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【J2:第12節 湘南 vs 鳥栖】レポート:開幕戦以来となるホームでの歓喜に沸いた湘南。敗れた鳥栖も胸を張る内容を持ち帰る。(11.05.16)

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5月15日(日) 2011 J2リーグ戦 第12節
湘南 1 - 0 鳥栖 (16:03/平塚/6,658人)
得点者:41' 永木亮太(湘南)
スカパー!再放送 Ch183 5/16(月)後01:00〜
totoリーグ
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勝利した湘南の反町康治監督が言う。「皆しっかりとタスクを遂行した。ほんとうに良くやったと思う」。一方の尹晶煥監督も口にした。「90分間一生懸命全力を尽くして戦ってくれた。ご苦労さんと言ってあげたい」。試合後に両監督が口を揃えた選手に対するねぎらいが、この日の熱戦のほどを表していた。

立ち上がりから積極的に攻め合う展開は、互いに譲らない。湘南は球際強く中盤で奪い、チェンジサイドを視野に入れながら縦への意識を攻撃に織り込んでいく。DF陣も奮闘し、U-18日本代表候補のトレーニングキャンプを控える遠藤航らが落ち着いた対応を見せる。他方、カウンターに転じるや2列目が前線の起点を威勢よく追い越していくなど、鳥栖の推進力も逞しい。フィニッシュの意欲に溢れ、ホームチームを圧し返す。少し強いこの日の風も、激しい攻防の熱を冷ますことはできない。

両者の拮抗した展開が動くのは41分のことだった。鳥栖の攻撃を凌いだ湘南は、GK西部洋平のキックに前線で巻佑樹が粘り、アジエルがサポートに動く。中央から右へ流れていた初スタメンの高山薫が折り返し、空いた中央のスペースで再びアジエルが受ける。逆サイドには、負傷の坂本紘司に代わり途中から急きょ入っていた菊池大介が待つ。そのあいだを縫うようにして永木亮太が駆け上がり、ペナルティエリアに達して枠を捉える。「大介がフリーだったので行くかどうか迷ったが、枚数をかけようと思った。ファーストタッチがよかったので、コースを狙って巧くファーに流せた」と殊勲の永木曰く。巻の粘りから永木のフィニッシュまでわずか10秒足らず、ゴールをこじ開けたのは、前節以後のトレーニングによって見直されたチーム全体のシュートの意識と言い換えられるかもしれない。
ビハインドを背負った鳥栖は、後半開始から再び攻勢を強める。対する湘南も間隙を突いてカウンターに転じるものの、圧力に勝るアウェイチームが次第に押し込んでいく。終盤には鳥栖がサイドからのクロスを多用し、木谷公亮や途中出場の豊田陽平の頭に合わせるなどパワープレーを仕掛ける。湘南も西部を中心に体を張って凌ぐ。矛をかざす鳥栖と盾で受ける湘南、集中力の途切れぬ両者の攻防は、長い笛によって終わりを見る。

シュート数は7対14と、敗れた鳥栖が大きく上回っている。追いつかなければ勝点を奪えぬチームと、逃げ切れば勝点3を手にできるチームという対照的な立場の影響はもちろんあろう。だが「最後の最後まで諦めずにゴールを奪いに行く姿勢を出してくれた」と尹監督が振り返ったように、胸を張れる内容を鳥栖は示した。ただ反面、ボールに対する反応や競り合いなど、球際で一歩勝っていたのは湘南ではなかったか。後半27分のシーンが象徴的だ。池田圭の折り返しに早坂良太が合わせた鳥栖のビッグチャンスに対し、西部が指先で掻き出し、高山がクリアした。「足が攣りそうだったけどヤバいと思って戻った。遠くに飛ばなくてもいいからとにかく当てにいきました。でも洋平さんが触ってくれていなければ入っていたと思う」。その高山にせよ、西部にせよ、あるいは「枚数をかけようと」ゴール前に駆け出した永木にせよ、一歩を伸ばす意志とその連鎖が、4戦ぶりとなる勝利を手繰り寄せた気がしてならない。それが指揮官の言う「湘南らしい執念」ではなかろうか。

見据えるJ1を思えば、終盤押し込まれた際の対応には向上の余地があろうし、攻勢を浴びてなおカウンターによる追加点でゲームを決するしたたかさも求められよう。むろん進化のステップは一足跳びに踏むことはできない。反町監督は語っている。「競争し、どんどん上積みして、セカンドクールになったときにもっとしっかりとしたチームになることを考えている」。3戦勝ち星に見放されていたなかで、今季の真骨頂ともいえる無失点の勝利を手にした。背景には、らしい執念が満ちていた。結果と内容ともに、今後の拠り所となる勝点3であるに違いない。

以上

2011.05.16 Reported by 隈元大吾
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