6月12日(日)J2 第16節 徳島 vs 岡山(16:00KICK OFF/鳴門大塚)
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前節の鳥栖戦、徳島には大敗した栃木戦からの立て直しが確かに感じられた。前半終了間際の嫌な時間帯に先手を奪われてしまったものの、迎えた後半チームは崩れることなく我慢を継続。そして掴んだワンチャンスをモノにし同点へと追い付いて見せたのだから。古巣相手に殊勲のゴールを挙げた衛藤裕の「最後に追い付いたことは次のゲームに繋がる」という言葉通り、徳島は再び前進へのキッカケを掴んだと言っていいだろう。
だがその前節、攻撃陣の調子に目を向けると、それは非常に気掛かりなものであったと言わざるを得ない。トップに入ったドウグラスのところにボールが収まらない上、組織だった組み立ても見られず、チームはゴールシーン以外ほとんど形らしい形を作ることが出来なかった…。
それだけに今節における徳島のポイントは間違いなく攻撃の復調がどうかというところ。3試合ぶりの勝利を得るためにはそこに劇的な改善を見せる必要がある。
そこでそのために不可欠と思われる具体的な部分だが、それは展開の幅ではないだろうか。
最近の2戦を振り返ると、徳島のボールの動かし方にはやや窮屈感が漂っていた。同サイドや近い距離への繋ぎが明らかに多く、その結果相手の厳しいプレスをモロに受けて形を作る前に潰されていたと言えよう。さらに、縦の選択が少し強過ぎたこともリズムを出せない大きな理由であったと思われる。ボールを奪った後いち早く前に起点を作れればもちろんチャンスの芽は広がるが、逆に相手守備としてはそこが狙い所。実際に栃木も鳥栖もその縦に入れるパスへ照準を合わせ、そこでのボール奪取をプランとしていたようだ。
となれば、徳島はやはり幅を持った展開を意識し、ボールを奪った後はそれを広く散らすべきであろう。そうすれば今節なら岡山の激しいファーストプレスをかいくぐることが出来るはずだし、圧力の薄い場所へとボールを運んだチームはそこからきっと有効な組織的組み立てを生み出せるに違いない。
ただ、横の繋ぎにゆっくり時間が掛けてしまってはいくら幅を作ってもその効果が薄れてしまう。素早く守備ブロックを形成する岡山が相手だけに、時間が掛かれば突きたいスペースはどんどん消されていき、逆にポゼッションしているだけの停滞へと迷い込まされる危険性もあると言えよう。だからこそ、「相手が整う前に仕掛けて攻め切る(倉貫一毅)」というチームの攻撃の基本的な狙いは如何なる時も忘れてはならない。あくまで幅を作る作業はその基本的な狙いの可能性を高めるための準備なのだ。
最後に成果を残すチームというのは、戦いの中で成長を続けられるチームである。自らの課題をしっかり解決し、それを自分たちの力に上積みしながら進める者こそが望む成果を手に出来ると言えるだろう。そうした観点からすれば、今節の一戦は徳島にとって大変重要な戦い。勝利から遠ざかった最近の2試合をどのように消化し、それをどう自らの成長に結び付けているかが強く問われるゲームとなる。
そしてこのゲームは今季から始まった『PRIDE of 中四国』のカード。西嶋弘之が「同じリーグで一番(地域間距離が)近い相手だから負けられない戦いです」と週末に臨む気持ちを聞かせてくれたが、彼だけでなくどの選手たちもそれは強く意識しているよう。そうしたモチベーションもあることから、文字通り『PRIDE』を賭けた熱いプレーをチームは見せてくれるであろう。
以上
2011.06.11 Reported by 松下英樹
J’s GOALニュース
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