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UAEでの敗戦(AFCチャンピオンズリーグ アルアイン戦)に続いて、甲府でも1−3の完敗。昨季は一度も連敗をしなかった王者が、別の大会でとはいえ公式戦でついに連敗した。負傷者の続出、過密日程の中での中東遠征による疲労など様々なエクスキューズはあるが、結果は結果だ。ましてや甲府は今季初勝利という昇格組である。藤本淳吾の鮮やかなFK以外に反撃の余地もなかった前週のチームには、あの強かった名古屋の面影はまるでなかった。久々に1週間の準備期間をおいて臨む試合となる柏戦は、名誉挽回を期して挑む戦いになる。
しかしながら柏は現在のリーグで最も厄介な相手でもある。6戦で5勝1敗、リーグトップの13得点を挙げる首位であり、失点もリーグ最少の4と守備も堅い。チームの象徴である32歳のベテラン北嶋秀朗は4試合4得点と充実のプレーを見せており、前節でレギュラーセンターバックの増川隆洋が負傷した名古屋にとってはさらなる脅威といえる。13得点を7名の選手で奪っている点も注目で、いかに流動的かつ全方向的なアタッキングを展開しているかがうかがい知れるというものだ。
苦境の名古屋だが、一筋の光明となりそうなのが田中マルクス闘莉王の復帰である。4月29日の川崎F戦で負傷し、全治3週間と診断された闘将は診断どおりに水曜日から全体練習に合流。まだフルコンディションではなさそうだが、まずまずの回復ぶりをうかがわせるプレーを披露し、ストイコビッチ監督が一時帰国した中でピッチ内の指揮官として存在感を見せていた。肉離れという負傷のタイプを考慮すれば無理はさせたくないが、増川欠場で千代反田充と経験の浅い新井辰也しかいないセンターバックの台所事情からすれば、背番号4の強行出場はやむなしといったところ。チームにとってはこれほど心強いニュースはなく、追い風といって差し支えないだろう。
闘莉王が戦列に戻れば、前節で復帰したダニルソンと合わせ、守備とビルドアップへのテコ入れが期待できる。驚異的な身体能力で野性味あふれるプレーを見せるダニルソンは、ボランチでのプレーで精彩を欠いていた藤本を攻撃に集中させられる副作用も生む。パスの散らし役、つまりゲームメイカー的な役割に従事していた藤本の本来の持ち味は前線でのチャンスメークだ。縦横無尽に走り回り、攻撃の起点を各所に作ることで、得意のFKを得るチャンスも増えるに違いない。セットプレーも闘莉王とダニルソンが戻ったことで破壊力を取り戻すはず。キーマンの復活でチームに好循環が生まれるだけの材料は揃ったといえる。
変幻自在の戦術を操る柏は、レアンドロ・ドミンゲスとジョルジ・ワグネルという強力な攻撃の起点を機能させられるかがポイントになってくるだろう。彼らがいい形でボールに触ることで、田中順也や大津祐樹といった若く優秀なアタッカーたちも本領を発揮し始める。名古屋にとってはそこが勝負の分かれ目で、特に守備が得意でないワグネルのサイドを攻略することはひとつの焦点になってくるだろう。FKの名手であるワグネルに、セットプレーのチャンスを与えない冷静な守備が必要なことは言わずもがな。その意味では大津のドリブルにも注意を払う必要がある。老練な北嶋と闘莉王のマッチアップは、駆け引きの面でも興味深いものとなりそうだ。
繰り返すが、名古屋にとっては連続しての完敗という汚名を返上し、リーグ王者の名誉を挽回する重要な一戦になる。首位からの勝利は仕切り直しの意味でも良い契機になるだろう。過密日程による疲労は1週間では抜けきらないだろうが、まずは勝利への執念で相手を上回り、リーグ戦での今季2勝目をホームのサポーターにプレゼントしてほしい。
以上
2011.05.19 Reported by 今井雄一朗