5月12日（木）AFCチャンピオンズリーグ2011 アルア vs 名古屋（00:40KICK OFF/アルア）
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GKに高木義成、DFラインは右から松尾元太、千代反田充、新井辰也、阿部翔平。中盤は小川佳純と藤本淳吾、磯村亮太に吉田眞紀人、前線は永井謙佑と橋本晃司の2トップ。今回のUAE遠征に旅立った名古屋のメンバーから予想される、スタメンの11人である。
この構成をどのように見るかは、意見の分かれるところだろう。名古屋での調整を命じられた負傷者以外の主力は楢崎正剛と田中隼磨、三都主アレサンドロ、中村直志、ケネディ、そして玉田圭司の6名である。大幅に入れ替えたようにも見えるが、センターラインの主力は残してある。
ストイコビッチ監督は2年前のAFCチャンピオンズリーグにおいて、首位突破が決まったあとのグループリーグ最終戦を若手のみで戦う大胆な起用法を見せた。今回はまだ順位が確定していないが、次戦は国立競技場での鹿島戦か、韓国での水原三星戦という、比較的移動の負担の少ない対戦しかないとわかっている中では、過密日程を戦うチームの休養を優先してもおかしくはない。主力に負傷者が続出している台所事情の影響と、あくまで首位突破を狙う状況、そしてコンディショニングとのギリギリの兼ね合いで選んだメンバーであると見るのが妥当なところか。

とはいえ、このメンバーでできるサッカーは限られているのも確かだ。前線の核となるのは永井謙佑であり、豊富な運動量で攻守に厚みを持たせていた田中隼と中村はいない。藤本と阿部、小川というゲームを作れる選手は揃っているが、それ以外を固める面々がどれだけ反応できるかは未知数。それゆえにこの一戦で鍵を握るのは、アウェイで出場機会を得た若い選手たちのプレーということになってくる。

折りしもアルアインは8日のUAEリーグにおいて、アウェイで4−0の勝利を収めており、最高の雰囲気でこの一戦を迎える。得点もアルウェハイビ(背番号7)、アルアムディ(背番号10)、シェハブ(背番号23)。そしてエリアス(背番号38)と取るべき選手が取っているのは良い兆候である。前線の主力が得点を決めているというのは、それだけチームのやるべきことができているということの証拠ともいえるからだ。

名古屋の勝利のキーマンである若い選手たちについては、7日のリーグ第10節・清水戦後のコメントが興味深い。ストイコビッチ監督は「チャンスを活かしていない選手がいる」との主旨の質問に同意し、「ベンチから出てきた選手はゲームを変える、全てを変えるだけの仕事をしなくてはいけない」と厳しい言葉を投げかけた。その言葉に呼応するように、若手たちは反省ばかりを口にしたのである。スタメン出場だった吉田は「全然ダメでした。体力がなくなると戦えなくなる。自分から仕掛けるシーンも増やさないと」と話した。交代出場の橋本は「あの時間帯では難しいけど、細かくパスをつないでっていうことは僕もやりたい」と意欲を見せた。彼らがその言葉通りのプレーを披露してくれれば、主力の不在を感じさせないゲームができるはずだ。特に試合ごとに成長の跡を見せてくれる吉田のプレーには、注目しておいて損はない。

移動の負担が軽いとはいえ、一発勝負のラウンド16をホームで戦えるアドバンテージは見逃せない。FCソウルの結果（日本時間19：00キックオフ）次第では勝たなくとも首位通過が決まるが、名古屋はあくまでもアウェイで勝利し、自力での首位確定を狙う。すでに日本の夏並みの暑さだというUAEの気候の中で、Jリーグ王者のチーム力が試される。

以上


2011.05.10 Reported by 今井雄一朗