7月2日(土) 2011 J2リーグ戦 第19節
横浜FC 0 - 1 徳島 (18:03/ニッパ球/3,048人)
得点者:43' 津田知宏(徳島)
スカパー!再放送 Ch183 7/3(日)後01:00〜
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シーズンも中盤になると、各チームとも完成度が上がってくるとともに、勝点3の行方を分けるポイントがゲームのディテールに移っていく。横浜FC・岸野靖之監督が語った「ちょっとした集中力、勝負へのこだわり」という部分であるが、この試合も内容としては拮抗しながら、試合運びに自信を持つ徳島がディテールで上回ることで、確実に勝利を挙げることに成功した。
3連戦の最後の試合。横浜FC、徳島ともに長距離移動からの中2日の試合ということで、フレッシュなメンバーに入れ替えて試合に臨んだ。しかし、コンディションを考慮した部分もあったか、前半は大きな動きがない流れで展開する。プレッシングからの守備でリズムを作りたい横浜FCに対して、徳島は浮き球を混ぜながら、いなすようなボールの動かし方で横浜FCに守備の的を作らせないようにする。一方で、横浜FCの高いディフェンスラインに対して、徳島は佐藤晃大と津田知宏で裏を狙う仕掛けを見せるが、横浜FCのDFラインも巧妙な駆け引きを続けて裏を取らせないようにする。この流れで前半は膠着状態に陥るが、前半無失点で行くというゲームプランからすれば、妥当な展開だと言えた。
しかし、43分試合は動く。徳島のロングスローが2本続いた2本目。ボールは佐藤晃大に入ると、そのまま入れ替わってシュートを放つ。シュートはクロスバーを叩くが、その跳ね返りに津田が飛び込みネットを揺らす。横浜FCから見れば「ロングスローに対しては2人で挟まないといけないし、最悪後ろに戻させないといけない」(中野洋司)と悔やまれる一方、津田が「今日は動きが重い分、こぼれ球に関しては集中して狙っていた」と振り返るように、徳島は勝負どころでの集中力を発揮。セットプレーというディテールでの差が出た先制点となった。
横浜FCは後半開始から、前半なかなか作れなかった中盤でのボールの起点と作るために佐藤謙介を投入。さらに、前半動き出しのタイミングがつかめなかった宮崎智彦を高い位置でプレーさせるようにチーム全体で動くと、ようやく攻撃の糸口を見つけ出すようになる。しかし、ここでエリゼウを中心とした徳島の守備陣がその狙いを封じる。時には、ラインを大きく下げてでもゴールの前に壁を作り、横浜FCの攻撃を遮断。後半途中からは、美濃部直彦監督が「DF1枚に、攻撃的選手を1枚付けてきた」と語るように横浜FCは攻撃的布陣を引き、サイドからのクロスや中央突破など、ここ数試合見せてきた猛攻をこの試合でも見せるが、徳島守備陣は冷静に凌ぎ切り、そのまま試合終了の笛を聞くこととなった。
横浜FCにとっては、先制されることで勢いを失うという悪癖はなくなったものの、内容が拮抗していただけに、最近の徳島の戦い方から考えて絶対に与えてはいけない先制点を、集中力の欠如から与えてしまった点が大きな反省点となった。さらに、徳島のような固い相手に対して、「先制されずに先制する」ことを達成するために、どのように戦うのか。「後半のような戦いを、前半からできていれば」と西田剛は悔やんだが、まずは無失点で行くのか、それとも先制点を積極的に奪いにいくのか。今後上昇するために、戦い方の駆け引きという点での思い切りが必要となってくるだろう。ビハインドでもゴールを奪う姿勢は見えているだけに、シーズン序盤のように下を向く必要はない。ゲームを勝つための戦い方の精度向上が大事になる。
一方、徳島から見れば、スケジュールの厳しいアウェイの連戦で連勝できたことが非常に大きい。内容の点では相手を上回れたわけではないが、そういう試合で、したたかに勝点3を奪うことができたという点で、4位にいるチームにふさわしいゲームだったと言える。この2連戦は、チームに大きな自信を与えることは間違いなく、夏にかけても大崩れしないのではないか。また、特筆すべきはエリゼウを中心とした守備陣の集中力だ。この試合のCOOL BALLERには、カイオとのマッチアップに完勝したエリゼウを挙げたい。
内容が悪くても確実に勝点3を拾うしたたかな徳島の戦い方は、昇格するチームが自然と身に付けているもの。この試合の徳島からは、昇格という言葉に対するリアリティを感じた。横浜FCも、この試合から同じようなリアリティを身につける糧を見つけられることを願いたい。
■この試合のCOOL BALLER:エリゼウ(徳島)
以上
2011.07.03 Reported by 松尾真一郎
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