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【J2:第2節 鳥栖 vs 栃木】プレビュー:序盤戦での天王山となる一戦。堅固な守備を誇る首位栃木をオプション豊富な攻撃を誇る鳥栖が迎え撃つ。(11.06.28)

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6月29日(水)J2 第2節 鳥栖 vs 栃木(19:00KICK OFF/ベアスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
スカパー!生中継 Ch184 後06:50〜
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人に初めて会った時の第一印象は、その人に対してのイメージを深く刻む。その人の功績や噂を聞くたびに、そのイメージが増幅される。しかし、その人を良く知れば、そのイメージとは違う人間性が見えてくる。そこで、その人の本性に気づくこともある。
サッカーとて同じこと。
対戦するチームをイメージで見ていると、時に起きた局面が想定外だったりすることがある。ファンやサポーターも、対戦する相手をイメージだけでなく、J’sGOALでどんな戦い方をしたのか、チョットだけ分析してみよう。そこには、ちがう相手の様子が伺えるはずだ。

今節の鳥栖対栃木は東日本大震災の影響で、延期されていた試合である。リーグ序盤戦の天王山がベストアメニティスタジアムを会場に平日のナイトゲームで行われる。首位の栃木と4位鳥栖は、勝点差3で、互いに得失点差は+10とリーグトップである。

栃木のサッカーは、バランスに重点を置いた4−4−2で堅守のイメージが付きまとう。松田浩監督は、チーム内での規律を重んじ、徹底されたゾーンディフェンスで相手に得点を許さない(イメージがある)。そして、奪ったボールは前線へ素早く預けて、全体のリスクを減らし勝点3を積み上げるサッカーを見せる(イメージがある)。

迎え撃つ鳥栖は、連動した攻撃で中盤の選手がどんどん前線へ出て行く攻撃を見せる(イメージがある)。サイドを起点にしながら、サイドDFも好機と見ると相手陣内の奥深くに攻め込む(イメージがある)。今節は、栃木の堅固な守備を鳥栖の多彩な攻撃でいかにして打ち破るのかが見所である(イメージがある)。

しかし、このイメージは必ずしも言い当ててはいない。今シーズンの鳥栖はここまでリーグ最少失点を誇り、栃木はリーグ2位の得点をあげている。ちなみに栃木のリーグ失点数は4位で、鳥栖の得点は4位である。これは、イメージでなくここまでの事実である。むしろ、イメージとは裏腹に栃木の“個の力を最大限に生かした攻撃”に対して、鳥栖の“前線からの早いプレスでの守備”ができるかどうかという見方もできるだろう。

栃木は、FWにどこからでもシュートを狙うリカルド ロボや高さと強さを持つ崔根植がいる。2列目からの飛び出しをねらうパウリーニョや水沼宏太も強力な攻撃陣を構成している要素である。シュート総数168本は、鳥栖の131本をはるかに上回る。鳥栖の選手たちも、異口同音で栃木の攻撃力を警戒している。
「まずはシッカリ守って無失点で戦うこと」とDF磯崎敬太はチームを代表して語ってくれた。「その中からチャンスを作り、全員で攻める」とも続けた。鳥栖側から見ると、栃木の強力な攻撃を全員で跳ね返しながら、栃木の規律ある守備の意識を鳥栖のアイデアで崩せるのかということになるだろう。

この栃木の守備を崩すアイデアを、筆者も考えてみた。読者諸兄も、一緒に考えて見てください。
栃木は、守備に回ると2ブロック(MFとDF)が形成される。このブロックを崩す手段は2通り。
まずは、早坂良太や國吉貴博、金民友らの個人技で突破することである。これには、田中輝和や磯崎の後ろからのフォローは欠かせない。個の力でDFのブロックを突破したら、後はFWのヘディングの強さに任せてしまう。野田隆之介、池田圭、豊田陽平らの陣容は、栃木のFWに引けを取らない。

次に、2ブロックからのアーリークロスである。栃木の守備を崩すのには時間と労力が必要で、90分間を続けることは不可能である。ならば、田中や磯崎からのアーリークロスでDFブロックの裏への突破を試みるのも有効だろう。そのためには、ブロックの前で“横にボールを動かす”ことである。栃木のブロックは簡単には崩れない。ならば、ボールを横に動かして、サイドからの飛び込むスペースを作るのである。

最後にFWがサイドでのボールの引き出しを多用することである。
鳥栖には、池田というスピードスターがいる。彼のスピードを生かして、サイドでボールを引き出すのである。その空いたスペースに、2列目から永田亮太や逆サイドからMFが飛び込んでくればいい。
この3種類の崩し方ではどうだろうか。

「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」とは、孫子の兵法にある言葉である。これには、時にイメージや思い込み、先入観が邪魔になるときがある。でも、キックオフの笛がなった瞬間に全てを忘れて試合に見入ることがある。それは、局面局面にドラマがあり、先の見えない争点があるからである。試合は、ハーフタイムや試合後に分析するに限る。サッカーの試合を観る(応援する)には理屈やイメージは不要である。サッカーは、思い出しても楽しむことができるスポーツだから。

以上

2011.06.28 Reported by サカクラゲン
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