7月2日(土) 2011 J2リーグ戦 第19節
F東京 3 - 0 鳥取 (18:34/味スタ/16,337人)
得点者:59' ロベルトセザー(F東京)、67' 高橋秀人(F東京)、89' 森重真人(F東京)
スカパー!再放送 Ch181 7/4(月)後06:00〜
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F東京が鳥取と対戦し、3−0で快勝した。5連勝を飾ったF東京は、2位の栃木と勝点差で並び、いよいよ首位戦線へと参入する。踊るパスサッカーは、味スタに帰ってきた。
F東京は開始からゲームを支配した。「3連戦の3ゲーム目ということで、フィジカル的な問題がゲームに影響したと思います」と、鳥取の松田岳夫監督。鳥取は前線からのプレスを仕掛けるも、軽快なボールの動きに付いていけず、時間の経過とともに体力を削がれていった。それでも、前半はチーム全体をコンパクトに保ち、前線がプレスバックして耐え抜き0−0で折り返した。
後半、ゲームが動く。左サイドで直接FKを奪うと、素早くリスタート。羽生直剛が左サイドを抜け出し、中央へとボールを送った。ロベルト セザーがそれに反応し、右足を合わせる。「久しぶりのゴールだったし、子どもが見ている前で決められてよかった。きっとまだ何が起こっているのかはまだ分からないだろうけどね」。ボールがゴールに入ると、セザーは右手親指を口に加えて、今春誕生した、愛息のブレーノくんにゴールを捧げた。
そして、セザーの得点を口火に、味スタを彩る花火が連発した。高橋秀人が67分、相手陣内でボールを奪い、そのまま運ぶと右足を振り抜いてゴールネットを揺らす。さらに、終了間際の89分には右CKから森重真人が頭で合わせてダメ押しとなる3点目。鳥取を圧倒して勝点3を奪った。
鳥取は72分、ハメドと、阿部祐大朗を投入して前線を活性化させようとしたが、勢いに乗るF東京はそれを寄せ付けず。シュートを散発の4本に抑え込んで完封した。鳥取のチーム全体をコンパクトにし、スペースを与えないサッカーは前半まで機能していた。奪ってからの鋭いカウンターでゴール前まで攻め入る場面も作った。ただ、マイボールにしてもパスミスが多く、そこからボールを繋いで自分たちの時間を確保することができていなかった。夏場は、守備の時間が長くなれば、それだけ体力を浪費してしまう。いたずらに走り続けて最後はF東京に思うようなサッカーをやらせてしまった。「まだまだ足りないことが多い」と、松田監督が振り返ったように、整備された守備戦術の上に何を積み上げるかが今後の課題となるだろう。
羽生が「なんとなく掴んできた」と振り返った、F東京は勝利の味を完全に思い出した。開始からパスで相手を動かし、後半一気に畳み掛ける。そうした自分たちの時間の活用法も、チームに浸透してきた。オープンな攻撃サッカーを展開した原東京。そして、ポジションにこだわり、パスを繋ぐ文化を定着させた城福東京を経て、今、「これがFC東京」というサッカーを確立した。大熊清監督が提言する攻守の切り替えの速さが積み上がったF東京は強い。「楽しいサッカーをするために守備の時間を短くしたい」。その思いがあるから、選手はボールを奪いに行く。できれば、このサッカーをもっとたくさんの人に見てもらいたい。「一人が誰かの手を繋いでスタジアムへ連れてきて欲しい。そのために俺たちももっと頑張らなければいけない」と言う大熊監督。きっと損はさせない。「後半はもっと面白くなるよ」と、ハーフタイムでの会話も盛り上がるはずだ。この日、観戦に訪れた長友佑都も「熱く戦った思い出が蘇ってきた」と語るサッカーが味スタにはある。まだまだ詰めなければいけないところもある。守備に切り替わった瞬間のポジショニングの意識や、ボールの逃げ場所をサイドバック以外にも2つ、3つ欲しいところ。しかし、J1への帰り道は、確実に広がりつつある。後は、自分たちの足で駆け抜けていくだけだ。この夏、まだまだF東京のサッカーは面白くなる。味スタは、きっと誰かを誘いたくなる空間に変わっていく。
■この試合のCOOL BALLER:ロベルト セザー(F東京)
以上
2011.07.03 Reported by 馬場康平
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