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【J1:第2節 仙台 vs 名古屋】レポート:カウンターで理想的な先制点を奪った仙台だったが、後半は永井投入で加速した名古屋の一方的展開に。それでも耐えて、名古屋戦初めての勝点1を獲得。(11.07.03)

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7月2日(土) 2011 J1リーグ戦 第2節
仙台 1 - 1 名古屋 (14:04/ユアスタ/18,533人)
得点者:44' 梁勇基(仙台)、65' オウンゴ−ル(名古屋)
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スローインからのボールを受けたブルザノビッチに、簡単に反転、ペナルティーエリアへの侵入を許し、そこから横パスが届いたケネディのシュート。ペナルティーアークでの自らのシュートがDFに当たったものの、そのこぼれ球をペナルティーエリア右で拾った同じくケネディの突進。藤本淳吾からのスルーパスを受けてDFラインの裏を取った小川佳純の決定機。名古屋の大きすぎるチャンスを前半に数えればこの3つ、それも試合の比較的序盤に発生した。
だがこの3つ全てに、仙台のGK林卓人が立ちはだかる。1つ目は低いシュートを足で止め、2つ目は決死の覚悟で身体を投げ出しセーブ。そして3つ目の小川の場面においては、少し浮かせたシュートを意図した様に見える小川のキックを、全く動じるそぶりすら見せずに跳ね返す。
ピンチを作られるのは確かにまずいことなのだが、今日の林が簡単にゴールを破られる光景は、なんだか想像が難しい。そのことが他の選手に自信を与えたわけではないのだろうが、攻撃の切れ味においては、仙台も前半は名古屋と互角に渡り合った。

ハーフウェーライン付近でボールを奪うと、テンポ良く前線へ運び、カウンターへと繋げる。この仙台の戦い方において、この日が今季2試合目の先発となった中島裕希が前線で機能する。収めるには少々苦しい、後方からのクリア気味のボールにも、しっかりと追って相手DFと競ることで、流れを仙台へとたぐる寄せるのに大きく貢献。角田誠からDFラインを超えゴール前に入れられた縦パスに素晴らしいタイミングで飛び出し、ポスト直撃となったものの豪快なジャンピングボレーを放ったプレーにも、好調さがにじみ出ていた。(余談だがこの起用を含め、今季の手倉森誠監督の選手チョイスは、先発選出、試合中の交代人員選び、共に怖いぐらい当たる。名古屋戦前には、関口訓充の一件を絡めてその話になった際「今季はいい状態の選手が多いから、辛い。チームの力に、復興の力になろうとみんな思っていて、そうした全員の気持ちを考えると、本当に辛い」と、少々ため息と苦笑い混じりで答えていたが、その苦労は今のところ報われている)。

そして44分。仙台としては理想的な形で前半を締め括ることになる先制弾がもたらされる。自陣で、名古屋のスローインからのボールを奪うと、右サイドの浅い位置で受けた赤嶺真吾がその前方へと走り出していた中島へスルーパスを通した時点でカウンター発動。そのまま縦に右サイドを持ちこんだ中島から、中央に入ってきた梁へ横パスが入る。
カウンターには3人が参加していて、左を駆け上がってきた松下年宏はそのまま梁からパスを受けるべく左からゴール前に走り込んだのだが、これが良いおとりとなったか、ペナルティーアークでボールを受けた梁の前に、シュートを振り抜くための間ができる。右足で打ちやすい位置にボールを運んだ梁は、GK高木義成の位置も冷静に見て、まるでキックターゲットでもしているかのようなコースを意識したミドル。ボールは高木の手をかすめ、ゴール左上隅の「的」を見事に射貫いた。この1点で、前半は仙台がリードして終える。

ところが、後半は一転。この日来場の氣志團がハーフタイムに歌ったように「もっともっともっと」とは行かず。ここ最近好調の名古屋攻撃陣が、仙台の選手を自陣ゴール前へ張り付かせる。
後半開始直後は前半同様、一進一退と言えたのだが、明らかな転機は51分、ブルザノビッチに代えて永井謙佑が投入された時だった。前半に小川がそれで決定機を掴んだのと同じく、朴柱成の裏でスルーパスを受けるのを狙って走り込んだのが、永井のこの日最初のプレー。この時は朴が何とかして身体を割り込ませたのだが、対応を少しでも間違えていたら一発で裏を取られていたと思わせる一瞬のスピードに、仙台側のスタンドは一抹の恐怖を覚えたはず。
そしておそらくその感覚は、仙台の守備陣にとっても同じだったのだろう。右だけでなく、左からもスピードにのって攻め入ってくる永井に対し、仙台のDFラインはズルズルと交代を余儀なくされていった。
それにより自ずと、後方からのボールに最前線から少し降りてきたところで触ろうとするケネディのポストプレーを封じられなくなり、さらに前半はサイドに張ることが多かった玉田圭司がプレーエリアをゴール前へと移し、フィニッシュに絡まんとしてきたため、たまらず仙台は、高さを持つ角田がいるボランチの位置取りが低くなるが、これによってカウンターを狙う前線との関係が断たれた。
相手のカウンターで脅かされる危険性が減ったのだから、名古屋がさらに攻勢を強めるのは自明の理。そして65分。左サイドで前を向いた永井がドリブルで仕掛け、左45度まで持ちこむ。直前にも永井は、同じ位置からドリブルでのさらなる切れ込みを狙ったプレーを見せていたが、その残像がDFの寄せを阻んだのか、ニアへ走り込んだケネディの足元に、永井から早いパスが打ち込まれる。ケネディが触ったボールはゴール正面にこぼれるのだが、これが不運にも、勢いをつけてゴール正面スペースを埋めに戻ってきた角田に当たり、その後右ポストにヒットした末にゴールマウスに吸い込まれてしまった。

さらに同点後も、流れは圧倒的に名古屋。同点の中、いつものように田中マルクス闘莉王が前線へ上がり、さらに終盤には増川隆洋までもが仙台のペナルティーエリアに(よく考えたら福岡所属の頃、こうした起用を彼もされていた)。この「先刻までセンターバックだった2人」のパス交換で、ゴール左から闘莉王が強烈なシュートを放つが、これがバー直撃。強烈なバウンドで高く舞い上がった後、ゴール正面至近に落ちてきたボールに殺到する両チームの選手の中、ケネディが文字どおり頭一つ抜け出してヘッド。だがこれがわずかバーを超えて、名古屋の決勝点とはならず。
仙台にも、昨年から続き、3度連続で終了間際に決勝点を奪われるのはゴメンだという意地と、それを体現するべき冷静さが、今季のチームには備わっていた。おそらく今季受けた最も苛烈な敵の攻撃を何とか凌ぎきり、仙台としては最後は耐えてのドローで、ひとまず連敗阻止、そしてクラブ史上初めて名古屋からの勝点獲得。一方の名古屋も勝利は成らなかったが、攻撃陣の好調持続を周囲に示す内容だった。

■この試合のHOT BALLER:永井謙佑(名古屋)

以上
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