5月24日（火）AFCチャンピオンズリーグ2011 Ｇ大阪 vs Ｃ大阪（19:00KICK OFF/万博）
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☆Ｇ大阪側プレビュー

「この試合は絶対に勝ちます！」。累積警告による出場停止となった主将の茂庭照幸に代わって、ＡＣＬラウンド16のＧ大阪（以下、ガンバ）戦に出場が見込まれるＣ大阪（以下、セレッソ）７シーズン目のＤＦ藤本康太は、開口一番、こう力強く宣誓した。一発勝負の大一番、今季２度目の敵地・万博で迎える大阪ダービーではあるが、セレッソは選手、スタッフ一丸となって、この試合での勝利に燃えている。

1998年からセレッソに携わり、選手、スタッフから人望の厚い小菊昭雄コーチは言う。「ほんまに勝ちたいんです」と。「育成をやっているときも、スカウトをしているときも、ダービーでの対戦成績もそうですが、いつもセレッソは２番手。ずっと悔しい思いをしてきた。ガンバは世界で３位のチームにもなった。でも、今回は日本という枠に留まらず、アジアを舞台にガンバと戦うことができる。セレッソがガンバを乗り越え、『大阪はセレッソ』ということを示せるチャンスなんです。セレッソはＡＣＬの出場権も得ることができた。育成もガンバに負けないような有望な選手をどんどん輩出している。スカウトのポテンシャルも高くなっている。ガンバに追い付いてきた今だからこそ、ここで歴史をみんなで塗り替えたい」。どんなときも明るく元気に、そして親身になって選手を盛り立ててきた若きコーチの言葉には重みがある。そして、熱意がある。強い想いがある。

リーグ戦ではＪ１タイ記録の５試合連続ドローと、セレッソはもがき苦しんでいるところはある。でも、一方では、逆境に立っても負けない強さがある。開幕戦でガンバに惜敗したときから、チーム力が向上しているのは確か。そして、白星への飢えは、マックスにまで達している。そこで迎える大阪ダービー。22日の練習では「いい意味でぴりぴりしたムードでトレーニングができた」と小菊コーチ。「でも、決して荒れることなく、球際を激しく、かつフェアに、みんなプレーしてくれた」。最も近い距離でイレブンを見つめるコーチは、今のチームに自信を示す。「モニ（茂庭）の累積（警告での出場停止）以外、けが人もなく、この一戦を迎えることができる。結果にこだわって、プロを夢見る育成の子たちをはじめ、セレッソに携わるみんなで勝利を喜びたい」。

さらに、この大阪ダービーでは不可欠な男が、大事なラウンド16の一発勝負に登録メンバー入りするのは、何よりも心強い。その男の名は、播戸竜二。ガンバ時代、ＡＣＬでは３得点を記録。2008年の優勝の瞬間をピッチで経験し、09年のラウンド16では川崎Ｆに惜敗した悔しい思いも体感している。セレッソのなかでは、ＡＣＬの酸いも甘いも知り尽くしている唯一無二の存在と言えるだろう。

「ベスト16は大事。一発やし、１試合あかんかったら取りかえしがつかへんから。そういう重要な試合で自分の価値を証明したいし、セレッソというチームを上（のステージ）に上げるために力になりたい」。強い魂を持ち合わせるストライカーが、絶対に負けられないこの一戦に、しかも古巣・ガンバ戦に、並々ならぬ意気込みで臨む。「試合に出ることで違いを生み出したいし、（メンバーに）いること、出ることで相手にもプレッシャーをかけたい。万博の空気を、そういう空気にしたいよね。『あっ、嫌やな』と。そういうのって、選手って、出ていて肌で感じるから」（播戸）。ここぞという場面で結果を残してきた11番に、レヴィークルピ監督も「彼の持つスピリット、勝者のメンタリティーは、一発勝負の舞台でいい影響をチームに与えてくれるし、士気も高めてくれる」と、期待を寄せている。

2009年にＪ２で２位となって、Ｊ１に復帰。その10年シーズンにクラブ史上最高成績となる３位に入り、ＡＣＬ出場権獲得。そして今季、ＡＣＬ初出場にして初のラウンド16進出。セレッソは次々と新たな歴史を築き上げてきた。そして今回、ベスト８を目指す戦いは、宿敵・ガンバとの大阪ダービーという、最高のマッチメイク。ここで勝って、セレッソの歴史に新たな１ページを刻み込む。そのために、24日、どんなときも一緒に戦ってきた熱きセレッソサポーターとともに、万博へと乗り込む。

以上

2011.05.23 Reported by 前田敏勝