6月12日(日) 2011 J2リーグ戦 第16節
札幌 0 - 2 横浜FC (13:03/室蘭/7,330人)
得点者:68' 西田剛(横浜FC)、76' カイオ(横浜FC)
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「内容的にも結果としても、今シーズン一番いい試合ができた」。試合後、三浦知良がそう振り返ったように、敵地に乗り込んだ横浜FCが安定した試合運びで札幌に快勝。今シーズン初めての連勝を達成した。
この試合、札幌は芳賀博信、横浜FCは八角剛史という、ともに前節に中盤の底で守備的な働きをした選手を負傷、出場停止で欠いており、その両監督がその部分をどのように手を付けてくるのかが、ひとつのポイントだった。特に札幌の芳賀はリーグ屈指の運動量を持つハードワーカーだけに、この離脱は大きかった。
横浜FCが中盤の底に藤田優人を入れたのに対し、札幌は、開幕から左サイドバックとして先発出場していた岩沼俊介と、宮澤裕樹を守備的MFの位置に並べ、トップ下にはブルーノを。岩沼はもともと守備的MFの選手だし、宮澤裕樹もブルーノも基本的には守備的MF。中盤の内側に守備的MFタイプの選手3人を置くことで、守備のバランスを整えた。1トップにもスピードのあるアンドレジーニョを置くことで、高い位置から相手ボールを追わせた。この選手も本来はトップ下の選手である。
しかし、そうした策もなかなか奏功せず、前半から主導権を握ったのは横浜FC。中盤のキーマンである寺田紳一が相手のマーカーを引き連れながら意図的に中途半端な位置を取り、チームとしても右サイドで上手く起点を作ることで、札幌の古田寛幸を牽制する。札幌も左サイドで近藤祐介がパワフルな突破を仕掛け、今シーズン初先発となった左サイドバックの上原慎也も良いタイミングで攻め上がったが、全体的にはうまくポゼッションをした横浜FCが優位に試合を進めていた。札幌は中盤の内側では上手くバランスを取れていたが、攻撃に転じた際は、アンドレジーニョが相手センターバックの強い当たりに苦しみ、ボールが収まらない。
そうした流れを受けて、ハーフタイムに札幌の石崎信弘監督が動く。守備的MFの宮澤を1トップに移し、アンドレジーニョをトップ下、ブルーノを宮澤がいた中盤の底へとスライドさせた。高さとキープ力のある宮澤を前に置くことで、前半にはできなかった前線でのボールキープを狙ったわけである。
だが、それでも札幌のリズムは整わない。「ミスが多すぎてリズムができなかった」という石崎監督の言葉通り、ボールを奪ってもの直後のプレーで相手に渡してしまうなど、大事なところでのミスが目立ち、チーム全体のゾーンも押し上げることができないでいた。
そうして横浜FCが優位に立ちながら試合は進んでいたのだが、かといって好機を何度も作っていたかというとそうでもない。寺田を中心にうまくボールを運んではいたが、最後のところで札幌の河合竜二、山下達也というセンターバックに封じられていた。札幌はリズムこそ作れていなかったものの、センターバックの守備はしっかりしたものだった。横浜FCの惜しいチャンスはどれも流れのなかからではなく、三浦が蹴るリスタートが大半だった。
その展開からスコアを動かす要因になったのは、ひとつのアクシデントだ。62分、横浜FCの右サイドバック、井手口正昭が腕を痛めて負傷退場。中盤の底にいた藤田優人が右サイドバックに入り、右MFにいた佐藤謙介が藤田のいたポジションに。そして、右MFには西田剛がベンチから急遽投入されたのだが、この西田が抜群のパフォーマンスを見せる。
右サイドを拠点に、縦に鋭い動き出しをすることで札幌の守備ラインを押し込む。球際にも強さがあるため、西田が入ったことで横浜FCはさらに優位性を高めていったのだ。
そして68分、その西田が内側に切れ込んでシュートを叩き込むと、76分には西田が絡んだプレーからカイオが見事なシュートを決めて、アウェイの横浜FCが勝負を決めた。「1点差だと受けに回ってしまうので、もう1点を取りに行って取れて、本当に良かった」と岸野靖之監督は満足げに2−0という2点差勝利を振り返った。
これが勝負のアヤというものなのだろう。
横浜FCが優位に立っており、チャンスを作りながらも、得点までは奪えない。そうした状況で起こった選手の負傷、そして突然の選手交代が優位を後押しすることになったのだから、サッカーというのは本当に先が読めない。
この結果により、横浜FCは今シーズン初の連勝を達成。「まだ負けのほうがたくさんありますが、それをひっくり返したい」と岸野監督は息巻く。一方の札幌は「芳賀の不在は関係ない」と話す選手はいたが、2つの失点はどちらもゴール正面のミドルレンジからフリーで足を振り抜かれてしまってのもの、バイタルエリアでの守備に弱さがあったことは明らかだ。
ともに連勝を目指して挑んだ試合。横浜FCは良い内容の試合で勢いをつけ、札幌は放ったシュートが僅か2本という低調な内容。明暗がクッキリと別れたゲームだった。
以上
2011.06.13 Reported by 斉藤宏則
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