7月6日(水)J1 第3節 山形 vs 浦和(19:00KICK OFF/NDスタ)
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リーグ戦では今季初の対戦となるが、リーグ中断中の4月のトレーニングゲーム、6月のヤマザキナビスコカップとすでに2度対戦している。いずれも埼スタで行われたその2試合は、浦和がそれぞれ3-0、2-0と勝利している。今回は17位・山形が、ホームに15位・浦和を迎える。すでに週末のNDスタは他のイベントにより押さえられ、変更も不可能だったため、水曜開催となる。引き分け数の違いが勝点5差を生んでいるが、ともにまだ2勝。勝ちきれないチーム同士が、浮上のきっかけとしてぜひとも欲しい3勝目をめざす。
山形は前節、新潟に0-2で敗れ、今季2度目の3連敗。負け数も二桁に達した。試合前日に宮本卓也が負傷するアクシデントがあり、守備の連携面で少なからぬ影響があったことは否めない。前々節の横浜FM戦では前後半とも終盤に失点しての2失点だったが、新潟戦では前後半とも早い時間の2失点。石川竜也が後半途中から出場し、ゴール前へ精度の高いボールを供給したがゴールは奪えなかった。攻撃力がないからこそ必要な「前半で失点0」のプランがなかなか達成できず、先に失点し追いかける展開となってはやはり苦しい。「メンタルなところじゃなくて具体的に、パワーがある人に付いて帰るとか、クロスの守備とか、そういった問題のところが見つかってるのでそれを埋めていくしかない」(小林伸二監督)。細部にも集中力を宿し、ゴールを死守した先に光が見えてくる。
浦和は3節前の福岡戦で3-0と快勝したあと、名古屋戦、G大阪戦では先制を許すものの、そこからの粘り腰でドローに追いついている。特にG大阪戦に関しては、ペトロヴィッチ監督が「全体を通して素晴らしい試合だった」と自賛するほどの出来。得点源のエジミウソンが移籍したが、新たにチャンスをつかんだ原一樹が田中達也とともに運動量を確保。原口元気が左から入れるくさびに一人がワンタッチではたき、もう一人が絡んでシュート態勢に入るなど、コンビネーションを使ったフィニッシュシーンも増えている。マルシオ リシャルデスが守備に奔走する時間も多かったが、追加点を許さなかったことが同点につながった。しかし、「正直、今日は勝てるゲームだったと思うし、残念な気持ち。お互いチャンスはあったと思うけど、あれだけチャンスがあったら決めないといけないし、それが課題だと思う」と原口が言うとおり、シュートチャンスをいかに得点に結びつけるかが勝利へのタスクとなる。
中盤でも駆け引きが展開されそうだが、より激しく火花が散るのはサイドの攻防になるだろう。山形は宮本の負傷により、小林亮を右に移すことも考えられるが、「攻撃は思い切りがよく、溌剌しててよかった」(小林監督)という前節を評価し、さらにセットプレーでの高さということも考え、園田拓也をそのまま右サイドバックで起用する案が有力。ただし、中3日で十分に修正する時間は少ないだけに、連携面では不安が残る。センターバックは2トップへの対応で手が空く時間が少ないだけに、ドリブルで中へ入り込む原口に対してどこまで付き、どこで受け渡すのか、瞬時の判断が迫られる。浦和としては、逆サイドから中へ入るマルシオ リシャルデスの自由な動きでさらに山形の混乱を誘ってもおもしろい。
ピッチの対角に目を向ける。浦和の高橋峻希のアップダウンと精度の高いクロスは得点のにおいを感じさせるものだ。ただし、ボランチも攻撃のサポートで高い位置を取るだけに、攻守が切り替わった直後はカバーが十分ではない。また、前節でG大阪の宇佐美貴史にそうしたように、チーム戦術で左サイドの選手を中央まで深追いしポジションを空ける傾向がある。その結果、左から攻められた際、ボールサイドにスライドした状態でファーサイドへクロスを入れられると、スピラノビッチの奥に大きなスペースが空いているケースも多い。山形の左サイドハーフ・伊東俊は攻撃に切り替わった瞬間は広がるが、ボールを持って中に入るプレーも得意とするだけに、高橋を食いつかせて空いたスペースにフォワードの太田徹郎を走らせるなど、山形は連動したプレーでボックスへの進入を図りたい。
ポゼッションにせよ、カウンターにせよ、相手陣内で有効な攻撃を繰り出せば、自然とセットプレーの機会も増える。山形・石川、浦和・マルシオ リシャルデスと双方が質の高いキッカーを抱えるだけに、リスタートの攻防も見逃せない。
■この試合注目のHOT BALLER:太田徹郎(山形)
以上
2011.07.05 Reported by 佐藤円
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