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【J1:第18節 清水 vs 仙台】レポート:お互いに力を出し合った息詰まる熱戦。今度こそホームで勝負強さを見せた清水が、仙台の無敗記録をストップ。(11.06.27)

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6月26日(日) 2011 J1リーグ戦 第18節
清水 1 - 0 仙台 (18:34/アウスタ/13,081人)
得点者:81' アレックス(清水)
スカパー!再放送 Ch185 6/27(月)後01:00〜
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ホームでの強さにこだわりながら、なかなかそれを見せられなかった今季の清水。ここまで拮抗した戦いで勝負強さを発揮してきたのは仙台だが、今回は清水がそのお株を奪い、仙台の開幕無敗記録にストップをかけた。

16日間で5試合というハードスケジュールの5試合目。気温25.6度、湿度87%、18時30分を過ぎても強い西日が残るアウスタでのキックオフ。仙台の勢いやカウンターを警戒する清水と、アウスタでの勝利がない仙台は、お互いにやや慎重なスタートを見せた。
ボスナーを出場停止で欠いた清水は、平岡康裕を本来のセンターバックに下げ、システムを4-2-3-1に変更して、8試合ぶりの出場となる山本真希と、前日にU-22代表の遠征から戻ったばかりの村松大輔の2人をボランチに置いた。「仙台は、ロングボールを入れてきてセカンドボールを拾われた時、非常に危険。日本の中で有数のカウンターのうまいチームでもあり、セットプレーも非常に危険」という印象を持ったアフシンゴトビ監督は、セットプレー以外の2つの要素に関して、ドイスボランチの働きに期待した。
その狙いに関しては、山本真と村松が忠実な仕事ぶりを見せ、中盤で球際の強さを発揮し、カウンターも簡単には許さない。立ち上がりでCKが4本続いた場面以外は、危険なエリアでのセットプレーの回数も最小限に抑えた。
ただ、その反面、攻撃の組み立てに関してはもうひとつ。あまり前からボールを追わず、自陣できっちりとブロックを作る仙台に対して、DFラインではボールを持てるものの、ブロックに揺さぶりをかけるパスという意味では工夫や精度を欠き、なかなかチャンスに至らなかった。仙台にとってはアウェイの前半という意味である程度想定内の展開だったが、前半のシュート数はどちらも3本で、決定機といえる決定機はお互いにゼロ。締まった内容ではあったが、見せ場は少ない45分だった。

後半に入ると、その膠着状態が少しずつ動き始める。仙台は、中央を清水にがっちりと固められる中、早い段階でクロスボールをファーサイドに送って揺さぶりをかけていく。清水も、縦に速いパス回しが出始め、14分には太田宏介が裏に飛び出してシュートを放つなど、決定機も作っていった。そして、連戦の疲労によってどちらもコンパクトな布陣が少しずつ間延びしていく中で、スコアが動きそうな匂いが徐々に増して、ピッチやスタンドの緊迫感も高まっていく。
その中で、どちらかと言えば仙台のカウンター攻撃のほうがゴールに近づきつつあったが、限られたチャンスを生かしたのは清水のほうだった。後半36分、仙台の中盤のポジショニングに偏りが出て、左サイドが大きく空いたスキをついて左サイドバック・太田が持ち上がり、絶好のタイミングでアーリークロス。これに永井雄一郎(後半33分〜)とアレックスが飛び込み、永井が手前でDFと共につぶれ、それによってすり抜けたボールをアレックスが左足にしっかりと当てて、貴重な先制ゴールを右ポストぎりぎりに流し込んだ。太田のクロスの精度といい、ボールが見えづらい状況で正確なシュートを放ったアレックスの技術といい、仙台の堅守をこじ開けるにはこれしかないというような素晴らしいゴールシーンだった。
この瞬間、アウスタは爆発的な歓喜に包まれ、清水サポーターの胸にたまっていたモヤモヤは一気に吹き飛ばされた。応援するチームが思うような結果を出せないときはフラストレーションがたまることも多いが、こんな一瞬があるからこそ、サッカーの応援はやめられない。選手や仲間と感動を分かち合いながら、清水サポーターの誰もがそう思ったことだろう。

当然、これでスタジアムはさらにヒートアップし、仙台がこれまで見せてきた驚異的な粘り強さを発揮するべく、猛反撃を開始する。だが、サポーターの力強い後押しを受ける清水が、今回は非常に冷静な対応を見せ、40分の決定的なピンチはGK碓井健平が気迫で止めてチームを救う。逆に仙台のほうは、時間と共に焦りが目立ち始め、最後は前線に放り込むだけの単調な攻撃になってしまったところは、少し悔やまれる部分だろう。4分のアディショナルタイムも、清水が気力と体力を振り絞って守りきり、ついに1-0のままタイムアップ。昨年1ステージ制での開幕無敗記録(10試合)を作った清水が、それを更新した仙台に自らストップをかけた。

けっして圧勝とは言えないが、90分間高い集中力と闘争心を保ち続け、決めるべきところを決め、守るべきところを守りきる。本当にタフな試合にホームで勝負強く勝つことは、清水サポーターが待ち望んでいた瞬間だった。この価値ある1勝を生かすためにも、ホーム3連戦の最後、次節の鹿島戦でも、同様のホームらしい戦いを見せることが欠かせない。

以上

2011.06.27 Reported by 前島芳雄
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