スカパー！生中継 Ch183 後03:50〜
☆totoリーグ
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前節ホーム岡山戦で敗れたあと主将・松下裕樹は試合のVTRを観たという。
「後半の戦いに関しては自分で観ていても本当に不甲斐なかった。自分たちのアクションから何も動き出していなかったし、気持ちの部分でもゲームから何も伝わってこなかった。サポーターにも申し訳なかったと思う」。それは松下だけではなく選手の多くが感じたことだろう。ホーム連戦となる草津は、前節で失われたハートを取り戻すべく大一番・Ｆ東京戦へ向かう。
開幕戦で栃木に敗れた草津はリーグ戦中断期間にチームを刷新し再開後は大分、熊本の九州勢を立て続けに撃破、連勝リスタートを飾った。だが、続く札幌、前節岡山戦では終了間際のアディショナルタイムに連続失点を招き、悪夢の連敗となってしまった。２勝３敗と黒星が先行した草津にとってＦ東京戦は今後を占う意味でも重要なゲームとなる。これ以上黒星を重ねることができない草津は、全身全霊を込めてＦ東京を迎え撃つことになる。
草津は前節、岡山チアゴのファウルを受けて額を20針以上も縫うケガを負ったセンターバック中村英之が戦線離脱。センターラインの再構築を余儀なくされる。１８６センチの中村の高さがなくなるのはチームとして痛いところだが、御厨貴文とコンビを組むことが予想される有薗真吾、もしくは田中淳という闘争心溢れる両DFがチームに魂を注ぎ込んでくれることだろう。有薗は「自分の力が１００だとしたら、１００のすべてをピッチで出したい。個人的にもこのチャンスをつかみたい」とＦ東京戦へ照準を定める。草津はＦ東京の攻撃を粘りの守備で凌いで逆襲を仕掛けたい。
攻撃では、前線でいかにキープできるかがポイントになりそうだ。前節岡山戦後のロッカールームで、副島博志監督はFW陣を激しく叱咤したという。岡山戦後半は前線で時間を作ることができずにボールを失い、カウンターを受け続けた。「岡山戦の後半はシュート数が１本だったがシュートを打たなければ得点は生まれない。勝ちたい気持ちをゴールへ向けてほしい」（副島監督）。指揮官から喝を入れられた一人・萬代宏樹は「前で体を張ることができればうちの中盤が活きてくる。Ｆ東京戦では気持ちの入ったプレーをみせたい」とゲームへ臨む。
キーマンとなりそうなのはブラジル人ストライカー・ラフィーニャだ。中断明け３試合は途中出場、先発した前節岡山戦は２列目起用だったが、重心の低いラフィーニャのポストプレーは、Ｆ東京戦に必要不可欠。ラフィーニャの起用法がゲームのポイントとなるだろう。ラフィーニャは「Ｆ東京には今野という日本代表のセンターバックがいるらしいが詳しくは分からない。どんな選手と対戦しても自分はピッチで答えを出すだけ」と不敵な笑みを浮かべる。権田修一、今野泰幸、森重真人ら代表クラスの守備陣が揃うＦ東京のゴールを割ることは簡単ではないが、ラフィーニャの破壊力はＦ東京を玉砕する可能性を秘める。草津のエースに今季初ゴールが生まれればチームは一気に勢いに乗る。
今季屈辱のJ2降格となったＦ東京は、前節富山戦で１対０と辛勝したが５試合の成績は２勝２分１敗と苦しんでいる。シュート数では千葉の７１本に次ぐ６４本を放っているが総得点は２点。打てども入らない試合が続く。確率的には「３２本で１点」という効率の悪さだ。ちなみに草津のシュート数は札幌と並んでリーグ最少の４０本だが総得点は５点。決定率に関しては草津が大きく上を行っている。ゲームは今節もＦ東京が主導権を握ることが予想されるが、Ｆ東京は早い時間帯にゴールを奪い試合を優位に進めたいところ。その意味では先制点、そしてその時間帯がゲーム展開を左右することになりそうだ。
J1復帰がノルマとなっているＦ東京は一戦必勝でリーグ戦へ臨んでいる。だが草津も実際は同じ状況だ。中断期間があったことでシーズン当初の目標が薄れがちだが、草津もJ1昇格を目指して今季のスタートを切っている。「Ｆ東京はもう一つも落とせないという気持ちで必死にゲームに入ってくるはず。そういう部分を自分たちも感じなければいけない」（松下）。草津にとってＦ東京戦は正真正銘の正念場。昇格への意志が問われている。
以上
2011.05.13 Reported by 伊藤寿学
