5月15日(日) 2011 J2リーグ戦 第12節
京都 0 - 0 富山 (13:04/西京極/5,464人)
スカパー!再放送 Ch183 5/16(月)後06:00〜
☆totoリーグ
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第12節、京都と富山の一戦は、互いに決定機を作るも決め切れずスコアレスのドローとなった。
ケガ人が出て、前節とメンバーを入れ替えている富山。迎え撃つ京都は秋本倫孝が復帰、さらに、「安定的にゲームを進めたかった」(大木武監督)とドゥトラに代えて中村充孝を入れた。
前半、流れを掴んだのは京都だった。最終ラインから中盤にボールをつなぐと、中村充、ディエゴにボールが入り富山陣内でゲームを進める様になる。だが、富山も押込まれ続けた訳ではなく、26分には左サイドを苔口卓也が突破し、中央の大西容平に合わせ、また、終了間際にも左からのクロスにゴール前で混戦に持ち込み、シュートを放つなど決定機を作って見せた。
全体的に押し気味に進めた京都と針で急所を突く様な攻撃を見せた富山という前半だった。
後半、富山の前線が京都DFへのプレッシャーを強めると、京都はボールが繋げなくなり、51分に右サイドからソ・ヨンドクの枠を捉えたロングシュートでヒヤリとさせられると、61分にはエリア内で回されるほど押込まれるなど、富山のカウンター攻撃に防戦の場面が目立つ様になる。
京都が加藤弘堅から安藤淳を入れてゲームの安定を計り、富山は木本敬介、関原凌河を入れて攻撃的に出た頃の72分、秋本倫孝が相手の突破を阻もうと後ろからファールに入り2枚目の警告を受けて退場となる。
これを受け京都は中村充を下げ3バック左に福村貴幸を入れ、3−4−2で対応。最後はドゥトラを投入し一発に期待をかける。終了間際、そのドゥトラがスローインから右サイドを突破し逆サイドの中村太亮に入るも、このシュートは枠を捉えることが出来ず。結局両チームとも得点を奪えず、互いに勝点1を分ける結果となった。
攻守の切り替え早く、迫力ある攻撃をみせた富山。試合後の安間貴義監督のコメント通り、「苔口を起点に後ろの3枚に点を取らせようとしている」点やプレスのかけ方など、戦術が徹底しているという印象を持たせた。
ただ、今節の戦いを簡単に表すと「巧さの京都」と「迫力の富山」という図式になる様に感じる。
富山はロングボール、またはクリアボールをマイボールにしてフィニッシュへと力強く結びつけた。後半はミドルシュートが多く、崩し切る前にフィニッシュへ、という様に観えた。だが、その「何とかしてフィニッシュへ」という意識が迫力を生んでいた様にも感じさせた。
今季、J2に舞台を移した京都は、J2のこの「迫力」に、押込まれている印象が強くある。
「巧さ」は京都の方があるのではないか。だが、今節の富山を含め、これまで対戦してきた相手の、京都のパスワーク、テクニックに対抗しようと、前面に押し出してくる「迫力」―、換言するなら「ど根性」、これに後手を踏んでいる様に観えるのだ。
相手の、京都陣内にボールを落とし、それを強奪してフィニッシュに持ち込もうとする姿勢、または、個人技で、パスで攻略してこようとする京都に対抗するため、全力で全員が戻り粘り強く守ろうとする姿勢、それを一言で表現すると「ど根性」ではないか。
「巧さの京都」に対し「ど根性の富山」、「パスワークの京都」に対し「ど根性の水戸」、「個の能力の高い京都」に対し「ど根性の鳥栖」等々…、そう解釈した方が(京都側としては)スッキリするだろう。
相手の「ど根性」に対し、京都はさらなる「巧さ」で対抗しようとしている様に観える。ミスを減らし、判断を早くして、…それでも良いだろうが、「ど根性」の相手に「ど根性」でぶつかる気概を持たなくてはいけないのでは、とも思う。
戦い方を変えるのではなく、泥臭さをもっと出すということである。「パスミスが悪い」という考え方から「ミスで相手に渡ったボールをそこで奪い返してやればいい」とか、「ゴール前で体ごと押込もうとするなら、相手の体ごと跳ね返してやる」など、技術を超えた、そういう精神的な部分で、相手を撥ね返すたくましさが要求されるのではないか。
よく言われる「心」「技」「体」。これを言い換えて「ど根性」・「個人の能力」・「運動量」としてみる。「運動量」で大きな差は出ていない。「個人の能力」では京都に分がある様に感じる。だが、「ど根性」という部分では相手の方が大きく上回るのではないか。
それが試合の中で「巧みさで相手を上回る時間帯」(=京都の時間帯)、「ど根性で京都を上回る時間帯」(=相手の時間帯)となって出ているのではないだろうか。
この状況では試合に勝てない、とは思わない。だが、もっと試合を安定させようとするならば、「ど根性」の部分で、相手との差を縮める必要がある様に、今節強く感じさせた。
京都、次節、アウェイで北九州と対戦する。ここも京都に対し、「ど根性」をみせるチームではないだろうか。京都の地力が今度も、試される。
以上
2011.05.16 Reported by 武田賢宗
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