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【J1:第14節 大宮 vs 浦和】浦和側レポート:原口元気が魂の一撃!浦和は2点ビハインドを跳ね返す執念の追い上げを見せた。(11.06.12)

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6月11日(土) 2011 J1リーグ戦 第14節
大宮 2 - 2 浦和 (19:03/NACK/12,221人)
得点者:37' ラファエル(大宮)、53' 深谷友基(大宮)、56' エジミウソン(浦和)、78' 原口元気(浦和)
スカパー!再放送 Ch181 6/13(月)後05:00〜
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PKで1点を返すまでは大宮のゲームだったと言っても過言ではないだろう。浦和は大宮の手堅いサッカーにずいぶんと手を焼かされた。

大宮のやることははっきりしていた。ボールを持ったらシンプルに前線のラファエルに放り込む。「むこうはロングボールをラファエルに集めて、李天秀が裏に抜けてセカンドボールを拾う、そうした攻撃の対処も非常に難しい試合でした」とペトロヴィッチ監督が振り返ったように、大宮の効率的な戦い方に苦しめられた。大宮は前半にシュートを7本打っているが、5本はラファエル、残り2本は李天秀。この数字だけを見ても、大宮がどのようなサッカーをしていたのかよくわかる。

ラファエルとの競り合いでは山田暢久がつくことが多かったが、いかに山田暢の身体能力が高いとは言っても15cmの身長差はさすがに厳しく、背番号10とのマッチアップでは後手を踏むことが多かった。「ロングボールが多かったのは意図的にそうしたわけではない」と大宮・上田康太は語ったが、そのミスマッチを生かした攻撃は効果的だった。

浦和と大宮はともにダブルボランチの4−4−2だったため、フォーメーションの噛み合わせ的にボランチとサイドバックがフリーになりやすく、大宮がブロックを敷いて待ち構える戦い方だったため、浦和は後方では比較的ボールを回せた。だが、大宮がリスクを負わないサッカーを展開したため敵陣には枚数が揃っており、アタッキングサードまで侵入できてもラストパスで跳ね返されることが多かった。

そんななか、浦和は「やられてはいけない場面」(鈴木啓太)で先制点を許す。37分、スローインから渡部大輔がクロスを上げると、ラファエルにヘディングシュートを決められてしまった。ラファエルのことは山田暢久が見なければいけなかったが、この場面では完全にボールウォッチャーになっていた。プレシーズンマッチを含め、浦和戦では4試合連続ゴール中だった“レッズキラー”をゴール前でフリーにした代償は大きかった。この失点にはペトロヴィッチ監督も「子供じみた失点をしてしまった」と憮然とするほかなかった。

さらに浦和は53分、指揮官の怒りを増大させるような形で失点を重ねる。上田のCKからフリーの深谷友基がヘッドで追加点を奪ったが、この場面でもマークを簡単に外されたのは山田暢だった。「代表選手や代表経験のある選手、ベテラン選手が同じようなやってはいけないミスをすることは認められない」。指揮官は名指しこそしなかったが、誰のことを言っているのか明らかだった。その後、指揮官はビハインドの状態にあって山田暢とスピラノビッチ、センターバック同士の交代を行っている。

これで2点のビハインドを背負ってしまった浦和。しかし、失点直後に1点を返すことができたのは大きかった。原口元気のクロスに対してマルシオ リシャルデスと藤本主税が競り合うと、PKの判定が下され、このPKをエジミウソンが沈めた。

この1点は浦和に勇気を与えた。「2点取ったところで、PKを与えてしまったのがすべて」と東慶悟。ゲームをクローズするのに失敗した大宮に対し、浦和はカウンターの恐怖に晒されながらも気迫のこもったプレーでゴールに迫っていく。

そして78分、チームを敗戦の窮地から救い出したのは原口だった。左サイドでボールを受けると、得意のドリブルで守備の網を切り裂き、最後は完全にバランスを崩して倒れ込んだ状態から懸命に左足を一閃。「覚えていないけど、うまく入ってくれた。気持ちだけで決めたゴール」と振り返った一撃は、見ている者の魂をも揺さぶる渾身のゴールだった。それは“ダイアモンドの原石”が眩い光を放った瞬間だった。

原口は足をつっても終了のホイッスルが鳴るまでドリブルで大宮に脅威を与え続け、試合が終わったあとには感極まって頬を濡らした。「どうしても勝ちたかったから気持ちはすごい入っていた。いろんな感情が出て、自分でもわからない。サポーターの声と勝てなかった悔しさとかいろいろあってわからない」。原口は自分の感情がコントロールできなくなるほど、全身全霊をかけてこの一戦に挑んでいた。

「見ているサポーター、ファンの皆さんには喜んでもらえたゲームではないか」(鈴木淳監督)
「見ていた方たち、サポーター、ジャーナリストの皆さんには面白い試合だったと思う」(ペトロヴィッチ監督)

奇しくも、両監督はさいたまダービーの結末に同種の感慨を抱いていた。埼玉県を本拠とするローカルライバルの激突は、まさに“ダービー”と形容するのにふさわしい白熱の展開で幕を閉じた。

以上

2011.06.12 Reported by 神谷正明
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