スカパー！生中継 Ch180 後01:50〜
☆totoリーグ
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2007年に神戸がJ1に復帰して以降、リーグ戦における清水と神戸の戦いは、8度の対戦すべてが1-0というスコアで決着している。内訳は清水の5勝、神戸の3勝だ。そのうちアウスタでは清水が3勝1敗と、ホームの利を活かし優位に立っているが、どちらに転んでもおかしくない接戦が多いのもまた事実。今回も、1点勝負のきわどい試合になる可能性は大いにあるだろう。
というのも、今季は両チームともまだ2点以上取った試合がなく、得点力不足が課題になっているからだ。それに対して守備のほうは、神戸が5試合で3失点と安定しており、清水も試合ごとに守備組織が完成度を高めている。つまり、どちらも守高攻低の状況にあり、先制点を取ったほうが圧倒的に優位になることは間違いない。
もちろん、そうしたチームの現状は、清水の側もよくわかっている。前節・名古屋戦の後、今もっとも必要なことは「ゴール！」と一言で答えたゴトビ監督は、今週の練習でそこに重点を置くメニューを組んだ。アタッキングサードの中で、いかに正確に、冷静に、そして鋭くプレーできるかという部分に磨きをかけてきた。したがって今節は、それを実戦で発揮できるかどうかが最大のテーマとなる。
ただし、だからといってリスクを無視して攻めまくるわけにはいかない。ホームの清水が攻勢に出れば出るほど、神戸のほうはがっちりと守りを固め、カウンターのチャンスを虎視眈々と狙ってくるからだ。その意味で重要になるのは、ボールを失った時に素早く切り替えて相手のボールホルダーにプレッシャーをかけ、カウンターを仕掛ける余裕を与えないこと。つまり、ゴトビ監督がつねに求めているように、攻めている中でも良いポジショニングやバランスを維持することが重要になる。そこは清水サポーターにとっても重要なチェックポイントになるだろう。
神戸は前線に187cmの都倉賢を置き、ロングボールを使った攻撃も得意とする。清水としてはラインを下げすぎず、セカンドボールをしっかりと拾うことが求められるだろう。高いDFラインの裏をとられるリスクもあるが、GK山本海人が果敢な前方への飛び出しで新境地を見せており、そこは頼もしいところだ。
いずれにしても、組織の面では選手たちの理解が深まってきた今の清水。そのためゴトビ監督は「攻守ともに選手1人1人のディティールに対する集中が大事」と、細かい部分へのフォーカスを強めている。「3秒集中を失うことで勝点を失なうゲームもあった」と指揮官が言う通り、1点勝負になる可能性が高いゲームだからこそ、90分間の一瞬、一瞬、ワンプレー、ワンプレーをいかに大事にできるかが、攻守両面で重要になるだろう。
その意味では、小野伸二がケガから復帰してきたのは頼もしいところ。今節で先発復帰するかどうかは微妙だが、彼の経験やプレーの正確性は若いチームにとって欠かせない。また、アレックスが調子を上げてきて、前節で来日初ゴールを決めたのも大きなプラス要素だ。前線でのキープ力という面ではすでに重要な役割を果たしており、「ファーストゴールが決まると、それまでよりリラックスしてプレーできる」と本人も語っているため、さらに期待が持てそうだ。
ただ、それでも神戸の守りを崩すのは簡単ではない。一本調子の攻撃ではなく、我慢強く攻め続けながら、機を見て一気に勝負をかけるというメリハリも必要だろう。選手1人1人が、90分間集中して質の高いプレーを続けなければいけない一戦。ただ、それをやり遂げて先制点を奪い、さらに待望の2点目を神戸から奪うことができれば、今の清水にとっては、本当に大きな価値のある1勝となるはずだ。
以上
2011.05.13 Reported by 前島芳雄
