6月22日(水)J1 第17節 浦和 vs 福岡(19:00KICK OFF/埼玉)
スカパー!生中継 Ch185 後06:50〜
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出口に近づいたかと思えば、次の週には迷子になってしまう。浦和はなかなか混迷から抜け出せず苦しんでいる。5試合連続ドローとひとまず敗戦を免れる中で浮上のきっかけを探していたが、前節の清水戦では「まったく何もできない」(ペトロヴィッチ監督)まま完敗。これでリーグ9戦連続白星なしと泥沼にはまってしまっている。
「非常に厳しい状態。結果にこだわっているがうまくいかない。内容よりも結果、今はそれだけ」と田中達也は危機感をあらわにする。11試合を終えて、1勝5分5敗の16位。1ステージ制になった2005年から過去6年間の残留ラインを平均して見てみると、勝点39が1つの目安になる。今後は3試合で勝点4余り、つまり最低でも3試合で1つは勝たないと非常に厳しい立場に追い込まれる。まだシーズンの3分の1を消化したに過ぎないが、今から危機感を持って戦わないと取り返しのつかないことになりかねない。
清水戦完敗の翌日には、監督の発案で急遽選手だけで約100分間のロングミーティングを行い、意見をぶつけ合ったという。その後はキャプテン鈴木啓太、副キャプテンの平川忠亮が選手たちの思いをペトロヴィッチ監督に伝え、約2時間もヒザを突き合わせた。
やるべきことは再確認した。しかし、頭でわかっただけで結果が出るほどサッカーは甘いものでもない。「話し合いは大切なことだけど、サッカーはホワイトボードでやるものじゃないと思っている。グラウンドで僕らが体現しなければいけない」と田中は語る。実際にプレーで表現できたときに初めて、ミーティングの時間は有意義だったと言えるようになる。
苦しい現状を打開するためには起爆剤となる何かがほしいが、指揮官はメンバーを入れ替えることで新しい風を吹き込もうと思案しているようだ。19日の練習後、フレッシュな選手を送り出すことを示唆。現状のメンバー構成や最近の練習の雰囲気などを考慮すると、梅崎司に出番が回ってきそうだ。
前節の清水戦で顔見せではなく久しぶりに“実戦”に途中出場した梅崎は、キレのある動きを見せていた。2、3人に囲まれても簡単にボールを失うことはなく、アタッキングサードで積極的に仕掛けた。本人は「判断が悪い場面もあったし、余裕がある部分もあったし、余裕がないところもあった」と反省点も口にしたが、動き自体は鋭かった。3年ぶりとなるゴールを決めて気持ちも乗っている。「自分の中では前に進めているという感触はある」という頼もしい発言は、暗いニュースが多いチームにとって明るい材料と言えるだろう。
一方、対戦相手の福岡も苦境に追い込まれている。開幕から悪夢の9連敗とどん底に突き落とされ、神戸の引き分けでようやく悪い流れを断ち切ったに見えたが、前節の柏戦で再び黒星。J1で唯一、いまだ勝ち星なしと絶望の縁に立たされている。
サッカーの内容そのものは順位ほど悪くないという印象を受ける。前から積極的にプレッシャーをかけ、ショートカウンターからゴール前に迫るという形を狙っているようだが、プレスの掛け方には連動性が見られ、速攻でも人とボールが動いている。
カウンターに持ち込めなかった時でも、前後のボールの出し入れで守備網に穴を空けようとする工夫も見られる。後方からダイアゴナルパスをサイドに付けて、松浦拓弥、田中佑昌が仕掛けるという形もある。今節は対戦相手となるが、見ていて好感の持てるチームだ。
神戸戦の内容も悪くなく、前節の柏戦でも首位相手に堂々と渡り合っていた。浦和が完敗を喫した柏に対し、多くの時間帯で積極的な姿勢を見せることができていた。先制された場面もワンチャンスを決められたという形だったし、後半の失点も“一刺し”でやられた。
決定力の問題は選手の能力にも関わってくるので簡単には改善できないが、サッカーの質自体は決して低いものではない。勝てない原因は90分間を通したゲームマネジメントがあまりうまくないという点にあると感じる。福岡は立ち上がりからフルスロットルでプレスをかけにいくが、それを1試合通して続けるのは体力的にも難しい。
また、前から人をつかまえる戦い方はうまくはまれば威力大だが、かわされてしまうと後ろの人間の対応がシビアになり、ちょっとしたミスが大事故につながる。それこそ相手のワンチャンスが1点という結果につながってしまう。福岡はDFラインを頻繁に上下動させていることもあって、裏を取られる危険性も高い。リーグでワーストの失点27という数字はリスクマネジメントに原因の一端があるのではないだろうか。
この一戦は双方にとって分水嶺となり得る重要な試合だ。勝てば上昇のきっかけをつかめるかもしれないが、下位同士の対戦で負けてしまうと精神的にも負のスパイラルに飲み込まれ、ズルズルと深みにはまる危険がある。この試合の結果が後の生存競争に響いてくる可能性だってある。浦和にとっても、福岡にとっても、前半戦の山場になる試合といっても過言ではない。
以上
2011.06.21 Reported by 神谷正明
J’s GOALニュース
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