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【J2日記】水戸:悔しさが岡本達也を強くする(11.05.19)

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第12節熊本戦の終了後にピッチに崩れ落ち、涙を流した岡本達也

少しホッとした。
5月18日、今週最初のトレーニングで、岡本達也はいつも通り明るい表情でピッチを駆け回っていた。

第12節熊本戦は、彼のサッカー人生において忘れられない試合となったことだろう。85分のチャンスの場面。左サイドを突破した島田祐輝がGKを引き付けて、ゴール前に折り返し。走りこんだ岡本が無人のゴールに流しこもうとしたものの、DFにぶつけてしまい、絶好のチャンスを逸することに。試合はスコアレスドローに終わり、チームも3試合連続無得点という決定力不足を露呈することとなってしまった。試合終了とともに岡本はピッチに崩れ落ち、涙を流したのであった。負けた試合でもないのに涙する選手を初めて見た。

それだけのショックから立ち直ることができるか。岡本のことが心配で、取材に駆けつけずにいられなかったのだ。だが、それは杞憂に終わった。

「チームも勝てませんでしたし、無得点で終わってしまったので、すごく責任を感じてますよ。でも、下を向いて暗い表情でプレーしている選手にはゴールは生まれない。悔しさを押し殺して、前向きにやっている選手のところにチャンスは転がってくると信じてます。前節を引きずって下を向いてやっているわけにはいかないんですよ」
まぶしいほどの笑顔で語ってくれた岡本。逆にこちらが勇気をもらうほど、落ち着いた口調であった。

岡本の記憶には、あるストライカーの姿があった。それは中山雅史(札幌)だ。幼少期から中山のプレーに見入っていたという岡本。中山がストライカーとして覚醒する前、チャンスを外していた頃の姿もよく覚えているという。
「中山さんはそこで逃げずにゴールに向かい続けたから、点を取れるようになったんですよね。やはり、逃げた時点でストライカーは失格なんです」

この日の練習で、岡本は前節負傷した頭部にテーピングを巻いていた。しかし、チームメイトからは同情されるどころか、目の上の部分に太い眉毛を書かれるといういたずらをされ、笑いを誘っていた。いるだけで周りを和ませる存在。そこも中山譲りなのかもしれない。

磐田ユースからトップ昇格を果たしたものの、出場機会に恵まれず。2年間のプロ生活後、順天堂大学に入学。4年間自分を磨き上げて、再びプロの舞台に戻ってきた。転んでもただでは起きない精神的な強さが岡本にはあるのだ。
「うまくいかないことも楽しんでサッカーをしたい。今の状況は自分がうまくなるチャンスなんだと思っています」

悔しさが岡本を強くする。次に流す涙は、きっとうれし涙だろう。

以上

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2011.05.19 Reported by 佐藤拓也
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