5月8日（日） 2011 J2リーグ戦 第11節
草津 1 - 2 岡山　（13:04／正田スタ／2,416人）
得点者：40' アレックス（草津）、65' オウンゴ−ル（岡山）、90'+2 小林優希（岡山）
スカパー！再放送 Ch183 5/9（月）後06:00〜
☆totoリーグ
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前節草津はアディショナルタイムの失点で勝点を失い、岡山はアディショナルタイムのゴールで勝点１を手にした。今ゲームも前節同様、９０分間の戦いを終えたあとのアディショナルタイムにドラマが待っていた。それは草津にとっては前節以上に悲劇で、岡山にとっては前節以上に喜劇だった。

草津は２トップに萬代宏樹と後藤涼、左右MFにラフィーニャ、アレックスという超攻撃的布陣で岡山を迎え撃った。序盤は風上に立った草津が風の力も利用して猛攻を仕掛けていく。４人のストライカーが流動的に動き、次々と決定機を作り出す。４分にはラフィーニャのポストワークから後藤がシュート、14分にはアレックスのパスを受けた萬代が決定機を迎えるなど草津の攻撃陣が勢いを持って岡山ゴールへと襲い掛かる。

40分、左サイドからのセンタリングにゴール前で合わせにいったアレックスがペナルティエリア内で倒されてPKを獲得、それを自らの右足できっちりと決めて草津が先制に成功する。アレックスは、ラフィーニャとともにピッチ上でゴールパフォーマンス「カポエイラ」を披露しスタジアムの雰囲気は最高潮。この時点での両チームの出来は明確で草津が勝点３を奪うことが確実と思われた。

だが後半、いくつかの要素が重なりゲームは一転して岡山へと傾いていく。56分、ゴール前でチアゴのキックを顔面に受けたCB中村英之が額を大きく切ってタンカで運ばれる。そして60分に岡山のターゲット役となっていたチアゴがベンチへと下がり妹尾隆佑が投入される。草津は、チアゴの有無によって変化する岡山への対策をしっかりと練っていたはずだが風下に回った影響もありプランが大幅に狂っていく。

65分にCKからオウンゴールをプレゼントすると、影山雅永監督が次々と投入してきた千明聖典、小林優希のフレッシュかつ闘志溢れるプレーを抑えることができずに守備ラインがゴール前まで押し込まれていく。「ボールの失い方も悪くてチーム全体がサポートできない状態になってしまった」（御厨貴文）。草津は76分にゲームメーカー熊林親吾がピッチを去ると、試合をコントロールできるプレーヤーがいなくなり防戦一方。時おりカウンターから相手陣内へボールを運ぶが連携が悪くシュートまで持ち込めない。そんな内容が最後の悲劇につながっていく。

アディショナルタイム、岡山。小林がゴール前でGKと交錯しながらもボールをキープ、執念でボールをゴールへ押し込み、土壇場の決勝ゴール。岡山は前節に続きアディショナルタイムでゴールを決めることになったが、今回のゴールは今季初勝利という大きな特典付き。劣勢になりながらもチーム全体があきらめずに走り続け、ひたむきに戦い抜いたプレーは感動的でもあった。決勝ゴールを決めた小林は「ここで決めたらヒーローになれると思ってピッチで立った。監督からはクロスを期待されていたが絶対にゴールを決めようと思っていた」と笑顔を見せた。岡山にとってこの勝利は勝点３以上の意味を持つ。

２戦連続でアディショナルタイムに失点し２連敗となった草津だが、後半の戦いはあまりにも不甲斐なかった。後半のシュート数は岡山の12本に対して草津はわずかに１本。言い訳の出来ない敗戦だ。「戦術どうこうじゃなくイージーなミスが多過ぎる。自分たちのリズムになる時間が短すぎて結果的に消耗してしまっている」（熊林）。２試合連続アディショナルタイムで敗れたのは偶然ではなくチームの力。リーグ戦にごまかしは通用しない。それを自覚して戦わないと、リーグ序盤に低迷した昨季の二の舞になってしまう。

以上

2011.05.09 Reported by 伊藤寿学