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【J1:第14節 福岡 vs C大阪】レポート:迷路の出口を見つけられない福岡。ホームゲームで、なす術もなくC大阪に敗れる。(11.06.12)

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6月11日(土) 2011 J1リーグ戦 第14節
福岡 0 - 3 C大阪 (14:03/レベスタ/6,202人)
得点者:9' ホドリゴピンパォン(C大阪)、44' 倉田秋(C大阪)、75' 清武弘嗣(C大阪)
スカパー!再放送 Ch185 6/13(月)後01:00〜
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ピッチの中央で堂々とゲームを動かすマルチネスをはじめとする個々の選手が、技術的な側面で福岡を上回っていたことは否めなかった。チームの成熟度も明らかに違う。レヴィ―クルビ監督が「リーグでなかなか勝利につながらなかったのは、偶然の部分もあったと思う」と話した通り、福岡と同じくリーグ戦で勝ち星がないと言っても、その内容も大きく違った。この日の時点では、福岡とC大阪との間には乗り越えられない壁が存在していたことは確かで、客観的に見れば、C大阪の勝利は順当なものであったと言えるだろう。これで福岡は開幕からリーグ戦で9連敗。悔しい思いは募るばかりだが、今の福岡の力では受け入れざるを得ない結果だった。一方、「チームにとっては大きな一歩になったと」と話したのはC大阪・茂庭照幸。C大阪はACL同様に、リーグ戦でもひと暴れする構えだ。

さて、勝負の世界には勝者がいれば、敗者もいる。1年間を戦うリーグ戦のすべてを勝てるチームなど存在するはずもなく、勝った時も、敗れた時も、その結果を正面から受け入れた上で次なる戦いへの準備を積み、新たな気持ちでピッチに向かわなければならない。そして、常に大事なものは過ぎ去った試合ではなく、次にやって来る試合。その繰り返しの末にシーズンの成績が決まる。目の前の試合結果に一喜一憂するのではなく、自分たちの戦い方を確立し、自分たちの戦い方にこだわり抜いたチームが、最終的に勝利の美酒に酔う。だからこそ、リーグ戦の勝者こそが真のチャンピオンとされるのだ。
そして、どんなチームにも欠かせないのは、求めるものと現実の間にあるギャップから目をそらさずに、そのギャップを埋める作業を継続させること。すべてが思い通りに行くわけではなく、すべてにおいて思い通りに進めることが求められているのでもない。理想と現実の間にあるギャップに対し、どのような態度で臨むのか。それをサッカーの神様に試されている。
ただし、いくら努力を重ねても、それが同一線上のものであれば同じ結果しかもたらさない。そして変化につながらない努力は、じわじわと精神的なダメージを与え、やがてチームから勢いが失われていく。その末に迷い込んだ迷路は深く、出口の方向さえ見えず、もがくことで更なる深みへ落ち込む悪循環にはまっていく。いま福岡は、そんな状態にあるように見える。

福岡の戦い方そのものに問題があるようには思えない。高い位置からアグレッシブにプレッシャーをかけ、奪ったボールを手数をかけずに相手のラインの裏へ送り込んでゴールを目指すサッカーは多くの決定機を作りだし、J1の強豪相手にゴールを奪うことも可能にしていた。ただし、同時に持ち合わせていた課題が受けに回った時の極端な弱さ。それが手に入れかけた勝点をことごとく失う結果へとつながった。そして10試合(ヤマザキナビスコカップを含む)を重ねた今も、その課題に改善の兆しは見られない。むしろ、失点と敗戦を重ね続けたことで、福岡のラインは下がり、自分たちの最大の武器である高い位置からのプレスさえも失いつつある。求められているのは戦い方を変えることではなく、自分たちの強みを発揮できるような守備を構築すること。C大阪戦では、チャレンジする姿勢に欠いた印象が残るが、それは、耐える手段を持たないことにより、チーム全体が消極的になっているからのように感じる。

「今日は見ている人に気持ちが届いていなかったし、外から見ている人に何も伝わっていなかった」。試合後の城後寿の言葉は重い。ただその原因を精神面だけ求めては事態の改善は望めない。記者会見で篠田善之監督は、自分たちのストロングポイントを活かすための守備の修正を口にしたが、まずは全員でその課題に取り組むことが最優先課題だろう。過密日程が続く6月にやれることは多くはないが、C大阪との戦いの中で、何とか仕掛けようとしていた松浦拓弥や、選手交代に伴い自ら下がって手振り身振りで周りに指示を送った城後寿らの姿勢を、全員が持つことによって解決できることもある。次回のホームゲームは第16節(6/18)の柏戦。現在、首位を走るチームが相手だが、その試合で、これまでとは違う変化を見せてくれることをサポーターは期待している。その期待に応えてこそ、福岡のこれからが見えてくる。

以上

2011.06.12 Reported by 中倉一志
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