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【J1:第14節 山形 vs 鹿島】レポート:コーナーキック2本で勝ちきった鹿島がリーグ戦今季初の無失点で4試合ぶりの勝利。山形は攻撃に可能性を感じさせるも、低迷を脱する勝利はならず。(11.06.12)

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6月11日(土) 2011 J1リーグ戦 第14節
山形 0 - 2 鹿島 (16:04/NDスタ/11,012人)
得点者:35' 興梠慎三(鹿島)、40' 岩政大樹(鹿島)
スカパー!再放送 Ch185 6/12(日)深01:00〜
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低迷しながらもチーム状態は上向きのチーム同士の対戦。勝利という結果を手にし、巻き返しへの手がかりをつかんだのは、アウェイ鹿島だった。スコアは0-2。スコアが動いたのは、いずれも前半のコーナーキックだった。鹿島にとっては納得のプレーを重ねた末の勝点3ではなかったが、それでも勝負の勘所を逃さず加点し、今季リーグ戦初の無失点と併せ結果を手にした。「今日の勝利がひとつの勝利ではなく、今後の明るい勝利になってくればいいなと思います」とオリヴェイラ監督。結果こそがチームを変え得る力になることを知り尽くしている。一方、攻撃で一歩ずつ階段を昇っている山形は、またも手ごたえを結果に結びつけることができなかった。

山形は前半、3つのアクシデントに見舞われた。最初は6分のプレー。コーナーキックの守備からカウンターに転じた鹿島のロングボールを、自陣に戻りながらクリアした古橋達弥が右もも裏の痛みを感じ、走れなくなる。急ピッチでアップし、10分に交代で入った太田徹郎は「バイタルのところが空くということで送り出したら、あそこでいい仕事ができた」(小林伸二監督)とほぼ期待に応えるプレーを見せたが、前半終了間際にも長谷川悠の負傷で大久保哲哉にスイッチしたことと併せ、前半だけで交代枠を2つ使わざるを得なかったのは痛かった。

そして、結果としてもっとも耐えなければならなかったのが2つ目のアクシデント、35分の鹿島のコーナーキック。直前に宮本卓也が負傷し担架でピッチの外に出されたため、山形は一人少ない状態でコーナーキックを迎えていた。前線に残していた廣瀬智靖を自陣に戻し、数のうえではなんとか間に合わせたが、野沢拓也のキックは岩政大樹のヘッドを経て、ファーサイドへ回り込んだ興梠慎三が左足のボレーを下に叩きつけ、ゴールネット上部を突き上げるように先制点を奪った。岩政大樹はニアでスラしたシーンを「ああいうシーンはよくあるので。競り合うとだいたいあっちに流れていきますからね。なんとか外に切れないように打とうと思ったんですけど、あれが限界でした」と振り返った。高さのある岩政がニアに入り、スピードのある興梠がファーへ回り込んだのは、通常とは逆パターン。相手の混乱につけ込み、勝負どころと見て仕掛ける狡猾さが、両チームにスコア上の差を生み出した。

その5分後、今度は左からのコーナーキックでは通常パターンに戻し、ファーサイドで岩政がヘディングを叩き込んでリードを2点に広げた。山形は後半に入り、大久保のポストプレーを軸に攻勢をかける。51分、右からのクロスに船山祐二、廣瀬とワンタッチでつなぎ、裏へ飛び出した太田がゴールネットを揺らしたが、これはオフサイド。さらに廣瀬がバー直撃のシュートを放ったり、ディフェンダーの石井秀典がインターセプトから一気にゴール前まで駆け上がり、左に開いた太田の折り返しに飛び込むなど、攻撃で見せ場をつくった。しかし、「無我夢中で一生懸命であるので、最後のところで視野が狭かったり、力が入ったり」(小林監督)という山形が、バックラインに中田浩二が戻り安定感を取り戻した鹿島からゴールを奪うことはできず、今季リーグ戦6度目の無得点に終わった。

「いい雰囲気でサッカーしてたんだなというのを、また改めて思ったし、山形のサポーターはぼくにとって大切なものなので、ちょっとでもプレーできたことはよかったです」。怪我をした右足は万全ではないが、途中出場の田代有三は山形のサポーターに感謝の言葉を残した。「今までの公式戦のなかでは、ここに出たいという気持ちが強かったのは確かです」と高いモチベーションで90分間プレーした増田誓志も、ブーイングを含む声援を「本当に応援してくれてたんだなあと改めて実感しますし、今の選手たちにはそういう気持ちを持ってもらいたいと思うんですね」としみじみと振り返った。わずか1年間の在籍だったが、二人にとっては貴重な時間だった。その活躍こそが、いま山形でプレーする選手へのエールになる。

「自分たちの理想の形を描いて試合に臨むんですけれど、当然ながら相手がいるわけであって、その状況を与えられたときにどういうふうに対応していくのかというのが一番重要な部分」というオリヴェイラ監督のコメントは、今の山形にも当てはまる要素を含んでいる。流れが悪いとき、何かイレギュラーなことが起きたとき、自分たちの判断で最善の方法を選びとっていけるか。シュート数は8対8と同じ、チャンスも同じようにあった両チームだが、エンブレムの左胸に星が光る鹿島と、J1で3年目を戦う山形との大きな差がそこにある。そして、それは痛い経験を経ずして埋められるものではない。

ロッカールームでの小林監督の長いミーティングはすっかり試合後の恒例となった。それでもこの日、その長さは異例だった。スカパー!の中継関係者が放送時間内にフラッシュインタビューが終わるかやきもきするほどに。会見室で待つ取材陣もしびれを切らすほどに。それでも、小林監督には機を逃したくないとの強い思いがあった。「熱いものを伝えていくということに関したら、このゲームって大事なんだっていうことを教えるっていうのは、今日しかない。やりきっていった結果どうだったんだというのを伝えていくというのは、言葉も大事なんですけど、この空間を伝えるということがすごく大事なことだと思っている」

「またダメだった」「もう手遅れじゃないか」とあきらめるか、モノにするまでやり続けるか。答えは明白だ。

以上

2011.06.12 Reported by 佐藤円
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