5月24日（火）AFCチャンピオンズリーグ2011 Ｇ大阪 vs Ｃ大阪（19:00KICK OFF/万博）
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☆Ｃ大阪側プレビュー

３年連続、３度目の挑戦となるACL『ラウンド16』の戦いが目前に迫っている。過去２回の成績は、大会形式が変わり初めて『ラウンド16』にチャレンジした09年がホームで川崎フロンターレを迎え、2-3と惜敗。昨年は、グループリーグを２位通過となったためアウェイでの城南一和（韓国）戦となったが、アウェイの洗礼を受ける中で0-3と完敗を喫した。その成績からも、いかにG大阪がこの一発勝負の『ラウンド16』の戦いに苦しめられてきたのかは明らかだろう。だが、08年にACLを制覇した喜び、楽しさを知っているからこそ、『ラウンド16』2連敗の悔し過ぎる経験は、チームにとって決して無駄にはなっていない。また、ACL優勝を経験したメンバーに牽引され、チーム全員が「もう一度、ACL決勝、そしてクラブW杯の舞台に立ちたい」と意欲を漲らせている。と同時に、だからこそ「ここで屈する訳にはいかない」という思いを強く胸に抱いて明日の一戦を迎えることだろう。
「大事な試合。ダービーということもあるし、お互いの意地とプライドもある。絶対にここで負ける訳にはいかない（キャプテンMF明神智和）」

チーム状況は決して悪くはない。J1リーグ戦では勝ち切れない試合が続くC大阪とは違い、G大阪は苦しい試合を勝ち切る中で３連勝中。ACLの戦いを含めた公式戦では、5戦負けなしの戦いを続けている。しかも、ホーム万博記念競技場での試合は全勝中と、苦しみながらも勝ち取ったグループリーグ首位通過のアドバンテージを存分に活かすべく、準備は揃っている。また何より、選手たちのコンディションが上向き状態にあるのも嬉しい。開幕からやや調子を落としていたMF宇佐美貴史は、ACL第６節の天津戦でのゴールをきっかけに続くJ1リーグ・福岡戦では『らしい』展開からゴールを奪い、新潟戦でも積極的な仕掛けから再三にわたってゴールチャンスを作り出すなど完全に本来の動きを取り戻した印象だ。その中で、明日の試合では『勝利』に強く拘ったプレーを魅せてくれることだろう。
「自分の得点で突破で得点が生まれたら嬉しいし、どんどん積極的に仕掛けてサイドを圧倒したい。それによって相手のサイドバックが上がってくるのが難しくなれば、守備にも貢献できると思うので。僕は今季でまだ３年目だけど、ガンバは西野監督のもとで１０年目のシーズンを迎えていますからね。ヤットさんやフタさん、ミョウさんなど、ずっと中心でやって来た選手たちを軸に、チームとしての成熟度はセレッソよりも高いと思っている。苦しい試合を勝って来た自信もある。普通にやれれば自分たちが上、というか、勝てる自信もある（MF宇佐美貴史）」

またDF下平匠の離脱により、懸念材料の１つだった左サイドバックも、新潟戦で同ポジションを預かったMF武井拓也がフィット。「攻守のバランスも非常に良かったし、落ち着いてビルドアップも出来ていた」と西野監督も高く評価した。今季の新外国籍選手であるFWアドリアーノも試合を重ねるごとにコンビネーションに充実をみせ現時点でJ1リーグの得点ランクで首位を独走している。

唯一不安材料があるとすれば、直近のJ1リーグ戦・新潟戦でDF山口智が左大腿二頭筋肉離れ、MF二川孝広が相手選手との接触プレーで額を５針縫うケガを負ったこと。うち、MF二川については幸いにも外傷だけで済んだこともあり、前日練習にも普通に参加したことからC大阪戦への出場の可能性は高いが、一方で山口は、復帰まで約３週間の見込みと発表され、明日の試合への出場は絶望的。ただ、代わってピッチに立つ、DF内田達也に対して西野監督は「彼は起用に値する選手。物怖じせず、堂々とポジティブにプレーできるので明日の大一番でもそういう彼のプレースタイルは発揮してくれると思う」と信頼を寄せる。直近の新潟戦でJリーグデビューを飾ったフレッシュな力が、明日の試合でも躍動することだろう。
「明日は緊張というより、自分にとってはチャンスだけに楽しみです。サテライトでやっていた通り、カバーリングとか自分の持ち味を出して戦いたい。日本ではウッチーと言えば内田篤人選手ですが（笑）、もう一人ウッチーがいることを知ってもらえたら嬉しい（DF内田達也）」

Ｇ大阪にとっては３度目の挑戦となる、ACLラウンド16の舞台。決戦を前に、準備は整った。あとは、経験を勝利への強い思いを力に変えて、「内容も展開もどうでもいい。とにかくしっかり勝ちに行く（MF遠藤保仁）」のみだ。

以上

2011.05.23 Reported by 高村美砂