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Ｊ２リーグ戦第15節が開催された６月４日。第14節終了時に勝点16で２位の鳥栖、３位の栃木、勝点15で６位の熊本はいずれも引き分けた。第14節終了時に勝点19で首位の千葉は、16時キックオフの草津戦に勝てば２位以下のチームとの勝点差を開くことができる絶好の機会だったが、結果は１−３の完敗だった。
第13節までの７試合の千葉の失点数は４だったが、第14節大分戦は２失点、草津戦は３失点と、チーム戦術のベースの組織的な守備が乱れた。ＭＦ米倉恒貴は「失点しないことが自分たちの強みだったのに失点が増えている。攻撃陣は守備を助けてあげられるように、守備陣は攻撃を助けてあげられるようにチーム一丸となった戦い方が必要なんじゃないかと思う」と話し、ＭＦ佐藤勇人は「１失点目に関しては試合の入り方がよくなかった。２失点目、３失点目はカウンター攻撃で防ぎようはある失点だったので、次節までに修正する」と話した。草津戦ではＤＦマーク ミリガンがオーストラリア代表招集のため不在で、センターバックには主にボランチのＭＦファン ゲッセルが入ったが、右サイドバックのＭＦ山口慶は「前半の守備はわりと安定していたと思う。でも、ウチは失点をゼロにしていれば何かが起こるという感じできていた。特に３失点目はＤＦの問題が大きいので、守備から考え直してやらないといけない」と反省。草津戦はスペースをスピーディーに突かれて失点したが、岐阜の前線にはＭＦ染矢一樹、ＦＷの嶋田正吾、押谷祐樹などディフェンスラインの裏への飛び出しがうまい選手がいる。４バックのラインコントロールの駆け引きはもちろん、前線の選手へのパスの出し手にかけるプレッシャーも重要だ。
また、草津戦の千葉はセットプレーの攻撃が不発のうえに、流れでの攻撃も効果的なものが少なく、ＦＷ深井正樹のＰＫによる１得点に終わった。米倉は「自分が前に飛び出した時に他の選手が交差する動きとかをすれば相手も戸惑って、フリーでパスを受けられると思う」と話し、佐藤勇は「選手のポジションをもう少し流動的にやらないといけない。この場面でダイレクトパスでという時に選手同士のイメージが合わず、パスを出した選手は味方に中に入ってきてほしいのに、外にいて足が止まっていた。そこは話し合って修正したい」と話した。今節は連動性の高い攻撃をどれだけできるかがポイントになりそうだ。
前節は湘南に０−１で敗れ、１勝１分７敗の最下位と低迷している岐阜。今季は９試合を終えて５得点と得点力不足に苦しんでいる。だが、前節はフィニッシュの場面で精度を欠くなど得点機を多くは作れず無得点に終わったが、シュート数は湘南の11本に対して10本。前線の速さを生かした攻撃は、スピードへの対応にやや難点がある千葉には脅威だ。前節は途中出場のＦＷの佐藤洸一、西川優大といった長身選手が出れば、攻撃に彼らの高さを生かしたアクセントがつけられるし、前節が選手登録直後でＪ初出場だったＦＷブルーノというデータの少ない新戦力もいる。千葉は攻撃をシュートで終われずにボールを奪われると、カウンター攻撃を受ける可能性が高いだけに注意が必要だ。また、前節は湘南のサイド攻撃に押されながらも１失点の岐阜の守備の粘り強さにも気をつけたい。
試合前日の６月11日は千葉のクラブ創立20周年の記念日＆山口の28歳の誕生日だ。この２つを改めて笑顔で祝えるように、千葉には必ず勝利を獲得してほしい。Ｊ１復帰を逃した昨季の千葉の第９節終了時は勝点17で２位。今季の９試合終了時は首位でも勝点は17で昨季とは大差がない。大事なのはここからで、しっかりと仕切り直しをしたい。
以上
2011.06.11 Reported by 赤沼圭子
