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【J2:第11節 熊本 vs 札幌】レポート:鋭いカウンターから生まれた長沢の今季2点目を守り、熊本が札幌のシュートを4本に抑えて完勝。(11.05.09)

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5月8日(日) 2011 J2リーグ戦 第11節
熊本 1 - 0 札幌 (16:03/熊本/5,709人)
得点者:41' 長沢駿(熊本)
スカパー!再放送 Ch185 5/9(月)深01:30〜
totoリーグ
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 熊本がこのゲームにおけるテーマの1つとしていた左右への揺さぶりは、札幌の選手たちにじわじわと効いていたのではないだろうか。石崎信弘監督、また選手の口からも「暑さは関係ないし、言い訳にしてはいけない」という言葉が聞かれたものの、中3日の連戦の3試合目という点を考慮すれば、27℃を越える中での熊本の横の展開とカウンターは、繰り返すことによって少なからず札幌にダメージを与えたはずである。

 もっとも、その大きな展開や有効なサイドチェンジを可能にしたのが、この連戦で蓄積しているであろう選手たちの見えない疲労を察して、システムからいじってきた高木琢也監督の判断だった。
「このチームでのデビューが待ち遠しかった」と試合後に話したエジミウソンを加入後初めて先発に起用し、これまでの1アンカーの形から、ダブルボランチに原田拓を並べるボックス型の4−4−2を採用。その理由について、高木監督はこう述べている。
「連戦の状態で回復する時間があまりなく、今日は出ませんでしたが、アンドレジーニョ選手や高木(純平)選手がトップ下に入ってくると、普段1アンカーの(原田)拓のところで、かなりきついのではないかと」

 札幌の攻撃において核になると考えられていたアンドレジーニョに代わり、前節のサイドバックのポジションからトップ下に入った高木純平も、左右に流れてスペースを作り、ボールを引き出そうと試みてはいた。石崎監督は熊本のシステム変更による影響であることは否定したが、前半を見る限り決してバランスは良くなかったとはいえ、エジミウソンと原田のボランチ2人が中盤のスペースをケアしていたことで、札幌はバックラインからの組み立てで芳賀博信と宮澤裕樹にボールをつけることがほとんどできていない。さらに熊本が今までのように前からプレッシングをかけるのではなく、「ある程度ポジションに入ってから相手のボールに対してアプローチする」(高木監督)ことを意識していたため、古田寛幸と近藤祐介という左右のアタッカーが飛び出す場面が少なく、高い位置で起点を作れない状態に陥っている。

 そうした流れで生まれた熊本の先制点は、実に見事なカウンターだった。41分、自陣でボールを奪っての早い切り替えから武富孝介がスピードのあるドリブルで持ち込むと、長沢駿と仲間隼斗もゴールへ向かって並走する。札幌も5人の選手が前後から対応しているが、視界の右側に長沢の姿を捉えていた武富は、DFをしっかり引きつけた上でGK李昊乗の動きを見てパスをチョイス。これを受けた長沢もまた落ち着いて、逆サイドを狙って確実に決めてみせた。

 非常にいい時間帯に先制した熊本だったが、後半に入ると札幌も早々に動き、57分に古田を下げて砂川誠、63分に近藤に代えて岡本賢明、そして69分に三上陽輔からチアゴと、約20分を残した状態で攻撃のカードを次々と切る。少なくともその効果はゼロではなく、チアゴを狙った左右からのアーリークロスや砂川が狙える位置でのFK、そして88分にはチアゴの落としを岡本が拾って左から狙ったきわどいシュート(この場面は熊本の守護神南雄太がセーブ)など、前線の流動性が増したことで、前節の草津戦同様に終盤にかけて何度が押し込む形は作った。
 だが熊本も、廣井友信と矢野大輔のセンターバックコンビを中心に耐えながら、追加点を狙う姿勢は崩さなかった。84分には片山奨典の左足、85分には武富と交代した吉井孝輔のミドルと、前線で体を張り続けた仲間のキープからチャンスを作り、効果的に時間を使いつつ4分のアディショナルタイムを乗り切って、3試合ぶりの勝点3をまさにもぎ取った。

 札幌に関しては、長距離の移動と慣れない暑さという要素が全く影響しなかったとは言えない。しかしその点を差し引いても、このゲームでのパフォーマンスはサポーターの期待を裏切るものになったと言わざるをえない。石崎監督も話しているとおり、「どういう相手とやっても崩せるように、レベルと個人個人の技術を上げて」いくのと同時に、ゴールへの積極性を高めることが求められる。

 一方の熊本は、札幌の拙攻やミスに助けられた感はあるが、そうした中でも前節の課題を修正して結果につなげた。この試合で採用したシステムは現時点ではオプションの1つだが、今後も「選手の能力やコンディション、パフォーマンス、相手と照らし合わせ」(高木監督)た上で選択する可能性があるとすれば、より熟成させていく必要はある。また、ここまで5試合を戦って失点2と守備に関しては一定の成果が出ており、それが勝点を上積みすることにつながってはいるが、順位表を見ても分かるとおり得点の少なさはやはり大きな課題。結果を出しながらそうした部分を高めていかなくてはならないのは難しいミッションだが、焦らずに1つずつクリアしていきたい。

以上

2011.05.09 Reported by 井芹貴志
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