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【J1:第13節 広島 vs 鹿島】プレビュー:どんな状況下でも、鹿島は鹿島。過去25冠の栄光に満ちた強豪に、広島が挑む。(11.05.29)

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5月29日(日)J1 第13節 広島 vs 鹿島(19:00KICK OFF/広島ビチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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「この世で『傷ついたライオン』ほど、怖いものはない」
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督はミーティングで、選手たちに強い口調で語りかけた。「傷ついたライオン」とはもちろん、鹿島アントラーズに対する比喩表現だ。

一昨年、前人未到のJリーグ3連覇を果たした絶対王者。Jリーグ優勝7回はもちろん最多。国内3大タイトルだけで14冠、ステージ優勝やゼロックス・スーパーカップ、A3を含めれば25冠。「Jで最もプロフェッショナルなチームの一つ」とペトロヴィッチ監督がリスペクトする鹿島だが、今年は苦しんでいる。
Jリーグではここまで1勝2分2敗。川崎Fには19本のシュートを打たれて敗戦。浦和戦では2点を先行しながら追いつかれる。さらにACLでは、FCソウルに対してシュートわずか3本しか打てずに完敗してしまった。客観的に見れば、東日本大震災で大きな被害を被った「被災地」をホームタウンに持つ鹿島が、中断期間の調整に苦しむのは仕方がないこと。しかも彼らは、ACLとJリーグの両立を求められていたのだから、その負担は想像を絶する。だが、Jの絶対王者として君臨してきた鹿島に、停滞は許されない。「収穫など何もない」とオリベイラ監督が吐き捨てたソウル戦後、周囲は「鹿島時代の終焉か」と騒ぎ立てた。鈴木強化部長が指揮官との緊急会談を持つとの報道もあるほど、かつてない切迫感が鹿島の周辺を包んでいる。

だが、ペトロヴィッチ監督は「そういう状態だからこそ、彼らは怖い」と警戒心を強める。「傷ついているからこそ、鹿島はこれまで以上に貪欲に求めている。オリベイラ監督という経験豊富で優れた指導者が率いているわけだし、彼らや浦和のようなビッグクラブは、必ず調子を取り戻してくるもの。鹿島はこれまでよりもさらに危険な相手となっていると考えるべきだ」
果たして中3日の間に、鹿島がどう立て直してくるか。手を付けるとすれば、5試合で12失点を記録している守備面か。いつものプレッシングに磨きをかけるか、それともあえてラインを下げるか。メンバー構成も含め、今回ばかりは鹿島の出方は不透明だ。だがペトロヴィッチ監督は、結局は「いつもの鹿島」がビッグアーチに登場すると読んでいる。「確かに、ACLのソウル戦とは少しメンバーを入れ替えてくるだろう。しかしオリベイラ監督は、過去に3連覇を成し遂げた信頼できる主力選手たちを数多く起用してくると私は思う。監督としての経験が深い彼が選手を入れ替える時は、確実に『この選手の方がベターだ』と踏んだときだけだろう」

鹿島だけでなく広島も、決して万全とは言えない。神戸戦を発熱のために欠場した森崎浩司は出場可能だが、その神戸戦で足を傷めて負傷交代した山岸智は、鹿島戦には間に合わない。水本裕貴・青山敏弘・高柳一誠といった長期離脱組の復帰も、まだ先のことだ。
一方の鹿島も中田浩二(ソウル遠征ではチームに帯同している)・本田拓也・田代有三・本山雅志という主力が故障。フェリペ・ガブリエルも復帰したばかりで完調とは言いがたい。
ただ、どんなチームであっても、パーフェクトな状態で闘える時期など、シーズンを通してほとんどないのが現実。鹿島はかつて、常に故障者と戦いながら三連覇を果たした。広島も2年続けて大量の故障者に悩まされながらも自らが信じる攻撃サッカーを信じて躍進を続けた。この両チームが共に、どういう状況下であっても際立った特長を持ったJを代表するチーム同士であることは間違いない。

「傷ついたライオン」たちをホームで迎え撃つ広島の状態は「悪くない」。ペトロヴィッチ監督はそう自己評価する。「神戸戦は確かに負けた。だが、敗戦の中でもポジティブな要素はある。それに何より、練習がしっかりとできているからね」
ただ、と指揮官は付け加える。
「たとえ中3日の鹿島が消耗していたとしても、我々がピッチの上で立っているだけでは、話にならない。走って、闘って、ハードワークする。それができて初めて、日程が我々のアドバンテージになる」。神戸戦敗戦の要因は「運動量の不足」(森崎和幸)。走る・闘うという基本的な部分で上回らなければ、鹿島という25冠王者に対しての勝利はありえない。それは、神戸戦の結果からも明白だ。

勝負の行方は神のみぞ知る。しかし、「面白い試合になるだろう」というペトロヴィッチ監督の予感は、ここ数年の対戦内容を見ても的中率は高そうだ。ただその前提は、広島が走ること。全ては、そこにかかっている。

以上

2011.05.28 Reported by 中野和也
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