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【J1:第18節 山形 vs 横浜FM】レポート:自力の差に屈し、山形は連敗。連勝の横浜FMは暫定2位に浮上! 記念すべき1000ゴール目は栗原勇蔵がゲット。(11.06.27)

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6月26日(日) 2011 J1リーグ戦 第18節
山形 0 - 2 横浜FM (19:04/NDスタ/7,667人)
得点者:44' 栗原勇蔵(横浜FM)、90'+4 渡邉千真(横浜FM)
スカパー!再放送 Ch185 6/27(月)後09:30〜
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こぼれ球を拾って小野裕二がシュートを放って得た41分の左コーナーキックは、横浜FMにとってこの試合4本目。中澤佑二を狙いながら立て続けに5本目、さらにキッカーの兵藤慎剛が右に移って6本目。ニアでクリアしたセカンドボールの競り合いがファウルとなり、43分には右からの直接フリーキックと横浜FMが攻め立てる。セカンドを拾って攻撃をつくり直した横浜FMが、金井貢史が後方から左サイドへ長いボールを入れると、園田拓也がヘディングでタッチに逃れた。攻撃をようやくしのいだかに見えた山形だったが、続くスローインが勝敗を分ける1プレーとなった。スローワーの金井が兵藤からリターンをもらい、フリーの状態でファーサイドへクロスを送ると、待ち構えていたのは栗原勇蔵。「ファーサイドに相手がいなくて、残ってたらチャンスが来るかなと思って待っていた」との読みが的中した。マークに付く石井秀典と、落下地点でスペースを埋めていた宮沢克行の2人を吹っ飛ばすパワフルなヘディングシュートがゴールネットに突き刺さる。これが、記念すべき横浜FMのチーム通算1000ゴールとなった。

「先制点を取れたのは大きかった」。木村和司監督が前半終了間際に入れた先制点を振り返ったが、相手側の指揮官からすれば、「前半あの(無失点の)状態で終わることができると、少しF・マリノスも焦るので、というのもありますけど、あの時点で点を取られたのはすごく大きかった」(小林伸二監督)となる。山形にとっては、結果的に重くのしかかる1点になった。

山形は、攻撃の起点として活躍していた伊東俊が負傷によりこの試合の出場を回避した。チームでもっとも収まり、握れる選手を失うことになったが、小林監督は「(横浜FMの)右サイドの小林(祐三)が上がるということと、右サイドハーフの谷口が下がるので、そこの受け渡しをうまく、宮沢と山田はやっていた」と、前節から入れ替わった左サイドが、警戒していた相手の右サイドに守備の対応では忠実にこなしていたことを評価した。雨のピッチで、攻撃は縦のロングボールに頼る単調なものが多くなり、時間とともに相手に回される時間が増えたとしても、ペナルティーエリアの中でフィニッシュに持ち込まれたとしても、ゴールさえ割らせなければゲームをモノにする可能性はあった。同じことは、ほとんどのマンツーマンがミスマッチとなるセットプレーについても言えた。横浜FMは29分からコーナーキックを3本続け、41分からも3本立て続けにコーナーキックを得ているが、山形は集中力を切らさず、自分が担当するマークに厳しく対応し続けた。それだけに、失点は悔やまれる。セットプレーが続いたあと、試合に変化が加えられたなかで、得点チャンスを嗅ぎ取り自発的に状況を読み対応した横浜FMに対抗するだけのゆとりが、山形にはなかった。

後半にも55分から60分にかけて、廣瀬や太田が相手ゴールを脅かす時間帯があった。太田は「こっちも何回か攻撃のチャンスがあってシュートまで持っていける場面があったので、そこで決めきりたかった」とフィニッシュ精度を悔やむが、ここまで無失点ゲームを5試合積み重ねている横浜FMは、リードした状態でそう簡単にほころびを見せることはない。流れが悪くなったと見た木村監督は67分、大黒将志、長谷川アーリアジャスールに代えて渡邉千真とキム クナンを同時投入。この改造2トップが多くのチャンスをつくることはなかったが、守備でもスペースを埋めて完全に落ち着きを取り戻した。山形はサイドにボールを付け、サイドから崩そうとするが叶わず、逆にアディショナルタイムには佐藤健太郎の足元のボールを渡邉が弾き、拾ったキムのスルーパスを受けた渡邉が狙い済まして追加点を奪った。

「2点目を取るまでが時間がかかって、苦しい試合になってしまったのかなと。もっともっといいリズムでやりたかったんですけどね」と木村監督は先制以降の攻守の切り換えや、前と後ろの距離感を課題に挙げたが、「この5連戦でかなり疲れがあると思いますし、かなりの人数がフルにやっているので、選手もよくやっている」と選手の頑張りをたたえた。1000ゴールも達成し、連勝で順位も暫定2位に浮上。次節は暫定3位、やはり好調・川崎Fとの神奈川ダービーが控えている。小野は「次が本当に大事だと思うし、次負けたらいつものマリノスだなって思われちゃうと思うので、本当に次は死にもの狂いで戦います」とすでに臨戦態勢。連勝にも気持ちを引き締める若者がいることは頼もしい限りだ。

5月に引き続き、6月も1勝を挙げるにとどまった山形は、試合を重ねても思うように勝点を伸ばせずにいる。「0-0で後半となったらまた戦い方が変わる」(大久保哲哉)と選手たちは口を揃えるが、今季前半の総得失点を見ると、前半の得点2に対して、失点が14と圧倒的にアンバランスで、追いかける展開を強いられてばかりいる。小林監督は「若い選手が溌剌して、怖がらずにボールを持ったりというところが見えてきたというのは、すごく大きな材料です。ただ、それが即ち結果につながるわけじゃない」とジレンマを隠さないが、「『力がないから負ける』となってしまうとそれまでなので、そのなかに、足りるところ、見つかるものを選手に伝えながらシーズンを乗り切っていくというところで戦っていく」と、辛抱強く戦う姿勢を崩さない。7月には怪我で離脱中の選手も何人か戻ってくるが、そうした選手も起爆剤にしながら、巻き返しの7月にしたい。

以上

2011.06.27 Reported by 佐藤円
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