6月22日（水） 2011 J1リーグ戦 第17節
横浜FM 1 - 0 新潟　（19:33／ニッパ球／8,019人）
得点者：31' 兵藤慎剛（横浜FM）
スカパー！再放送 Ch183 6/23（木）後02:00〜
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言葉にして伝えるのは難しいが、試合後、お立ち台に上がった横浜Ｆ・マリノスの兵藤慎剛は「キュート」だった。挨拶を終えると、ゴール裏、サポーターから手渡されたトリコロールパラソルを手に、小刻みにその場で跳ね続ける。自身のチャントの元歌『歩いていこう』のリズムに乗って、ピョンピョンと。その姿が兵藤らしい「真面目さ」と合い混じり、何とも言えない「キュートさ」を感じた。
試合は、その背番号７が31分にPK弾を決めて、横浜FMが１−０でアルビレックス新潟を下したわけだが、客観的に見て、点差以上に内容的には差があったのではないか。

右MF中村俊輔が負傷欠場の横浜FMの中盤は、普段トップ下の谷口博之が右に入り、長谷川アーリアジャスールを開幕戦以来のスタメンに抜擢。トップ下に入り、立ち上がりからハイプレッシャーをかけ続けた。
彼だけではない。小野裕二、大黒将志が気温28.4度の暑さの中、前から執拗にボールを追い回し、高い位置でボールを奪うことで、「新潟にリズムを出させなかった」(中澤佑二)。圧力を受けた新潟の本間勲は試合後、「奪ったボールをまた奪われてしまって、また守備をするということが多かった…」と、相手のハイプレスに悩まされたと明かす。
横浜FMの前から仕掛ける守備。これは開始15分まで実践するという約束で、その後は、様子をみて戦い方を変えるというプランを組んでいた。ただ、それが思った以上に「ハマった」（小野）ために続行。そして先制ゴールも生まれたのだ。

ただ、後半に入るとやはり疲労により、徐々にコンパクトな守備が乱れ出し、新潟のポゼッション率が徐々に高まる。しかし、攻撃が単発のため、決定打を放つまでに至らない。最前線のブルーノ 　ロペス、川又堅碁もなかなか味方の援護を受けられず、孤立するシーンが目に付く。
だが、ケガ明けのミシェウが途中出場したことで、流れが傾く。持ち前のテクニカルかつ緩急あるドリブルでタメをつくり、サイドプレーヤーの攻撃参加を誘発。69分には三門雄大が右から、石川直樹が左から各々、ターゲットの川又堅碁をめがけたクロスを放り込むも、わずかに合わず。横浜FM側応援スタンドからは悲鳴が…。この２本が、新潟の今ゲーム最大の得点チャンスだったかもしれない。171cm・60kgと非常に小柄なミシェウ。しかし、その存在感はやはり大きい。

横浜FMで影の立役者だったのは、小椋祥平である。守備は普段通り、手堅いのは当然、この日は攻撃面でもキラリ。先制PKを獲得するシーンでは、右サイドを猪突猛進で走る小林祐三へ、いい感じに力の抜けた緩い浮き球のスルーパスを通し、小林が倒された。
67分にも同種の縦パスを送り、小野がボレーを放ち、決定機を呼んだ。絶妙なタッチで描く、小椋の“緩いスルーパス”の放物線には今後も注目を。
さて、横浜FMのチーム通算1000ゴール目はお預けとなった。記録まで、あと１得点。次節モンテディオ山形戦（6/26＠NDスタ）でこそ決めたい。

以上

2011.06.23 Reported by 小林智明（インサイド）