スカパー！生中継 Ch185 後01:50〜
☆totoリーグ
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1勝4敗、4得点8失点で最下位となる19位タイ。前節は、開始早々に失点し、一度は攻撃が実り同点に追いつくが、勝ち越しを許し敗戦。勝利から見放されているという意味で横浜FCと岐阜の両チームの置かれた境遇は、非常に似ている。さらに、サッカーの内容では悪くないという意味でも、両チームは似ている。前節のシュート数は、横浜FCの17本に対し対戦相手の栃木は6本。岐阜の13本に対し対戦相手の東京Vは9本。内容では上回り、攻撃では大いに見せ場を作りながら、ちょっとしたディテールで内容を勝ちに結びつけられてない。この内容と結果のアンバランスから1試合でも早く抜け出すべく、この両チームが不本意な最下位対決に臨む。
横浜FCは、前節、今年の序盤戦に最も目覚ましい活躍をしている栃木と対戦した。ゴールデンウイークの3連戦の最後ということもあり、栃木の動きが若干鈍い中、積極的に主導権を握った。前半は崩しに直結するつなぎの場面でのミスも目立ったが、寺田紳一を1.5列目に入れた後半からは、そのようなミスも減り栃木を圧倒し続けた。相手GKの最高のパフォーマンスに2点目は阻まれたが、内容に関しては光明が見えたのは確かだった。
「開幕からの5試合では、内容では一番良かった。正直負けた気がしなかった」と藤田優人は振り返るが、その光明も勝点を得られていないという事実の前ではサポーターへの説得力を欠いてしまうのも仕方がない。「自分たちで結果を掴みにいかないといけない。相手じゃなくて自分たちの問題。結果が出れば変わると思うし、栃木戦のように自分たちのサッカーができて勝てれば勢いが出ると思う」（藤田優）というように、この岐阜戦で必要なのは勝点3だけだ。
前節を見る限り、サッカーの中身を変える必要はない。あとは、失点に繋がる場面、ゴールの匂いを消し去るようなつなぎのミスなどをいかに減らしてプレーの精度を高めるか。雨の中で行われた木曜日の練習では、精度を高めるための努力が続けられた。紅白戦の合間に、選手間でのポジショニングやプレーの角度に関する非常に細かな意見交換が行われ、そのあまりの熱心さに紅白戦がなかなか再開されなかった。サブ組がスタメン組に劣らぬパフォーマンスを見せた熱のこもった紅白戦による微調整が、ニッパツ三ツ沢球技場のピッチにも反映されれば、自ずと勝点3に近づくことになる。
対戦相手の岐阜は、前線からのプレッシングと縦に速い攻撃を信条とする攻撃的なチームになっている。前節も、開始6分の失点の後に、持ち前の攻撃的なサッカーで東京Vを圧倒した。得点シーンも、橋本卓、押谷祐樹、嶋田正吾の動きが線で繋がり、切れ味鋭い「縦に速い攻撃」が結実したものだった。前からのプレッシングが機能し、橋本を始めとして、攻撃陣が高い位置でプレーできれば得点を重ねることは十分に可能だ。前節の試合後に、木村孝洋監督は横浜FC戦への意気込みを尋ねられた質問に対して「すべてのチームが自分たちより互角だったり、格上」と述べたが、最下位対決と思えば、自分達の良さを出すことで道は十分に広がる。上昇気流に乗る勝利を得るチャンスであることは間違いない。
攻撃に特長を持つ両チーム、さらに前からプレッシングを掛ける特長を持つチーム同士だけに、激しい一戦になることは間違いがない。その中で、攻撃において先に主導権を握ることが重要となる。ホームの横浜FCのほうがボールを持つ時間が長くなることが予想されるが、ハーフカウンターを狙う岐阜からすれば、ボールを持たれる展開自体はむしろチャンスとも言える。どのようにリズムを作っていくか、岸野靖之監督と木村監督が見せる知恵にも注目したい。
両チームとも、きっかけさえ掴めば上昇できるという実感はもっているはず。サッカーが持つメンタルスポーツの側面が大きな意味を持つゲームとなる。五月晴れの好天の予報が出ているだけに、是非ニッパツ三ツ沢球技場に足を運んで、きっかけをたぐり寄せようと奮闘する選手を後押ししてほしい。
以上
2011.05.13 Reported by 松尾真一郎
