5月8日(日) 2011 J2リーグ戦 第11節
北九州 1 - 0 水戸 (19:03/本城/3,199人)
得点者:69' 池元友樹(北九州)
スカパー!再放送 Ch183 5/9(月)後11:00〜
☆totoリーグ
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ナイトゲームの本城は幻想的ともいえる霧にすっぽりと包まれていた。試合の写真を見ていただければその霧の様子は分かると思うが、メーンスタンドの記者席からは反対側のピッチが霞み、肉眼では選手の判別が難しくなるほどの濃霧。ただその朝靄のような風景は、何かが起こりそうな予感を感じさせるには十分だった。
前半は北九州のペースで試合が進む。ボールを回しながらのていねいな組み立てと両サイドバックの多田高行と関光博の積極的なオーバーラップで、前節の熊本戦に比べて高い位置でボールをキープ。中盤を支配し、試合を優位に進めていた。ただチャンスはあれどゴールはなかなか近づいてこない。水戸の最終ラインが素早く寄せてシュートコースを限定。クロスに飛び込む長野聡には水戸のセンターバック・加藤広樹が抑えこんで武器の高さを封じた。
30分を過ぎると水戸にリズムが出てくる。小池純輝が右サイドの深いところからクロスを入れて遠藤敬佑がそれを狙ったり、遠藤と岡本達也の両FWのコンビネーションからシュートに持ち込んだり。しかし北九州もセンターバックの宮本亨と福井諒司が体を入れて枠内へ飛ぶのを阻んだ。
後半の立ち上がりも水戸の両FWが積極的にゴールを襲う。57分には岡本が枠を捉えるミドルシュートを放ったほか、その後の時間帯も水戸はセットプレーから決定機。しかしゴールが遠い。村田翔のゴール前へのプレースキックに加藤が頭で合わせていくが、北九州は長野が戻って対応した。
得点が入らないまま時間が過ぎていったが、68分に北九州に最大のチャンスが訪れる。北九州の右からのコーナーキックに合わせようとした両チームの選手が交錯。水戸にファウルがあったという判定で北九州がPKを得た。
どよめくスタンド。そして池元がボールを置き、助走を始める。霧中のスタジアムは急に静まりかえり、スタジアム中が祈るように池元を見つめていた――。いや、このとき唯一、池元を見ていない人がいた。「自分が見てないときのほうが(成功する場合が)多かったので」。北九州・三浦泰年監督はピッチに背を向け、スタンドを見上げていたのだ。
「スタンドの歓声と立ち上がった瞬間を見た時、非常にうれしかった」。沸き上がる歓声に振り向いた時には池元のシュートがゴールネットを揺らしていた。水戸のGK本間幸司もシュートコースには反応していたが、届かなかった。
この1点を北九州は守り抜いた。
ホーム・本城陸上競技場では昨年3月21日以来の勝利。「ホームで勝つことが本当の意味でのスタート。積み重ねの第一歩だと思う」と三浦監督。池元は「チームで取った1点。サポーターには長かったと思うけど僕たちを信じて応援してくれていた」と満面の笑みを浮かべた。
一方で水戸もPKを与えた以外に大きなピンチは少なく組織的なディフェンスは機能。攻撃面でもリズムがあった。柱谷哲二監督は「ちょっとした差で勝負がついてしまった」と悔やんだ。
僅かな差が勝負を決する。昨年はその差に泣き続けた北九州が霧中の一戦を制し、本城に再生…いや新生の第一歩を踏んだ。
以上
2011.05.09 Reported by 上田真之介
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