6月12日(日)J2 第16節 熊本 vs F東京(19:00KICK OFF/熊本)
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今節迎えるFC東京とは、これが初めての対戦となる。FC東京は現在9位にいるとは言え、前回のホームゲームで対戦した千葉同様、選手個々の能力、そしてチーム力はJ1でも十分戦えるレベル。前節は愛媛に追いつかれて引き分けたものの、高木琢也監督も「本来はもっと上にいるはずのチーム。経験も持っているし、徐々に違うカテゴリーで戦う難しさも解消されつつある」と見ている。そうした相手に対してどこまで自分たちが持っている力を出しきれるか。特に前節の富山戦では十分にそのパフォーマンスを発揮できなかったことを踏まえれば、まずはその点で前節からの進歩を見せる必要がある。
その前節は、「自分たちがボールを持ってから3本以内のパスでのミスが多かった」(高木監督)ことから、ボールを失わないようにしっかりとつないで運ぶことがひとつのポイント。今週のトレーニングではGKがボールを保持した時点からの組み立てを意図したメニューにも取り組んでいたが、当然全ての場面でそうした形で作っていけるわけはなく、臨機応変な判断が求められる。
FC東京の場合、ボールホルダーへのプレッシャーはさほどタイトではない印象があるため、「間で受けて嫌なところを突いていく」(根占真伍)ことでリズムを引き寄せる可能性は高まるが、逆に判断を誤って持ちすぎれば手詰まりとなって囲まれるリスクも否定できない。できるだけシンプルに、相手が寄せる前に前線につけて前を向く、そのためのフリーランニングやサポートが必要になる。
同時に、プレッシャーをかけるタイミングや場所、ポジショニングといった守備面の要素においても、状況に応じた判断が欠かせない。FC東京は得点こそ9点に留まっているが、シュート数は112本と千葉、栃木に次ぐリーグ3番目の多さ。トップのロベルト・セザーだけでなく、その後方から羽生直剛、ここ2試合で3得点を挙げている田邉草民、大竹洋平らが流動的に動いてバイタルエリアに侵入し、さらにはボランチや両サイドバックも攻撃に厚みを加えて遠目からでも打ってくる。ここまで熊本は1試合平均6本弱にあたる53本と被シュートの少なさはJ2で突出しているが、そうした攻撃に対して自由なスペースを与えないよう、しっかりとオーガナイズされた守備を展開できるかが問われる。
その点において、「どれだけ相手より動くか、1歩でも2歩でも早く寄せるとか、チーム全体でどれだけいつも以上のことを出せるか」と長沢駿が言うように、ファーストディフェンダーとしての役割を担うFW陣には必然的にハードワークが求められる。FWのチェイスをスイッチにサイドチェンジや横への展開に対してうまくスライドしてパスコースを消し、FC東京のつなぎを分断することができれば、流れは傾いてくるはず。また、そうした展開から生じるであろう、タッチライン沿いでの攻防も見もの。熊本の攻撃の好不調を計る右の市村篤司がどれだけ高い位置を取れるかも注目だが、前節交代出場で同点ゴールを挙げるなど調子を上げて再びスタメンに復帰しそうな片山奨典と徳永悠平の国見高OB対決も、スタンドを沸かせる場面になるだろう。
FC東京はGKの権田修一がロンドンオリンピックアジア2次予選に臨むU-22日本代表に召集されたほか、先日のキリンカップにも出場した今野泰幸や代表経験のある森重真人ら、守備陣にもタレントが揃っている。しかしそうした相手に対しても「名前に関係なく、仕掛けて、ぶつかって、ガムシャラに臨んでいく」(仲間隼斗)ことで、J2の地方クラブにも原石が転がっていることを示したい。
お互いに得点は少ないが、失点も少ないチーム同士。ただ、FC東京は最後の15分での失点が全失点の半分を占めており、焦れることなく自分たちのペースでゲームを運べばチャンスは訪れるはず。熊本県内は11日から激しい雨が降っており、日曜も雨が予想されることから、ウェットなピッチコンディションがお互いのサッカーにどう影響するか気になるが、早い時間にスコアが動かなかったとしても、見ごたえのあるゲームになることは期待してよさそうだ。
最後になるが、3月の東日本大震災からちょうど3ヶ月を迎えた今週、熊本に所属していた宮城県東松島市出身の加藤健太が現役を引退することが発表された。実家が津波の被害を受け、直後にチームを離れて現地に赴いた後で一時は合流していたが、「故郷のために何かをしたい」と悩んだ末の決断。大学も同じだったFW岡村和哉が「力になりたいとは思うけど、何ができるかと言っても、何もできることはない。健太のためにというよりも、自分のために頑張らなあかんと思う」と話したように、残った全ての選手それぞれがベストのパフォーマンスを発揮することで、志半ばにしてチームを離れることを決めた1人の若者へのはなむけとしたい。
以上
2011.06.11 Reported by 井芹貴志
J’s GOALニュース
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