7月2日(土) 2011 J1リーグ戦 第2節
浦和 1 - 1 G大阪 (18:03/埼玉/42,331人)
得点者:56' 宇佐美貴史(G大阪)、77' 原口元気(浦和)
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ベストバウトだった。これまでの試合の中では間違いなく一番の出来だった。またしてもG大阪に勝つことはできなかったが、「ロッカールームに帰ってきて、次につながるという話をみんなとした」という山田直輝のコメントからも分かるように手応え充分の内容だった。
前半の時点で面白い試合になりそうな予感はあった。立ち上がりはG大阪の攻勢が光り、浦和は前から人をつかまえようとするが、2トップと宇佐美貴史、二川孝広、遠藤保仁の5人の攻撃陣が繰り出す流動的な仕掛けに翻弄された。開始4分には二川のパスがサイドに流れたイグノに渡り、フリーで上げたクロスにフリーの平井将生が頭で合わせるという完璧な崩しで決定機を作った。浦和としては命拾いした格好だった。
ただ、10分を過ぎた辺りから浦和の守備は少しずつ安定していった。前からボールを取りにいくのを控え、陣形を整えて待ち構える守備のやり方に変えたのが功を奏した。そうすることでG大阪がポゼッションで優位に立つのは決定的となったが、バイタルエリアで好き勝手に起点を作られるシーンは減少した。
ブロック形成気味の守備にしたことで、“レッズキラー”の遠藤が高い位置に顔を出す頻度が高かったのは怖かった。28分に左サイドの位置でフリーで持たれた時には、広島戦でファインゴールを決めたあのシーンが頭をよぎったが、フリーでシュートを外してくれて助かった。しかし同時に、遠藤が前に出てきてくれたおかげで中盤の守備が薄くなり、ボールを奪った際には比較的簡単に前にボールを運ぶことができるというメリットも生まれた。結果、互いにシュートを打ち合うオープンなゲームになった。
攻撃のバリエーションに関して言えば、長年の蓄積があるG大阪に一日の長があった。サイドバックの裏に入るタイミング、DFラインの裏を取る動き出しの良さ、スペースを作る動きと使う動き、局面での2対1の作り方などうまさを感じさせる仕掛けがあった。浦和の場合は個人技をベースにした仕掛けが多く、特に原口元気のキープ力と突破力が攻撃のスイッチになっていた。前に人数をかけているG大阪の守備が薄い分、正直な攻撃でもチャンスにつながっていた。
後半の立ち上がりは前半とは逆に浦和の鋭い出足が光った。開始10分間で4つのチャンスを作った。しかし、ゴールを先に奪ったのはG大阪。56分、二川がDFラインとGKの間に好パスを送ると、センターバックの間に入り込んだイグノがフリーで胸トラップ、即シュート。これはGK加藤順大のファインセーブに阻まれたが、こぼれ球を宇佐美が無人のゴールに流し込んだ。ちなみに、このゴールにもやはり遠藤は絡んでいた。
この先制点で流れはG大阪に傾いた。63分には遠藤の飛び出しから宇佐美がタメて、左サイドから綺麗に崩されてゴール前で失点覚悟のビッグチャンスを作られ、その1分後にもDFラインのフィードに反応した遠藤の柔らかいパスから平井が決定機を迎え、さらにその1分後には平井のパスから遠藤がフィニッシュ。守護神・加藤の素晴らしいセープに救われたものの、遠藤の恐怖に怯える時間帯が続いた。
しかし、G大阪の時間帯は間もなく終わりを迎えることになる。ターニングポイントとなったのは山田直輝の投入。66分、山田暢久に代わってピッチに立つと、そこから浦和の内容がガラリと変わった。労を惜しまぬカラ走り、サポートに入る気の利いたプレー、リンクマンとしてのボール捌き。この日はファーストタッチも決まっていたし、ボールに触らなくても動き出すだけで相手の守備陣に負担をかけていた。
「点を入れられて、前に前にという攻撃が多かったので、逆に僕が前に行かずに後ろでもらって捌いてそこから受けてというのを心がけた。チャンスの数は変わらなかったかもしれないが、相手を揺らすことでバリエーション多く形を作れたと思う」。100点満点の答えだ。劣勢の状況下で必要だったプレーを的確に見抜き、そして実行した。
原口が“ダイヤモンド”なら、さしずめ山田直は“太陽”と言ったところか。背番号22が輝けば、周囲も反射で光を発するようになる。「直輝がリズムを作ってくれたと思うし、ああいう動きがあって、ボールを持てる選手が入ると、チームが活性するし、周りも動くようになる」と永田充が称えれば、相手側の宇佐美も「直輝君が入ってから、元気、(高橋)峻希とユースの頃からやっている3人のコンビネーションがすごい脅威だった」と賞賛する。
そして、浦和の勢いはもう1つの“太陽”、柏木陽介が入ったことで加速。柏木投入後からわずか1分後、浦和は同点に追いつく。77分、高橋がダイレクトでクロスを入れると、大外から飛び込んできた原口が「たぶん中学生以来」というヘッドでゴールネットを揺らす。このゴールの場面、起点を作ったのは柏木と山田直。さらに柏木はそこからゴール前まで走り込み、最後はチェックの動きからニアに入ることで相手DFを引きつけ、その結果としてファーサイドの加地亮がゴール前のカバーに気を取られ、原口のマークにつけなかったという経緯があった。
残りの時間は浦和ためにあるようなものだった。ボールが面白いように回り、次々と決定機を量産。「最後の15分はいいサッカーをしていたし、そこで2、3点は確実に取れたと思う」と指揮官が振り返ったように、追加点のチャンスを簡単に作れていた。G大阪もさすがと言うべきか、一方的に攻め込まれながらも隙あらばイグノのカウンターで喉元を狙ってきたが、終盤を支配していたのは間違いなく浦和だった。
■この試合のHOT BALLER:山田直輝(浦和)
以上
2011.07.03 Reported by 神谷正明
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