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【J1:第3節 山形 vs 浦和】レポート:両チームの守備の踏ん張りと攻撃面の課題をそのまま反映したスコアレスドロー。山形は3連敗で脱し、浦和は3戦連続のドローに終わる(11.07.07)

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7月6日(水) 2011 J1リーグ戦 第3節
山形 0 - 0 浦和 (19:04/NDスタ/8,303人)
スカパー!再放送 Ch180 7/7(木)後05:00〜
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17位と15位。下位に低迷する両チームの対戦はスコアレスドローに終わった。ただし、この勝点1は、少し違う意味をそれぞれに与えていた。  

探し続けた兆しを見つけたのはホームの山形。船山祐二の負傷などで前節から先発を4人入れ替え、うち2人が今季初先発、ほかの2人も久しぶりの先発。それでも、「チームの約束事というのはしっかりしている」(石川竜也)だけに、あとはそれをいかに一人一人が忠実に遂行していけるかがカギだった。相手をシュート7本に抑えての無失点は、それができたことを示している。ポジションからボールに出る守備は前線から連動し、タイミングよくアプローチすることで多くのパスミスを誘った。中央を閉じたことで自然、両サイドにはスペースができ、特に右サイドを原口元気のドリブルや、2対2からオーバーラップした平川忠亮にクロスを入れられる場面はあったが、園田拓也が最後まで食らいつき、中央では石井秀典と西河翔吾の両センターバックがマークする相手を上回る集中力で跳ね返した。味方のパスミスでピンチになっても早い切り換えであっと言う間に守備の人数が戻り、リスク管理の意識も高かった。「今日のゲームは、個じゃなくて、サッカーとしてグループだったりチームのほうが(総合力は)増すんだということを選手には言っていた。そこを表現するゲームだ」という小林伸二監督の思いを、選手も体現していた。  

その無失点を最後方から支えたのは、リーグ戦で今季初出場となった清水健太だった。昨年までの絶対的な守護神も、今季は植草裕樹にポジションを奪われる形となって、「個人的にはすごくネガティブな時期を過ごしていた」が、「当たり前にトレーニングができて、いい準備をしているという報告を随分前から聞いていた」と起用した小林監督の期待に、無失点という結果で応えた。直接シュートを防ぐ見せ場はほとんどなかったものの、「みんなすごいバテバテというかアップアップな状況だった」と察知すると、ボールデッドになったときに「時間を使えるだけ使って落ち着かせるようにはしてました」と細かい気配りでチームをコントロールした。  

自陣で決定的な形を山形以上につくられた浦和で、最後の砦となったのが加藤順大だ。最大の見せ場は44分のシーン。山形が右からボールをつなぎ、伊東俊とほぼ1対1で対峙したピンチでも慌てず、シュートコースを読み切ってしっかりとキャッチ。57分にも下村東美の枠いっぱいのシュートに反応し、コーナーキックに逃れた。さらに、山形のリスタートへの備えも万全だった。「石川さんがすごいいいボールを蹴ることもわかっていましたし、キーパーが出られるところというのは基本的に出て、危ないところを未然に防ごうという、自分のなかでの気持ちというのはあった。その点については積極的に行けたのではないかなと思う」と、石川のキックと大久保哲哉の高さに対して、スピラノビッチとカバーし合いながら確実なキャッチでマイボールを増やし、的確なフィードで攻撃の起点にもなった。他のフィールドプレーヤーも最後のところで体を張り、3試合ぶりの無失点に貢献した。  

しかし、前節でG大阪に20本のシュートを浴びせた攻撃陣も、この試合では不発に終わる。高崎寛之、マゾーラ、梅崎司とチームをパワーアップさせる交代を施した後半も、十分な効果を上げることはできなかった。「一番残念なのは、この2、3試合いい試合をしているなかで、このような悪い内容になったということ。特に前の試合非常にいい戦い方をしたので自信をもって今日の試合に挑めたのですが、非常に残念です」。見えていた兆しがまたも遠のいたことで、ペトロヴィッチ監督の落胆は大きかった。無得点に終わった結果を、「試合のなかで、選手たちが自分のポジションを離れてあっちこっち移動してチームがバラバラになって、相手が簡単にディフェンスができてしまったというのがやはり原因ではないか」と分析を加えたが、この能力を生かすことと、ディシプリンを保つこと。その2つをどのように舵取りできるか。浮上のカギはそこにありそうだ。

「しっかり守れた、逞しく守れたというところがあった。今日のようなゲームで勝点1を拾っていく、今日のようなゲームをしていくとたぶん点が取れるようになっていくんです。慌てないし、バタつかない。でも、どうしても先行されるとやっぱり厳しいのが現状だと思います。いかに先取点を取っていくかっていうところになると思います。そういう意味では、前を向いた勝点1だと思います」 
小林監督は抑えるべくして無失点に抑えた守備の手ごたえを口にする。継続していくべきベースにようやく落ち着けたが、状況は予断を許さない。このところ、1試合にひとりをけがで失うペースが続き、前節のけがで船山佑二も離脱しているが、この試合では廣瀬、伊東が負傷交代。試合日程が詰まっている時期に、攻撃のポテンシャルを引き上げてきた両翼を同時に失うことになった。試練は続く。されどこのチームには、それを乗り越えようとする覚悟も備わっている。

以上

■この試合のHOT BALLER:加藤順大選手(浦和)

2011.07.07 Reported by 佐藤円
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