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【J2:第16節 熊本 vs F東京】レポート:先制点を守ったF東京が勝点3を加えて8位に浮上。一方の熊本は今季ホームでの初黒星。(11.06.13)

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6月12日(日) 2011 J2リーグ戦 第16節
熊本 0 - 1 F東京 (19:04/熊本/5,204人)
得点者:20' ロベルトセザー(F東京)
スカパー!再放送 Ch185 6/14(火)後01:30〜
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 前日から激しく降り続いた雨の影響で、観客動員とグラウンドコンディションが懸念された試合だった。しかしながらF東京のサポーターも含めて5,000人を超える観客が集まり、かつ雨の中でも最後の笛が鳴るまで両ゴール裏からも大きな声が響いていたのは、お互いが目指すスタイルを出そうという姿勢と、それを実現可能にした素晴らしいピッチがあったからこそだろう。時折ボールがストップしたり、うまく足元に収まらずにアフター気味のファウルが目についたりする雨天特有の場面はあったものの、天候の影響は想像していたほど大きなものではなかった。

 結果的には、20分のロベルト・セザーの得点を守りきったF東京が逃げきって勝点3を獲得して8位に浮上。一方の熊本は今季初めてホームでの黒星を喫して順位も9位と後退。もちろん、この試合で勝っていれば昇格圏内に顔を出せていたことを考えれば痛い敗戦であることは確かだが、まだ上位陣との勝点差も大きくは開いてはおらず、この試合で得たものを推進力に変えることができれば再浮上も十分可能だ。

 ただ、スコアは1点差だったものの、それ以上の差が感じられる試合でもあった。それは具体的に言えば、選手個々のスキルや判断、そして動きの質ということになる。
 F東京は、「チームとしてやろうとしている、皆でハードワークするという原点のところを思い出したい」(大熊清監督)と、2列目に大竹洋平に代えて谷澤達也を先発で起用。この谷澤をはじめ、セザーや羽生直剛、田邉草民らが、立ち上がりから激しいプレッシングを見せる。これに対してやや慌てた感のあった熊本ではあったが、「長いボールも織りまぜながらということは意識して」(福王忠世)、前線の長沢駿にあててセカンドボールを拾う形や、大きなサイドチェンジからチャンスを作り、高木琢也監督も「自分たちが今やっていることを多くのシーンや時間帯で出すことができ」、「つなぐなかでセンターにアタックできた」と振り返っている。

 もちろん、エジミウソンからのボールをファビオが落としてフリーの決定機となった33分の場面や、終了間際に迎えたチャンスで長沢のシュート等、「決めるべき時」に決まっていればゲーム展開はまた違ったものとなっていたはずだし、シュートを選択してもいい場面でのパス、攻撃に転じた際のつなぐ段階でのミスなど、フィニッシュやパス、そして判断の精度が流れを左右したのも事実。だが、この試合で注目すべきは守備の部分だ。

 得点こそ1点に留まり、後半のシュート数では熊本を下回ったF東京だが、トータルでは11本のシュートを放っており、熊本側からしてみれば、やはり敗れた9節の草津戦と並んで今季最多タイのシュートを許したことになる。その要因として、エジミウソンの両脇のスペースや、バイタルエリアに入ってくるF東京の選手をうまくつかまえることができなかったことが挙げられる。

 この試合に関しては、F東京のビルドアップに対して前線からコースを限定して追い込んでいくことが1つのポイントだったと思われるが、「奪いどころのタイミングがなかなかなかった」と原田拓が話しているように、今野泰幸と森重真人に対してアプローチはかけるものの、そこから高橋秀人や梶山陽平らボランチにつけられて左右へ広げられる、あるいはクサビに対する落としをフリーで受けさせるような場面も少なくなかった。

 さらに言えば、「羽生選手のフリーランニングでラインを下げてしまって、その時にできるスペースを突かれる場面があった」という福王の言葉からも分かるように、オフ・ザ・ボールの動きで、F東京の方に一日の長があった。切り替えの部分の判断でも「フィードから速攻という場面も少なく、相手の嫌がることがうまくできなかった」と南雄太は話しているが、終盤にコーナーフラッグ付近でキープするような時間の使い方を見せたF東京と比較すると、ゲームを通じて経験値の差が出たという印象も否めない。

 F東京は、リードして引いてしまった前節の反省点を修正して勝点3を加えたことは収穫で、8位とは言え昇格圏も射程距離に捕らえたと言えるだろう。ただ、大熊監督も話しているとおり、追加点を奪うためにも決定力をさらに高め、チャンスの回数をより増やしたいところ。この試合でも個々の能力の高さは発揮したが、組織として一層の熟成が求められる。

 一方の熊本だが、F東京に対しても決して引けをとったわけではなく、敗れたとは言え内容的には悲観するものではなかった。それでも、この試合で見えたJ1経験のあるチームとの差は、短期間で埋めることはできない性質のもの。高木監督も試合後に話したように、「今やっていることを継続し、安定性を高めることが重要」となる。変則的な日程でF東京とは6週間後に再戦となるが、それまでに少しずつでも修正を図りたい。まずは1週間後、昨シーズン勝っていない大分とのバトル・オブ・九州から、再び昇格争いに名乗りを挙げるべく、アクセルを踏み込む。

以上

2011.06.13 Reported by 井芹貴志
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