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【J2:第11節 鳥栖 vs 大分】鳥栖側レポート:ストロングポイントを消された鳥栖が、終了間際5分で試合を制す。尹晶煥監督の采配が冴え、勝点3をもぎ取る。(11.05.09)

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5月8日(日) 2011 J2リーグ戦 第11節
鳥栖 2 - 1 大分 (13:03/ベアスタ/8,614人)
得点者:15' 森島康仁(大分)、90' オウンゴ−ル(鳥栖)、90'+3 豊田陽平(鳥栖)
スカパー!再放送 Ch183 5/9(月)深01:30〜
totoリーグ
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大分側レポートはこちら

『終わりよければ、全て良し』と高笑いをして語りたくなる衝動を抑えて、このレポートを記している。
『結果が全て』という言葉で片付けてしまうと、次節への課題がぼやけてくる。
とはいえ、GW最後の試合をドラマティックな結末をその目で見ることができた鳥栖サポーターは、意気揚揚と学校や職場に向かったに違いない。今節の鳥栖は、シーズン序盤の“勢い”と“今後の課題”の2つの顔を見せてくれた。

試合開始早々から、鳥栖は大分の守備に手を焼いていた。
今季の鳥栖は、中盤からサイドを遣っての攻撃で相手を崩すことが多いが、その形を大分は簡単には作らせることが無かった。
特に、ここまで鳥栖の快進撃を牽引してきた右サイドのMF早坂良太と大分左サイドDF安川有との駆け引きは、この試合の主導権を握るためには絶対に負けられない局面だった。
鳥栖の右サイドが思うように機能しなければ、負担が左サイドに偏ってしまうのは必定。この日のMF岡本知剛からの左サイドへのパスは、幾度となく大分DFの裏へと通された。國吉貴博はもちろんのこと、FW池田圭も左に流れてチャンスメイクを試みていはいたが、大分のDFが身体を張って鳥栖の攻撃の波を断ち切っていた。
シュートまでを持っていくことができずに次第と流れは悪くなる。
「フラフラと動いてしまい、前を向くことが少なかった」とFW野田隆之介が振り返るように、この日の鳥栖は前節まで見せていた畳み掛ける攻撃を見せることが少なかった。

この悪い流れに追い討ちをかけたのが、15分の大分の先制点である。
攻撃のタイミングで前線の選手が一気に前を向いた瞬間に中盤でボールを奪われてしまい、FW森島康仁に力強いミドルシュートを決められてしまった。
手元の集計だが、大分の前半の決定機はこの1本だけだったが、確実に大分に勢いをつけたシュートだった。前半は鳥栖に特筆できるような場面が少なく、大分の守備の戦術が光る内容だった。ちなみに鳥栖の決定機も1本だったと筆者のメモには残している。

61分に鳥栖は、高さのあるFW豊田陽平とスピードを持った岡田翔平を同時に起用した。「前線に変化をつける」(尹晶煥監督/鳥栖)ためだった。そして、この変化での効果を増幅させるために、「守備を安定させる」(同)ために左サイドDFに磯崎敬太を入れた。わずか12分の間に、持てる交代カードを全て切ってしまうことになる。
結果的には、この交代カードが最後の最後で功を奏することになるので、この日の尹晶煥監督の采配は冴え渡っていたといえる。
これを証明するために選手のコメントを引用しておきたい。

同点となったオウンゴールと決勝点をアシストしたMF金民友。「相手のGKが出てきているので、高いボールよりも強いボールを入れるように言われた」
決勝ゴールとなったヘディングを決めた豊田陽平。「中で勝負しろと言われて中に入った」
73分に入ったDF磯崎敬太は、「守備を安定させるように」と指示を受けている。

これら全ての交代(指示)が、金民友を一つ前のポジションでプレーさせる(守備の負担を減らし攻撃に専念させる)ことになるわけで、90分と90分+3の2得点につながったのである。
読者諸兄も、もう一度懇切の試合の映像を見直して欲しい。
73分以降の左サイドでの磯崎敬太の献身的な守備、90分のオウンゴールを引き出した金民友の低い弾道のクロスボール、そして90分+3の決勝ゴールとなった豊田陽平がフリーになる動きを。そして、流れが悪い中でも、交替選手に的確な指示を与えて引き寄せた勝点3を。

最後にもう一言だけ豊田陽平の言葉を伝えておきたい。
「僕にとっては忘れられないゴールだけど、このゴールはみんなで奪えたゴール」
この気持ちが今の鳥栖を支えている原動力なのである。
FC東京戦から始まった今季の戦いは、個の力に長けているチームとの対戦であった。これにたいして鳥栖は、組織力(いやっ、結束力と言ったほうが近いだろう)で結果を出すことができている。
次節は、さらに強力な個の力を持つ湘南と対戦する。しかし、結束力でそれを上回る力を出してくれると思わせる終盤の勢いだった。
監督采配に応える選手たちの結束は、勝利という結果でより固くなってきていることは間違いない。

ボールが動けば、ピッチ上の22人の選手たちが動く。しかし、ボールに触れることができるのは1人だけで、その一人になるために相手に身体をぶつけ走り回る。
自分がボールに触れなくても、味方をサポートするために動き、声を掛け合う。
チームプレーの面白さを随所に見ることができるサッカーは、1本のパスで局面を変えることも出来るのである。
ボールの込めた思いやパスの意図、監督の采配と選手の判断など、局面に訪れる目には見えないプレーを想像しながらサッカーを観戦するのは楽しいものである。
プレーに込められた選手のメッセージを感じるときにこそ、スタジアムが一体となった瞬間である。

以上

2011.05.09 Reported by サカクラゲン
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