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【AFCチャンピオンズリーグ2011 アルア vs 名古屋】レポート:良くも悪くも若さを露呈した名古屋がアルアインに完敗。グループリーグの2位通過が決まり、次戦はアウェイ水原での一発勝負に挑むことに。(11.05.12)

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5月12日(木) AFCチャンピオンズリーグ2011
アルア 3 - 1 名古屋 (00:40/アルア/892人)
得点者:21' ハマド アルメリ(アルア)、39' エリアス デ オリベイラ(アルア)、49' 藤本 淳吾(名古屋)、50' エリアス デ オリベイラ(アルア)
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すでにグループリーグ突破が決まった状況で敵地に乗り込み、試合前には杭州緑城とFCソウルが引き分けたことを知っていた。グループ首位を争うソウルとの勝点差は暫定で1ポイント。名古屋はソウルに対戦成績で勝っているため、引き分け以上の結果で首位を確定することができる。そのことを理解した上で臨んだアルアインとの一戦だったが、残念ながら名古屋は任務を達成することができなかった。負傷者を多く抱える苦しい台所事情により、今回の遠征に帯同したメンバーは規定より一人少ない17名。そのほとんどが若手によって構成されたチームの経験のなさが、勝敗を分ける要因となった。

ストイコビッチ監督は、現状でのベストメンバーを惜しみなくピッチに送り出してきた。帰国してすぐにリーグ戦を控えているため、激務のセンターバックのどちらかを温存するかと思いきや、増川隆洋と千代反田充は揃ってスタメン出場。DFラインは右に松尾元太、左に阿部翔平を配し、中盤より前は予想通りの6選手が並んだ。ケネディの圧倒的な高さもなければ、玉田圭司や金崎夢生のような強烈な突破力もない。パスワークと永井謙佑のスピード、そして中盤の機動力がこの日の名古屋の武器だった。

ホームでの最終戦となったアルアインは、名古屋での前回対戦時から大幅にメンバーを入れ替えてきていた。名古屋でスタメン出場したのはDFのアルハマダニとボランチのケイタ、そして前線のエリアスとバデアの4名のみ。11人中7人が24歳以下という、名古屋以上に若手中心のメンバーで、アウェイで4点差をつけられた相手を迎え撃った。

試合開始後、まず先手を取ったのはアルアインだった。もはやACLでの対名古屋の定石となりつつある前線からの激しいプレッシングでミスを誘うと、スピードのあるサイドハーフが積極的に仕掛け、中央のエリアスとバデアを起点に攻め立てる。名古屋も開始早々の2分に吉田眞紀人が1本目のシュートを放ち、9分には永井の突破から小川佳純がフリーでのシュートを放つなどまずまずの滑り出し。久々の公式戦出場となった右サイドバックの松尾も躍動感あふれるオーバーラップを披露するなど、若手らしい前向きのプレーを攻撃のアクセントに主導権を徐々に取り戻していった。

しかし、いかんせん名古屋は精度を欠いた。ボランチに入った磯村などはつなぎの面でもパスミスが目につき、チームの流れを阻害することもしばしば。そうした中で、一瞬の隙を見せた名古屋は先制点を奪われる。自陣左サイド深くでボールを失うと、素早い展開からアフバビがクロスを中央へ。これをバデアとエリアスをおとりに走り込んだボランチのアルメリがきっちりとゴール右隅に叩き込んだ。すでに3度のチャンスを逃している名古屋に対し、アルアインは試合開始2本目のシュートを先制点に結びつける効率の良さ。その後、猛反撃に出た名古屋だったが幾度もあった決定機を決められず、39分にはエリアスとバデアの2人にDFラインが完璧に崩され、2失点目を献上してしまった。

迎えた後半、流れを変えたいストイコビッチ監督は吉田に代えてここ数試合におけるラッキーボーイである久場光を投入。縦への突破力を加えることで、攻撃を活性化しようと試みたが、この采配が的中する。後半開始4分、GK高木義成のパントキックを相手DFがクリアミスし、後方にそらしたボールを見逃さなかったのが久場だ。ワンタッチでペナルティエリアに侵入すると、落ち着いてラストパスを中央に送り、これを走り込んだ藤本が冷静に流し込んだ。2点のビハインドを追う展開で、後半開始早々に1点を返せたのは大きい。指揮官の狙い通りの展開に持ち込んだ名古屋は、ここから一気に追い上げムードに乗るかと思われた。

だが、好事魔多し。若手の経験のなさが、直後に思わぬ失点を生むことになった。得点後のキックオフからの攻撃で、アルアインはあっという間に左サイド深くに侵出。アルアメリと松尾の1対1の場面を作り出すと、素早いドリブル突破に対応の遅れた松尾がペナルティエリア内で痛恨のファウルを犯してしまう。主審の判定はPK。これをエリアスが難なく決め、再びスコアは2点差に広がった。主審の判定はやや厳しいようにも見えたが、せっかくの流れをフイにする軽率なプレーといえばそれまで。経験豊富なDFならば、もう少し慎重な対応もできたはずだった。名古屋はこの後、磯村に代えて花井聖、小川に代えて田中輝希と攻撃的なカードを切っていったが、2点目以降を奪う決め手にはならず。永井のスピードを生かすような組織としての動きにも乏しかった。アルアインは2点のリードを巧みにキープし、以降の名古屋を完封。同じ若手主体の編成で戦った名古屋とアルアインだったが、より着実にプレーしたアルアインは、ストイコビッチ監督の言う通り「勝利に値した」チームだった。

この結果を受け、名古屋はグループリーグ2位通過が決定。一発勝負のラウンド16で、グループHを首位通過した水原三星の本拠に乗り込むこととなった。2週間後の次戦には負傷者たちも戻ってきている見込みで、貴重な経験を積んだ若手をバックアップに充実の布陣で臨むこともできるだろう。敗戦の後には決まって強い反発力を見せてきた名古屋だけに、今回の結果も成長の糧となることは間違いない。このUAE遠征を含む5試合を戦う17日間の過密日程もいよいよ大詰め。試合後すぐさま帰国の途についた選手たちが、アウェイ甲府で「勝利に値する」プレーを実践できるか、楽しみだ。

以上


■AFCチャンピオンズリーグ2011 ラウンド16
5月25日(水)キックオフ時間未定/水原(予定)
水原vs名古屋

2011.05.12 Reported by 今井雄一朗
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