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【J1:第12節 浦和 vs 鹿島】プレビュー:前節、連敗を3で止めた浦和。同じく不振に苦しむ鹿島を下し、歓喜を爆発させたい(11.05.21)

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5月21日(土)J1 第12節 浦和 vs 鹿島(16:00KICK OFF/埼玉チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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難敵の鹿島を埼玉スタジアムに迎え、リーグ戦5試合ぶりの白星を狙う。

浦和は内容的にも黒星を受け入れざるをえない試合が続き、3連敗を喫していた。特に柏戦は結果、中身とも散々たるもので、指揮官、選手とも大きく肩を落とした。C大阪戦でも勝つことはできなかったが、引き分けという結果でとりあえず負の連鎖を一旦ストップできたのは悪くない。ただ、内容的には柏戦に比べれば機能していた時間帯があったとはいえ、まだまだ課題が多く残る試合だった。DFライン、あるいはGKからロングボールをただ漠然と蹴り込む展開が目立ち、パスをつないで攻撃を組み立てるシーンはあまり見られなかった。

ペトロヴィッチ監督は守ってカウンターをよしとせず、パスを回して攻めることを志向し、トレーニングではパス&コントロールの向上に少なくない時間を割いている。18日に行われた戦術練習でもDFラインからのビルドアップが確認された。主力組メインのグループでGKを含めた7対7を行ったが、指揮官が何を求めているか分かりやすいメニューだった。互いに3−1−2のフォーメーションを敷き、DFからアンカーに当てた場合は4対3(攻撃側は2トップ+アンカー+サイドバック、守備側は3バック)、DFから直接FWに当てた場合は3対3というルールが定められていた。

中盤を使えば数的優位になるが、選択は強制ではなく選手の判断に委ねられている。「彼らが主導権を握って進めないといけない。自分が叫ばないと動かないのではよくない」。そこには的確な判断を自分たちで下し、パスを回せるようになってほしいというペトロヴィッチ監督の思いが見て取れる。永田充も「真ん中を使いながらビルドアップするということなんだと思う」とその意図を汲み取っていた。

一方で、監督は自陣でボールを失うことに対して常に厳しく注意している。18日の練習でも「自陣でボールを取られては絶対にダメだ。敵陣に蹴って失うならいい」という指示が飛んでいた。現在、浦和は4−2−1−3、あるいは4−1−2−3のフォーメーションで戦っているが、攻撃時には柏木陽介が高いポジションを取るため、どちらにしてもDFラインの前にはアンカー役が1枚という形になることが多い。そうすると、DFラインからボールをつなぐ際に自然とアンカーを経由することが多くなるが、鈴木啓太が「そこにプレッシャーが来ないことはほぼない」と言うように、アンカーがフリーのままでボールを触っていられるという状況は生まれにくい。そしてビルドアップの局面において、アンカーはだいたい自陣にいる。

監督からは自陣で絶対にボールを失うなと指示されている。その指摘は正しい。自陣で不用意にボールを失えば、それだけ失点の確率は上がる。実際、C大阪戦ではそれでゴールを奪われた。一方で、現在のシステムではアンカーは常にプレッシャーを受けると考えた方がいい。鹿島がボックス型の4−4−2でくれば、C大阪戦と違ってアンカーはフォーメーションの噛み合わせ的に直接のマークを受けることはないが、アンカーのところでゲームを組み立てる時間が続けば、おそらく鹿島は2トップの1枚を落とすなど何らかの対処をしてくるだろう。その状況下で監督の言葉を強く意識しすぎると、後方からのロングボールが増えてしまっても不思議ではない。

求められるのは選手たちの的確な判断、そして勇気だ。怖がっていては前回の二の舞を演じるだけだ。「ボランチに当てる時は絶対に通るパスじゃないといけないけど、かといって安パイばかりやっていてもいいパス回しはできない。難しいところだけど、必ず通すパスを出したい」と永田は力を込める。

対する鹿島も不振に喘いでいる。勝点4で15位と下位に沈んでいるのはACLの関係で試合が少ないことも影響しているが、注目すべきはここまでの4試合で10失点を喫し、完封した試合が1つもないことだ。

鹿島と言えば伝統的に粘り強い守備が持ち味だが、今年は淡白な対応が目立つ。とりわけ気になるのは4試合全てで先制点を許していること、それも早い時間帯で失点するのが多いことだ。対戦相手にすれば憎らしいまでに試合運びがうまい鹿島とは思えない脇の甘さだ。逃げ切ろうとしてペースを落としたなかで失点することはたまにあっても、不用意に相手にリードを与えるような戦いは見せなかった鹿島だが、最近はDFラインの裏を簡単に取られたり、自陣で軽率なボールロストが頻発したり、攻守の切り替えが鈍かったりと危ういプレーが目につく。

特に前節・川崎F戦の前半はいいところがまったくなく、「特に前半は死んでいた。コンディションではなくて、気持ちの問題だと思う」という小笠原満男のコメントも頷ける内容だった。そこには鹿島を形容する際によく言われる「ゲームを読む力」「試合運びのうまさ」「球際の強さ」といったものは見られなかった。肉体的にも精神的にもコンディションが万全でないと思われる小笠原が、精彩を欠く場面が少なくないのも鹿島にとっては気がかりだろう。

ただ、鹿島は並のチームではない。数々のタイトルに彩られた常勝軍団は悪い中でも調整し、試合中に立て直すことができる。横浜FM戦では最後まで打開案が思い浮かばなかったが、川崎F戦では前半とは別チームが戦っているのではないかと思えるほどに盛り返していた。「修正する力があるのが鹿島」と鈴木が警戒するのも当然だろう。

過去の対戦成績を見ると、9勝5分26敗で浦和は鹿島に大きく水をあけられている。最後にリーグで勝ったのは2008年4月、ここ5試合白星から遠ざかっている。本来の調子からほど遠いとは言え、今の浦和にとって簡単な相手ではない。

しかし、応援してくれるサポーターをこれ以上ガッカリさせるわけにはいかない。「ホームで戦うので大きなサポーターの支援を力にして、彼らを喜ばせる試合にしないといけない」とペトロヴィッチ監督は情熱を燃やす。鬼門の相手を撃破し、溜まりに溜まったうっぷんを晴らしたい。

以上

2011.05.20 Reported by 神谷正明
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