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【J1:第11節 浦和 vs C大阪】レポート:浦和が連敗を3でストップ。ホームで白星はつかめなかったが、1つ前には進んだ。(11.05.16)

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5月15日(日) 2011 J1リーグ戦 第11節
浦和 1 - 1 C大阪 (15:05/埼玉/31,571人)
得点者:8' 原口元気(浦和)、35' 清武弘嗣(C大阪)
スカパー!再放送 Ch181 5/17(火)後09:00〜
totoリーグ
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「浦和もC大阪もチームとしての完成度がまだまだ高くはない」。試合後、レヴィークルピ監督が語ったコメントがこの試合を端的に言い表している。

前節の柏戦で何もできずに完敗を喫した浦和はメンバーに多少のてこ入れを施した。開幕戦を最後のスタメンから遠ざかっていた鈴木啓太を中盤のアンカー役として起用し、右のウィングではケガの田中達也の代わりにエスクデロ セルヒオが先発出場となった。

対するC大阪では、10日に行われたACLの山東魯能(中国)戦で存在感を示した小松塁がベンチスタート。ホドリゴ ピンパォンを1トップに置く、これまで通りの攻撃ユニットで試合に臨んだ。

立ち上がりは浦和の出足の方が鋭かった。これまでの試合に比べて攻撃陣が流動的に動く場面が見られ、パスもつながった。「選手同士で話し合って、サイドで孤立するより、中でコンビネーションで崩そうということになり、それが多少うまくいった」と原口元気も振り返っている。

そして前半8分、原口が先制点を決める。「元気の個人技で取っただけ」と永田充が振り返ったように、最後は原口の技術が光ったゴールだったが、シュートに至るまでには複数の選手が絡んでおり、久しぶりに価値あるゴールを流れの 中から決めた。

ただ、浦和は幸先のいいスタートを切ったものの、いい流れは長く続かなかった。C大阪が前線から厳しくプレッシャーをかけ始めるとボールを回せなくなり、GKにバックパスして大きく蹴り出すという流れが目立つようになった。「プレッシャーをかければバックパスだけだと思われていた」と柏木陽介が唇を噛んだように、苦し紛れの攻撃が増えていった。

一方のC大阪も、歯車はあまり噛み合っていなかった。特に立ち上がりはマルチネスにミスが多く、軽率なプレーからピンチを招くなど、ビルドアップの起点となるボランチのところでリズムが作れなかった。ただ、それでも局地的にはC大阪らしいイマジネーション溢れるコンビネーションが飛び出し、チャンスを作った。35分には清武弘嗣が同点ゴールを決めたが、相手のミスパスをインターセプトすると、ボールを奪った勢いを殺さずにスルーパスとワンツーを組み合わせる電光石火の連携が光った一撃だった。

試合は後半に入ると互いにゴール前まで押し込む場面が増えたが、それぞれの出来が良くてオープンなゲームになったというわけではない。両チームとも前がかりになって戦っていたため、中盤が守備のフィルターとして機能せず、カウンター合戦のような展開になっていた。

そうなると、コンビネーションの引き出しを持っているC大阪の方が強い。乾貴士、清武弘嗣、倉田秋、ピンパォンのユニットが織りなす速攻で決定機を何度か築く。77分には倉田と乾の2人だけで浦和の守備を切り裂き、最後は乾が決めるだけというビッグチャンスも作った。ただ、昨シーズンほどポゼッションの質は高くなく、やはり攻撃の軸となる選手が抜けた影響は小さくない。新しい攻撃陣が機能するにはもう少し時間がかかるかもしれない。

対する浦和は原口次第という雰囲気が漂っていた。「今は元気のチームになっているので、元気がダメだとダメみたいなところがある」とは柏木。永田が「決定機が今日もそんなに作れていない」と肩を落としたように、チームとして攻撃の形を作れる時間は少なかった。

試合はそのまま1ー1で終了。単純に決定機の数だけを比較すれば、クルピ監督が「正直勝てた試合だった」と語ったのも頷けるが、90分を通した内容を加味すると、引き分けは妥当な結果だったのではないだろうか。「今の実力からするとこんなもんだと思う」と乾もこの結果を受け入れている。

浦和はこれで4試合勝ちなしとなったが、連敗は3で止めることができた。内容的にも前節の柏戦に比べて良くなっている。まだまだ改善の余地は小さくないが、今は1つ1つ積み重ねていくことが大切だ。「自分たちが思ったようにボールは回せなかったし、穴を突くようなパス回しはできなかったけど、そんなにすぐにはできることではないので、続けてやっていくことが大事だと思う」と鈴木も話している。

長いトンネルの出口が見えてきたとはまだ言えないかもしれない。しかし、たとえ小さくとも前に一歩踏み出すことはできた。今の苦しみが明日の喜びを導くと信じ、チーム一丸となってこれからも1つ1つ障害を乗り越えていく。

以上

2011.05.16 Reported by 神谷正明
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