてから、相手の勢いに飲みこまれるように劣勢の展開を強いられた。なんとか粘り強い守備で耐えることができたが、チームとしてもっといい戦い方があったのではないかということをチームは追い求めている。「リードした展開で、どうやって戦うのかなどプロとしての駆け引きを覚えてもらいたい。僕からも指示を出すけど、選手たちが自らアクションを起こして、方向性をピッチで示せと言っている」(柱谷監督)。前節は、システムを4-1-4-1に変更し、そして勝負どころでロメロ・フランクを投入した柱谷監督の采配がチームに勝点3をもたらした。今節は次のステップとして、流れの中で選手たちが判断して、駆け引きで勝つことが求められる。

今節対戦する横浜FCは18位と低迷しているものの、「個の力はすごい」と柱谷監督が言うように、決して下位に甘んじているチームではない。この試合でもボールを支配される時間は多くなることだろう。特に気をつけたいのは相手の左サイド。藤田祥史と野崎陽介とが繰り出すサイドアタックは強烈である。同サイドでの攻防がカギを握ることとなりそうだが、水戸は対峙する右サイドバックの岡田佑樹が前節の負傷により、欠場が濃厚。代わりには小池純輝が入ることとなりそうだ。しかし、小池は攻撃力には長けるが、守備力に不安を残す。右MFで先発濃厚な小澤司も、またしかりである。チーム全体でいかに守備をカバーし、そして彼らの攻撃力を生かすことができるか。小池の攻め上がる回数がチームの状態を示すバロメーターとなるだろう。

現在、水戸は5勝4分5敗の五分で、12位につけている。この試合で勝てば、白星先行となり、一桁順位に入る可能性がある。「常に緊張感のあるところで戦って、はじめて選手の成長がある」と柱谷監督が言うように、この試合の結果が、今後を大きく左右することとなりそうだ。「もっともっとうまくなりたいという強い気持ちを持って取り組んでいる」と小池は力を込める。そのためにもこの試合で勝利が重要なことは言うまでもない。「この試合で勝たなくては、前節の勝利の意味がなくなる。絶対に勝たないといけない試合」(村田)。いつも通り鼻息荒く、この一戦に挑む。
現在2連敗中の横浜FC。6月には浮上の兆しを見せたものの、再び低空飛行に入ってしまった。「まだ水戸みたいに(チームとしての戦い方が)固まっていない」と岸野靖之監督は、なかなかうまくいかないチーム作りに頭を悩ましている。
戦術、技術、戦略。いろんな問題がチームには混在している。ただ、こういう状況だからこそ「横浜FCが目指すサッカーは何なのか」という原点に立ち返るべきだろう。「90分走りまわって点を取るということが理想」と岸野監督が言うように、まずは走る量で水戸を勝りたいところだ。

そのためには強いメンタリティーが必要となってくる。7日の練習で行われた紅白戦、チームには低調な雰囲気が漂っていた。簡単なミスを繰り返すなど、実に内容の薄いものとなっていた。練習中、怒鳴り声をあげていたのはGKのシュナイダー潤之介だけであった。「いつもはあまり怒らないようにしているんだけど、今日は本当に怒ってしまった。ミスをするのは仕方ない。でも、それはカバーする動きが全くなかった。それではサッカーにならない。横浜FCのサッカーとは何なのか。みんなで走りまわって、助け合うサッカーでしょ?それができていない今の状況はかなり厳しいと思います」とシュナイダーは険しい表情を見せた。

果たして現在の状況を「悔しい」と本気で思っている選手がどれぐらいいるか。そこが大きな問題となってくるだろう。この状況を覆すためにも、今まで以上の汗を流さないといけない。それをいかにピッチで表現することができるか。今の横浜FCに足りないものはそこに尽きる。選手たちのいまだかつてないほどの奮起に期待したい。
ただ、横浜FCには、これまで水戸と対戦していくつもの殻を破ってきた過去がある。06年、それまで一度も勝てなかった笠松陸上競技場で勝利して、J1昇格へのラストスパートをかけることができた。そして09年、開幕から9戦目にして初勝利を挙げた相手も水戸であった。過去の歴史を見て“きっかけ”が水戸にある場合が多いのだ。

思い出したいのは08年第44節の難波宏明のゴール。必死にGKにプレスをかけて、GKのキックを体に当ててゴールに押し込んだ。今の横浜FCには内容よりも、そうした泥臭さが必要なのではないだろうか。戦術や技術にとらわれすぎることなく、相手を圧倒する活力を見せるサッカー。それが岸野サッカーのはずだ。苦しい状況だからこそ、チームの原点を思い出したい。再び水戸の地で“きっかけ”をつかむことができるか。

■この試合注目のCOOL BALLER:小池純輝(水戸)

以上

2011.07.08 Reported by 佐藤拓也
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