7月2日（土） 2011 J2リーグ戦 第19節
草津 1 - 2 水戸　（19:34／正田スタ／3,654人）
得点者：22' 小澤司（水戸）、73' 古林将太（草津）、89' ロメロフランク（水戸）
スカパー！再放送 Ch185 7/4（月）後11:00〜
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※水戸側レポートはこちら

思い出すだけでも気分が悪くなる屈辱の敗戦だ。後半44分、水戸のロメロ フランクが放ったシュートがゴールネットへ突き刺さると草津の選手たちは一斉にピッチへ崩れ落ちた。草津は、宿敵水戸へ勝点３を献上し北関東ダービー２連敗。ダービー２戦にして今年も北関東のトロフィーを手に入れることが難しい状況となった。

立ち上がりはまずまずの出足だった。開始２分、右サイドを豪快に駆け上がった古林将太が内へと切り込んでチームのオープニングショットを放つ。草津は、ＤＦラインを高い位置に設定、両サイドを有効に使って先手を取ったかにみえた。だが10分、水戸・遠藤敬佑が放ったシュートがバーを叩くとゲームの流れは相手へと傾き始めた。
　
20分、草津は左サイドから右サイドへと大きく振られて決定機を許す。遠藤のシュートが枠を逸れるとその直後の22分に元草津の小池純輝に左サイドを走られギャップにスルーを入れられる。そしてゴール正面の遠藤から小澤司へとつながれて先制点を与えてしまう。守備陣がボールへ寄ったためＤＦラインのマークが完全にズレてしまっていた。

１点ビハインドとなった草津だったが、しっかりとボールを動かし攻撃を組み立てていく。前半35分過ぎには櫻田和樹のミドルレンジからのシュートがバーを叩き、37分、44分にはリンコンからのスルーを受けたラフィーニャがゴールへ迫るが、草津戦に凄まじいまでの勝負強さをみせる本間幸司の壁をどうしても破ることができない。

後半に入っても草津のシュートがことごとく水戸守備陣のシュートブロックにハマっていく。後半4分には熊林親吾が相手のミスに乗じて決定機を迎えるが本間、そして昨季まで草津でプレーした尾本敬の執念の守備に防がれてしまう。「自分を含めて決定機を外し続けたことで雰囲気が重くなってしまった」（熊林）。

チャンスを決めることができない草津はリンコンを下げて萬代宏樹を起用。前線の動きが加わりチーム全体の連携が高まっていく。さらに精彩を欠いたアレックスを下げて田中淳を右ＳＢへ投入、古林将太を右ＭＦへと上げて勝負を仕掛ける。ゴールに近い場所でプレーした古林は後半28分に永田拓也のクロスをヘッドで合わせてＪ初ゴール。「ファーサイドにクロスが来たので決めるだけだった。やっと初ゴールが決められた」（古林）。ゲームは佳境で振り出しに戻った。

ホームの後押しを受けて逆転を狙った草津だったが悪夢の結末が待っていた。89分、水戸ロメロ フランクにワンツーでペナ内へ侵入されて決勝ゴールを叩き込まれる。「絶対に耐えなければいけない時間帯にやられてしまった」（橋田聡司）。最近４戦１分３敗の草津だが、３敗はすべて一度同点に追いついてから決勝点を許している。チームはまたしても土壇場での勝負弱さを露呈してしまった。１度の失敗であれば偶然という表現もできるが３度も続くと、それはチームの欠陥となる。

北関東の聖地ともいえる敷島で水戸に白星を献上した草津は、開幕栃木戦に続いて北関東ダービー２連敗という最悪の結果となった。チームからは「多くのチャンスを作り出していたし内容は悲観すべきものではなかった」という言葉が聞こえたが、ダービーで求められるのは結果。最近のチームからは心の底からわきあがってくるような闘志、そしてチームの一体感が薄れている。ダービーで意地や執念が見せられないチームに、サポーターの信頼は集まらない。ダービー２連敗という結果を軽く考えてはいけない。

■この試合のCOOL BALLER：古林将太（草津）

以上

2011.07.03 Reported by 伊藤寿学