7月2日(土) 2011 J1リーグ戦 第2節
福岡 1 - 0 甲府 (18:03/レベスタ/6,585人)
得点者:16' 田中佑昌(福岡)
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自然発生的にスタンドから起こった手拍子がスタジアム全体を包み、そして大きくなっていく。その手拍子が刻む軽快なリズムに乗って11人の選手たちがピッチを走る。アディショナルタイムは4分。最後の反撃を試みる甲府のCKが続く。しかし、選手たちの姿からは慌てている様子は感じられない。そこから感じられるのは、1点を守って逃げ切ろうという姿勢ではなく、勝点3を奪い取るという強い気持ち。その思いを最大限の力でサポートしようと観衆の手拍子がさらに大きくなっていく。そして審判が右手を高々と上げる。次の瞬間、博多の森にホイッスルが鳴り響いた。リーグ開幕から14試合目。福岡は2006年10月28日以来、実に1708日ぶりのJ1勝利を手にした。
試合は立ち上がりから福岡のペースだった。高いラインを設定してコンパクトなゾーンを敷く福岡は、整った2列の守備ブロックを形成すると、高い位置からプレスをかけて甲府に付け入る隙を与えない。ボール支配率を比べれば甲府の方が高いように見えた。しかし福岡は、甲府にボールを持たせても前を向くことを許さない。そして、甲府が焦れて隙を見せると、素早く寄せて高い位置でボールを奪い、ショートカウンターからゴールへと迫る。福岡は、自分たちの形であるアグレッシブでスピーディなサッカーで試合を優位に進めていく。
福岡の先制点は、その流れのままに生まれた。時間は16分。始まりは城後のチェイシングからだった。その動きに連動してパスコースを読み切った末吉隼也が、最終ラインからの縦パスをハーフウェイライン付近でカット。セカンドボールを拾った田中佑昌からパスを受けた城後が大歓声を背に受けて右サイドを突破する。ラストパスを受けたのは、約40メートルを走ってゴール前に現れた田中。ここしかないというタイミングで送られた城後のクロスボールに右足をダイレクトで合わせた。流れるようなプレーにスタンドが湧き上がる。
そして、福岡は守備でも見せた。この日のポイントのひとつはハーフナー・マイクへの対応。その見本のようなプレーを丹羽大輝が演じた。「彼の力を100%出させてしまったら確実に負けると思っていたし、自分は100%の力を出さないとマイクには勝てないと思っていたので、ラインをコントロールして彼の力を半減させることを意識していた」(丹羽)。2人の慎重差は13センチ。しかし、ラインをコントロールして動きを制限し、タイミングよく体をぶつけ、ポジショニング鋭くボールの落下点に入る丹羽は、ハーフナー・マイクに全く仕事をさせなかった。そして、もう一つのポイントと見られていた両サイドの攻防を制したのも福岡だった。際立っていたのが山形辰徳のプレー。対峙する永里源気の中へ切れ込む動きを封じ、縦への突破に対しては、ドリブルコースを読み切ってことごとく潰した。
後半に入ると、甲府は石原克哉に代えて片桐淳至を投入して反撃を試みるが、福岡はそれも許さない。追加点こそ奪えなかったが、いくつもの決定機を作りだし、最後まで主導権を握って試合を終わらせた。「福岡が非常にアグレッシブで良いゲームをしたのかなと思う」とは甲府の三浦俊也監督。福岡は最高の形で初勝利を挙げた。
ただし、勝利の喜びも一晩だけ。福岡はようやくスタートラインに立つことができただけで、何かを手にしたわけではない。篠田善之監督も「今日の1勝を得たことによって我々がどうなるのかということについては、今後の戦いによって変わってくる」と話す。この日の福岡は、攻守に渡ってチームが変化していることをピッチの上で示したが、それも、これから続く戦いの中で示し続けてこそ、本当の変化と呼べる。
そして敗れた甲府。連敗を4に伸ばしてしまう不本意な結果となったが、その内容は思った以上に深刻だ。攻守に渡って意思の統一がなされておらず、チームとして何を狙いとしているのかが全く伝わってこない。その姿は4連敗までの戦い方とはまったく別の姿だった。「チームが一つにまとまらないとゲーム以前の問題だと思うし、そういう意識をすり合わせて練習から取り組まないといけないと感じた」と永里は話したが、自分たちの原点に立ち戻ることが何よりも必要なように思える。
■この試合のHOT BALLER:丹羽大輝(福岡)
以上
2011.07.03 Reported by 中倉一志
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